◆来たぞ日本最北端!編②/ミドル夫婦の車中泊de道の駅めぐり
1.来たぞ日本最北端!
2024年7月27日の14時頃に日高地方の田舎町を出発し、音威子府村で一泊して翌日。
【道の駅 ピンネシリ】⇒【道の駅 マリーンアイランド岡島】⇒【道の駅 北オホーツクはまとんべつ】⇒【道の駅 さるふつ公園】と来て、わたしたちはいよいよ日本最北端の【宗谷岬】への道に差し掛かっていた。
何しろ日本最北端。
だからなに?という人にはまったく無価値かも知れないが、安全的非日常が大好きな頭お花畑夫婦の我々にとっては、最高に価値のある到達である。
刻々と移動するナビの現在地に、いちいち「うぉー!!あとちょっとー!!」などと叫び散らかしながら、一目散に車を走らせた。
ちなみに第一章はこちら⬇️⬇️⬇️
襟裳岬とは違うな、と感じたのは、宗谷岬へ向かう道のりは意外に高低差があったこと。
ある程度まで行くと道の両脇が海になる襟裳岬とは違い、岬の角度が広いせいか、道を普通に走っているうちに「スンッ」と到着してしまった。
とりあえず観光バスの到着によって人がひしめいている最北端の碑での記念撮影は後回しにして、まずは展望台と宗谷岬平和公園付近をうろついてみることにした。
展望台は岬の灯台がある高台付近にあって、やはり古くからの観光地のためか、施設はそれぞれめちゃくちゃ年季を感じさせる仕様。
晴れた日は樺太が見えるということだったが、わたしたちが到達した日は曇り空が続いていて、頑張って目を凝らせば「あれかな…?」くらいの陸地の影は見えるような気がしたものの、もしかすると雲かもな…くらいの手応えしかなかった。ガチで悔やまれる。
あとめちゃくちゃびっくりしたのは、高台の上にある【宗谷岬平和公園】には、なぜか妙に人馴れした鹿がうようよいること。
土地柄、平和を祈る石碑だとかモニュメントだとかがあちこちに建っていて、公園自体もよく整備された美しい場所なのだが、何しろ鹿だらけなので必然的に芝生は糞だらけ。
鹿は日高でもさんざん見慣れているのだが、さすがにこれだけ近距離でもまったく逃げる気配のない鹿たちは見たことがない(奈良公園以外では)
しばらくの間つかず離れず鹿と戯れたあとは、高台から観光バスの混み具合を見計らって、再び最北端の碑まで降りてみた。
記念撮影の順番待ちの列は途切れる気配もなかったが、幸い前ほど混みあってはいない様子だ。
ほとんどが外国の方と思しき列に大人しく並び、自分たちの順番を待つ。
そして…
傍目から撮影の様子を見ている分には「こんな感じかぁ」程度だった感慨が、ここに降り立った途端に ぶわー!!と波のように押し寄せてきた。
何とかして自撮りでモニュメントと自分たちを収めようと四苦八苦していると、次の順番待ちをしていためちゃくちゃイケメンの外国人のお兄さんが「撮ってあげようか?」的な感じの笑顔で手を差し伸べてくださり、無事記念撮影は終了!
