◆日々のうたかた 〜猫好き・犬好き 独断と偏見でそれぞれに見るグッズ買いの傾向論〜
雑貨を扱う仕事に、若干携わっている。
物販が好きなのである。
自分が可愛い・素敵と思うものが売れた時、えも言われぬカタルシスを感じる。
この年になって気付いたことだが、全くそれとは関係ない仕事を続けてきたにも関わらず、おそらく営業や販売こそが適職なのであろう。
まぁ、そんなことは今さら言っても仕方がないので、とりあえずいい。
今回は、雑貨の物販を通じて気がついた独断と偏見について語っていきたいと思う。
とは言っても、何らかの知見を得られる類の語りではなく、率直な疑問から成る、ある傾向の話だ。
特に深い意味はないので、暇つぶしにでもお読み頂ければ幸いに存じます。
雑貨にも色々あるけれど、インテリアや装飾系の小物などなど、おおよそデザインと呼ばれるものが少しでも施される物の場合、よく用いられるのが動物のモチーフである。
人気のモチーフは、色々ある。
例えば縁起物的な意味合いで人気なものだと『福を呼ぶ』というフクロウ。
あるいは『人や物、お金が還る』というカエル。
同じように人や物が返ってくるという意味では『Uターン』に意味づけた馬の蹄鉄なども人気のモチーフである。
しかし何と言ってもぶっちぎりの双璧と言えば、やはり犬と猫に適う動物は居るまい。
体感的に言うと、争いこそ起きないにせよ、犬派と猫派の間には『タケノコ派・キノコ派』くらいの隔たりを感じる。
しかしキノコ・タケノコのように血で血を洗う争いが起きないのは、食べ物とは違い、血の通った生き物を互いに至上のものとするその気持ちと愛情のほどが、痛いほどに理解できるからだろう。
さて、しかし犬や猫にまつわる雑貨を売るに至っては、愛情の深さにはそれほど違いもなかろう両者に些か違う傾向が見られる気がする。
そのことが、どうにも不思議だった。
わたし自身は完璧な犬派なのだが、己も犬派の多分に漏れず、しっかりとその傾向を持ち合わせているのだ。
なので、この疑問はまず猫派に対して芽生えたものなのであった。
①猫派の不思議
うちの店でもたくさんの猫グッズを扱っているが、猫派はもう会計に来られた時点で確実に揺るぎなく「あぁ…この方は猫派なのだ」というのがあからさまに判る。
誤解を恐れず些か乱暴に言い切るならば、猫派は『猫ならとにかく何でもいい』感がすごい。
だから、雑貨を買う時にもハチワレと言わずミケと言わずトラと言わず、黒と白さえ問わないので、言わずもがな猫種なんてほぼどうでもよさげなのだ。
とにかく、猫と名のつくものは手当たり次第に買っていかれる方が多い。
この辺が、犬好きから見ると少しばかり不思議なのだ。
②犬派の不思議
さて、対して犬派はお会計に来られた一見では、それとは解りにくいことが多い。
犬派はまず猫派が絶対と言っていいほどしてこない、とある質問を受けて初めてそれと判る確率が非常に高いのだ。
それは「これの◯◯(犬種)柄ありますか?」というもの。
そう。犬派と猫派の一番の違いは、ここなのであった。
犬派は押しなべて「自分が飼っている犬の犬種と同じ、もしくは同じ犬種が他の犬種と一緒にデザインされたものしか買わない」のである。
これは雑貨に携わるまで気づかなかった特徴だ。
まずもって猫派に「このグッズの三毛猫バージョンありますか?」などと聞かれたことはないし、とにかくありとあらゆる犬種のグッズを手当たり次第に買っていく犬派も見たことがない。
これは、たまたまなのだろうか?
しかし、推論として両者が愛する動物の傾向を考えれば、何となく不思議の答えが見えてきそうな気もするのだ。
もちろん全部がそうではないが、猫は気高く自由気ままで、人に媚びたりはしない動物、というイメージがある。
ネットを見ていても、どちらかと言えば人が猫様にひれ伏しているといった様相だ。
だから、猫様が図案化されたものに対して選り好みなど以てのほか。
全ての猫様が当然のごとく尊いわけであるから、手当たり次第に買っていく。
対して、犬はとにかく人懐っこく従順で、とにかく惜しみない親しみを人に対して見せるイメージだ。
こちらはネットを見ていてもひたすらに『うちの子』を溺愛している様相が見て取れる。
だから、全ての犬が尊いまでは猫派と変わりないのだが、中でも自分や家族にだけ全幅の信頼と愛情を全開にする『うちの子』と同じ図案はないですか?になるのではなかろうか。
先にも述べたように、これはどちらがどちらに対して愛情深いとかいう話ではない。
どちらもが対象に深い深い愛情を持っているのは同じだ。
ただ、ここまで顕著にグッズの買い方に違いがあるのが非常に興味深い。
似たような感想、または別な推論をお持ちの方がいらしたら、是非ともお聞きしたい。
純粋に、知的探究心が疼くのである。
ところで、猫派と同じくらい『とにかく何でも買っていく』には【馬派】という派閥もある。
面白いことに【牛派】の場合は、その仕事に携わっているかどうかで『ホルスタイン派』と『和牛派』に分かれがちだ。
こちらも一緒に掘り下げてみようかとも思ったが、長くなりそうなので気が向いたらそのうち書いてみようと思います。
それでは、このたびはこの辺で!