ここからしばらくの間は、海に降りられるようになっているところから日本最北端の海水に触ってみたり、お土産屋さんでマグネットを買ってみたり、やはりどうも遠くに見えているような気がしてならない樺太に目を凝らしたりしながら、小一時間ほど散歩をした。
…てかこう…あれだね。
ガチのガチで外国と隣接する土地に暮らすって、どんな気持ちなんだろう。
周辺にはそういったことも含めて平和を願うモニュメントとかもたくさんあり、思想信条についてはあまり語りたくないので伏せはするけれども、改めて夫と一緒に考える良い機会になったりした。
あと、岬周辺には【宗谷岬の白い道】という、ホタテの貝殻を砕いたものを道路一面に敷き詰めた観光スポットがあり、そこが「とても日本とは思えない」ほどの美しい景色ということで人気を博していたらしいのだが、何しろその日の朝にせっかく履いてきた歩きやすい靴をびしょ濡れにしてしまった(※日本最北端編①を参照のこと)ので、ショボいサンダルでは無理だ…と泣く泣く断念した。
あとは夫が稚内市観光及びノシャップ岬見学を熱望していたのと、稚内方面に遊びに行く旨をX(旧Twitter)で呟いたら「ぜひ会いましょう~!」と言って下さったわたしのフォロワーさんと会うくらいが、残り少ない今回の『やりたいこと』である。
何はともあれ時刻もそろそろ15時を回ろうという頃。
とにかく稚内市内まで車を走らせてみて、そこでご飯でも食べよう!という運びになった。
2.【道の駅 わっかない】から最北端の都市を満喫 ~そして心に残る嬉しい出会い
思わずカーナビの画面まで画像に収めるほどはしゃぎ倒しながら、宗谷岬から稚内市内への道をひた走った。
さすがに最北端の港町だけあって、行く先々に現れる風景はどこか函館を思い出す迫力を感じさせるものの、心なしか物寂しさも含んでいるような気もする。
しかしそんな感傷も束の間、たどり着いた稚内の港は、びっくりするほどばかでけぇー!!のであった。
そういえば、ここに至るまでに夫と気づいたことだが、道北・オホーツク沿岸の町に入ってから、いたるところで【JF〇〇(町名)】という看板を目にしていた。
「あれ、何の企業だろうね?」などと首を捻っていたのだが、ここまで来て初めて、入れ替わりのように地元ではよく見かけていたJA(農協)の看板をあまり見かけないことに気づく。
ということは…つまり…F…あれはFISH!?そうか!漁協のことなのかー!さすが漁業の街!!!と、妙なところでまた感心してしまった。
え?気づくのが遅いって?
そこからナビが示している【道の駅 わっかない】に辿り着くと、それはどう見ても駅舎なのでありました。
廃線も数知れない北海道にあって、いまだ現役のJRの道の駅。来る途中の道のりを思うだに、いくら車の性能が年々上がっているとは言え、冬場は電車に頼らざるを得ないこともあるだろうなぁ、と思いを巡らす。
スタンプの場所には些か迷ったけれど、売店とは逆方向の通路そばに無事発見し、ここもクリアの証にスタンプを押した。
売店は、さすが駅舎と兼用だけあってまぁまぁのお土産品ラインナップ。
ぶらぶらしていると『宗谷の塩ソフトクリーム』というのが売っていたので、晩ごはん前にも関わらず飛びついてしまった。
うーん、確かに仄かな塩味が感じられるあっさり系ソフトクリーム。口どけも柔らかくて、この季節にはぴったりの爽やかさだ。
この一ヶ月前には道央付近を巡っていたのだが、どうも道央付近は濃厚系、道北はあっさり系ソフトが多い気がする。もしかすると地域ごとに好まれる系統のソフトクリームが違うのかも知れないね。
少しまだ時間があったので、せっかくだからと駅の周辺でポケモンGOを開いていると、ちょうど駅近くのポケモンジムではレイドバトルが始まっていた!
ふと見れば、一番間近のジムには4人の参加者。
思わず夫を放り出して慌ててジムに飛び込む。
結局何のポケモンをゲットしたかは忘れてしまったけれど、最果ての地で見知らぬ誰かとレイドバトルするという不思議な経験と、最果てのポストカードを手に入れたのでありました!
一緒に戦ってくれた誰か、ありがとう!
そして夫よ、ごめーん!!
そのあとは、稚内港の間近にある【稚内副港市場】を見に行った。
そりゃもう当たり前のことだが、ここはもう海産物がぎっしり!!
いくつかの乾物をお土産に買って、そろそろ晩ごはんのお店を探すことにする。
…しかし。
んまぁ、時間が少し早かったために居酒屋系が軒並み開店前だった可能性もあるが、どうも日曜が休日のお店も多いようだ。
いつも通りGoogleレビューを頼りに歩いてみても、なかなか目ぼしいお店は見つからない…。
そう。またしてもわたしたちは晩ごはん難民になりかけているのであった。
滝川市でもそうだったけれど、北海道の市町村をめぐっていて近頃よく思うのは『駅前商店街が軒並みダメになっている』という現実だ。
これは自分が住んでいる街でも同じことで、利用者が激減したり廃線になったりしているJRの駅周辺は目に見えるように廃れてゆき、代わりに郊外を狙って進出する大型ショッピングモールの周辺が飛躍的に発展している。
時代の流れと言ってしまえばそれまでだが、それが地域の個人商店を圧迫して駅前の空洞化を招いている現実は、少子化の勢いと合わせていかにも物悲しい。
とは言え何か己で解決策を思いつくわけでもないよなぁ、なんてことを話しながら、しばらく夫と2人で駅前の道をぐるぐる徘徊しながらお店を探して歩いた。
すると、どうでしょう。
むぬすげえ攻めた名前のお店を見つけた。
日本最北端の街で『北へ北へ』とは。
思わず夫と2人でカミナリ風に「日本じゃここより北はねーな!!」とツッコミを入れながら歩いてしまった。
結局、基本的には休みの店がほとんど、開いてる店は満員で入れない、という事態にしょぼくれた我々は、いったん車に戻って作戦を立て直すことにした。
せっかく稚内まで来たのに、美味しい海産物をたらふく食べずに帰るなんて悲しすぎる。
とは言え、実を言うと二人ともほとんど酒が飲めないので、居酒屋に行くのも割合気が引けるのだ。
どうしよう…どうしよう…とGoogleとにらめっこした末、稚内に本店を置くという回転寿司【花いちもんめ】さんに滑り込むことに成功した。
店内は激混みの混み混み。待ち時間は1時間近くなったが、何とかお寿司にありつくことができた。
いやー…しかし日曜だから仕方ないとは言え、頼むもの頼むもの、かなりの高確率で品切れなのには閉口した。
わたしは基本的にサーモンとホタテがあれば幸せな人種なので良かったけれど、夫はマジで頼むものが片っ端から売り切れており、可哀想になってしまうほどだった。
お味は…うん。北海道だと割合平均的な回転寿司さんという感じでしたね。
でもホタテは生は売り切れて解凍のしかなかったけど、それでも充分に貫禄の美味しさだったよ!
ご飯を済ませたあとは、わたしのXの相互フォロワーさんと合流する約束になっていた。
この日は地元のお祭に参加していたのだというお二人は、お疲れに違いないにも関わらず、滅多にない機会だからとわざわざ足を運んでくれたのでありました。
どこかオシャレなカフェででも…と思ったけれど、時間も時間だったために近場のマックで待ち合わせ。
んもー初めて会ったとは思えないほど楽しい時間を過ごさせて頂いたのでした!
げんさん&みっちゃん、本当にありがとうー!
そして、帰る間際まで知らなかったのだけれど、ここのマックは【日本最北端のマクドナルド】ということで、やはり地味に観光スポットになっているのだそうな。
外にはマックのあの人形が置いてあり、ちゃんと記念撮影ができるようになっている。
何でもバイク乗りの人がよくここで記念撮影をされているそうで、地元のお二人がいなかったら絶対に寄っていない場所。楽しい思い出がまたひとつ増えたのでした。
あまりの楽しさに時間も忘れて盛り上がっているうちに、時刻はあっという間に21時ちょっと前。
あと少しで温泉施設が閉まってしまうことを思い出し、慌ててお二人とお別れし、港付近で見かけた【港の湯】へ。
時間はかなりギリギリだったけど、広々お風呂にそれなりにゆっくり浸かることができた。
調べてみると施設自体もかなり新しいそうで、全体的にキレイ。造りはレトロで味がある感じに仕上げてあり、休憩スペースも充実していた。
何しろ若干とろっとした泉質で、すぐに汗がぶわー!と出てくるのが気持ちよかったっす。オススメだよ!
温泉を出たのは、22時の少し前。
盛りだくさんの一日で、そろそろ充実感と共に疲労感が込み上げてくる時刻。とりあえず道の駅に戻ろっかー、と行ってみると…
もう隙間ないほど車中泊の車でびっしりの激混み!!
時間も時間だけに、ほとんどが寝ている様子で静まり返っていた。
辛うじて、キャンピングカーとキャンピングカーの間くらいのせまーいスペースを見つけたけれど、これからあれこれ準備をしなければならない身としては、ドアの開閉の度に鳴る「ピーッピーッ」という動作音が気になりすぎて落ち着くことができない。
仕方なく、さっきげんさん&みっちゃんにオススメされた稚内公園のキャンプ場を目指すことにした。
稚内公園は、げんさんの言う通り夜景がめちゃくちゃ綺麗な公園だった。
昼間来ても良さそうだなぁ、という感じの、空気が澄んだ公園。
うわぁー!夜景キレイだねえ!……ん…?てか蒸し暑い真夏のはずなのに…何かちょっと…ここだけ寒くない…? ………てか…ちょっと…あれ…?気のせいかな…?えっと…あの……
なんか怖くない?
おあつらえ向きに、わたしはポケモンGOを開いていた。
ちょうどそこには、あらゆる観光名所や商業スポットなどに設置されているポケストップがある。
試しにそれを見てみると『殉職の碑』と書いてあるではないか。
えー。もうここでいいじゃーん、と宣う夫の手を引っ張り、わたしは一目散に稚内公園を後にしたのであった。
後日調べたところによると、別にその場所で殉職があった、とかではないらしい。なので、あの霊気みたいなものは気のせいだったかも知れないんだけど。
でもとにかくあの時は何か怖かった!
すっかり宿泊場所難民になった我々は、結局明日向かう予定だったノシャップ岬に前乗りすることにした。
3.ノシャップ岬からサヨナラ稚内。そして帰路の道の駅へ…【道の駅てしお】⇒【道の駅 なかがわ】⇒【道の駅 おといねっぷ】
真夜中にたどり着いたノシャップ岬は、当然のごとく灯台が照らす灯りですら頼りなく、そこが海であること以外はほぼ何も解らない暗闇だった。
景色などを検分するのは明日に回すことにして、わたしたちはともかく寝る準備を始める。
先客は立派なキャンピングカーが1台きり。
間近にはなかなか綺麗な24時間トイレがあり、やっと快適な宿泊が出来たのだった。
翌朝、ノシャップ岬はあいにくの曇り空。
ここにも小さなお土産屋さんがあったので、最終日なこともあり、冷蔵&冷凍系の海鮮おみやげを購入し、クーラーボックスに詰め詰め。
本当だったら、ここからキレイな利尻富士が見られるはずだったのになあ。
ご覧の通り、おおよそ利尻島があると思われるあたりはすっぽりと雲に覆われている。
諦め切れずにウロウロしてみたが、結局一度も雲が晴れることもないままに、とうとう稚内を後にする時間が来てしまったのだった。
帰りはせっかくなので、立ち寄れそうな道の駅はなるべく寄っていこうということになり、まずは【道の駅 てしお】を目指すことになった。
稚内から小樽を結ぶ海沿いの道は【日本海オロロンライン】とよばれ、晴れた日には遠くに利尻富士を臨むことができる絶景のドライブウェイとして、地元・観光客を問わずに愛されているらしい。
うん。なるほど。晴れた日ね。
まぁ案の定、わたしたちが通った時のオロロンラインはこのザマでございます。
下手すると立ち込める雲のせいで、島どころか海そのものさえ見えなくなりそうな悪天候の中、はっきり見えたのは人との距離が近すぎる鹿たちが我が物顔で飛び出してくる姿ばかり。
んもーめっっっちゃ利尻富士見たかったぁー!!!(まだ言う)
鹿は残念ながら見慣れてるんよぉー!
とは言え、さすが名道と言われるだけあって、雨のオロロンラインもなかなかにオツなもの。
合計28基もの巨大風車が立ち並ぶ場所などは、北海道民なのに『ここは本当に日本か…?』と言いたくなるほど異国情緒あふれる風景。
中にはまったく電信柱が見えない場所などもあり、走るごとに風景が変わる非常に見応えのある道なのでした。
何度も言うけど晴れに越したこたないけどね!!
ところで、ここまで走ってきて、わたしたちには気づいたことがあった。
この道、本当に恐ろしいほど商業関連の施設や店がない。
もっと言えば、対向車はおろか後続車もほぼいないのだ。
それが余計にホラーゲームの序盤のようなちょっとした不安感を煽り立ててくる。
この旅日記の①で、音威子府村に至るまでの道でも「この距離間、コンビニが一軒も見当たらないのすごくない?」などと驚いていたのだが、稚内から手塩に至るまでの道の方が格段に長くコンビニを見かけなかった。
コンビニがないくらいで何言ってんの?と云われそうだが、実を言うと「どっかでおろせばいいや〜」などと呑気に構えていたため、わたしたちの手持ちの現金は過去の小旅行の中でもずば抜けて心細くなっていたのだ。
もしかすると道の雰囲気や天候よりも、懐具合が不安感を煽ってきていたのかも知れない。
ともあれ、わたしたちの不安をよそに車はひたすらに走り続け、ノシャップ岬を出てから約1時間ほどで【道の駅てしお】に到着した。
ここは、道北のあらゆる道の駅の中でもかなり好感度が高かった。
というのも、飲食物やお土産ものをきちんと地場産で作ろうという気概が見え隠れしているからだ。
地場産に見せかけた他市町村の何がしかでお茶を濁そうとしている道の駅とはえれえ違いである。
ソフトクリームは、ガチガチにうまかった。
久々に見たもん!カルピジャーニのソフトクリーム!
こちらは当然のごとく地元の牛乳を使用したオリジナルソフトクリームで、道北で食べた中では一番コクがあったと思う。舌触りもさすがにきめ細かくふんわりと仕上がっており、それだけでもうセンスの良さを感じさせた。
あと、ここの売店で売っていた地元産のタコを使用した『たこキムチ』が、海鮮のうまみがたっぷり感じられるキムチで大変美味しく、お土産にも喜ばれたのでオススメです!
だがしかしですね。
やはり現金が不安だったので、さすがにこれだけの街ならあるだろうとスタッフの方に「すみません…この辺で一番近いセブンイレブンはどこですか?」とお尋ねしたところ、一瞬強張った表情になられたあとで「この辺にセブンイレブンは一軒もありません」ときっぱり言い切られてしまったのでした。
天塩町の道の駅はほんまに素敵なので、ここに来るまでにしっかり財源を確保されておくことも同時にオススメしておきます!!
未だに自分のお小遣いはクレカより現金になりがちな昭和人なんだ…
とは言え、セブンイレブンがないことを除けば天塩は素敵な印象しか残らなかった。
帰り際に写真を撮り忘れていたことを思い出して四苦八苦していると、地元の学生さんと思しき方がすかさず「撮りましょうか?」なんてお声がけくださったりね!
本当は美味しそうなしじみラーメンなども食べて行きたかったのだけれど、少し早すぎたためにレストラン部門が開いておらず、またしても泣く泣く諦めて次の道の駅へ向かった。
次の【道の駅 なかがわ】は、手塩から再び音威子府村方面の山中を抜ける国道沿いにある。
オロロンラインとは対照的な、くねくね曲りくねった山道だった。
正直その前の手塩が良すぎたせいか、割とありきたりな規模感に映ってしまったが「中川」の文字がデザインされた面白いTシャツが売っているなど、地元を盛り上げようという意欲は見て取れる。
せっかくなので何かひとつでも、と思い中川産のウインナーを買ってみたけれど、これはかなり美味しかったです!
その勢いで買った『ハスカップ入りウインナー』は、帰ってからソテーにして食べた。
爽やかな酸味と旨味のある脂、チーズの香りが絶妙にマッチする逸品なので、加工肉好きな方へのお土産にもいいと思う!
中川から音威子府に向かう道中では「松浦武四郎・北海道命名の地」という看板を見かけた。
何しろノシャップ岬から自宅までの道のりを今日中に戻らなければならない実感が込み上げてきたために特に寄らずに通り過ぎてしまったが、松浦武四郎の足跡は至るところで見つけることができる。
本当はこういう場所も見逃さずに行ける余裕のある旅の方がいいんだろうなあ、とか何とか言いながら、昼前には何とか音威子府村に戻ることが出来たのだった。
とりあえず道北・道の駅を一巡した結果、ここまで1台のキッチンカーも見ていないことに気づく。
てかそんなことある!?
他の地域では、もう『道の駅=キッチンカー』の図式が出来上がりそうなくらい、特に週末はキッチンカーと、それを求める観光客や地元客で賑わうものなのに、道北はまるで隔絶されたかのように静かなのだ。
いや、でもだからこそ、地元産の商品が力を発揮しやすいのかもね。
戻ってきた音威子府村の道の駅では、地元特産の生そばを購入した。
うっかりお土産を買い忘れた友人のとこに行ってしまったので自分では食べることができなかったけれど「美味しかったよー!」という感想をもらったので、美味しかったんだと思います!
大変アットホームな道の駅だったので、道北方面へ行かれる際は車中泊以外のお立ち寄りには最適かと!
こうして、わたしたちの道北めぐりは幕を降ろしたのでした。
4.【道の駅びふか】⇒【道の駅 もち米の里☆なよろ】⇒【道の駅 羊のまち 侍・しべつ】
ここからは、もう半分気持ちは消化試合みたいな感じも正直あった。
何しろ、目的も目標もほとんど達成されたと言っていい。
とりあえず、また来るには大変すぎるからという理由で、わたしたちはひとまず【道の駅 びふか】に立ち寄ることにした。
ここは、イタリアの建築家が設計したという中世ヨーロッパのお城をイメージした建物という触れ込みになっていて、行く前から少しばかり楽しみにしていたのだが、実際に着いてみると確かにそんな趣は感じられるものの、日本語の看板やら公衆トイレやら売店やらの雰囲気のせいか、何だかちぐはぐな印象になっている古めの建物だった。
ただ、中にはきちんと特産品や地場産食材を使ったおもしろメニューなどがあり、訪れる人をワクワクさせてくれるような力はある。
とりあえず売店で見かけた『チョウザメフライ』を夫が「食べてみたい!」と騒ぎ出したので、確かに初挑戦だな、と食べてみることにした。
感想は…
ほぼ、たらフライじゃん!
言われてみれば仄かな臭みみたいのを感じなくもないが、濃いめの味付けでそこまで気にならない。普通に完食する。
そして、ここを訪れたのにはもうひとつ理由があって「本場のインドカレーが味わえる」と情報誌に書いてあったのだ!
何しろ、心許ない現金を気にしながらここまで我慢してきたので、空腹はピークに達していた。
さっそく本場のインドカレーを注文してみる。
夫がキーマカレーを頼んだので、わたしはまず家では滅多に食べる機会のないシーフードカレーを注文した。
楽しみに到着を待っていると…
夫のキーマカレーからは想像もつかない落差の、シーフードミックスと思しき破片がパヤパヤと踊るうっっすいカレーなのであった。
こんな気持ちになったのは、20年以上前に行った伊◯時代村の忍者カレー以来だよ!
若干悲しみに暮れていると、同情した夫がアーモンドソフトクリームを買ってくれた。
あと、ここには珍しい羊のミルクソフトというのもあり、そっちは夫が食べていた。
味見させてもらったが、総じてどちらもあっさり系。アーモンドの方はそこはかとなく香るナッツ感が香ばしくて、あっという間に食べ終わりました!
あっさり系がお好きな方には良いかと思われ!
そして、とうとうここで夫婦合わせての所持金が、1000円を切るというおそろしい事態に。
さらにガソリンは赤ランプ!
この旅シリーズ始まって以来のピンチを味わうことになったのでありました。
帰路は、どうしても通る道の駅がいくつかあって、美深もそうだったのだけれど【道の駅 もち米の里☆なよろ】も、そのひとつ。
確か名寄って…大きい街だったはず…だから多分セブンイレブンもあるはず…ガソスタもすぐに見つけられるはず…と言い聞かせながら、約40分ほどの道のりを進む。
そうこうしているうちに見えてきた2日ぶりのセブンイレブンを目にしたときは、思わず一人で大歓喜してしまった。
これで楽天銀行の現金がおろせる…!
すっかり潤った懐に安心し、そのままの勢いで【道の駅 もち米の里☆なよろ】に立ち寄ってみた。
よく手入れされたお花が並び、比較的新しい感じのする道の駅。
中も地場産商品が豊富で、もっとゆっくり見たくなるような道の駅でした。
さすが「もち米の里」を自称するだけあって、お餅を使った「ソフト大福」が大人気。建物のほぼ中央を占拠する冷蔵庫には、びっしりと様々なフレーバーの大福が並べられており、次々と飛ぶように売れていた。
お弁当コーナーには、珍しいもち米を使用した稲荷寿司も売られており、何種類かの味が選べるようになっている。
わたしは大好きな鮭と枝豆を使用した神メニューを選択!
これも大変もっちもっちと食感も味もよく、美味しく頂けたのでした。
名寄の道の駅には、そのほかにも地元産のかまぼこなどが売っていて、こちらもぷりぷりした歯ごたえが楽しく、色々な味があって選び甲斐があった。
お値段も手ごろだったので、実家へのお土産に3つほど買って道の駅を後にする。
最後は【道の駅 羊のまち 侍・しべつ】
本当は、ここは次回に回して帰ろうか、という話をしていたのだが、ラム好きな夫がここに売っているラムの「キーマカレーおやき」というのを食べてみたい、というので寄ってみたのだ。
しかし、それは土日限定商品だったらしく、道の駅自体も平日はそれほど盛り上がっていない印象だったので、そっとスタンプだけ押して、また改めてリベンジすることにした。
ここからの帰路は、ずっと雨模様。
本当はドラマ『北の国から』の吾郎さんも参加していた富良野の『へそ祭り』が開催中との情報をゲットしたので、そちらも回って帰りたかったが、何しろ雨が本降りになってきたので断念した。
今回の旅は、本当に天候に泣かされる旅でもありましたね…
しかし振り返ってみると、人の気配がなかったり、コンビニがなかったり、雨が降ると魅力が半減だったりと切ない部分も多々あったけれど、道北の独特の雰囲気は他では味わえないものだったように思う。
同じ道内なのに、ここまで景色が違うとは、驚きだった。
あの、雄大かつ荒涼とした地平線と水平線、そして丘陵のコラボ。
一度通れば北海道の雄大さを余すことなく味わえる内陸から海外線をぐるりめぐるルートは、どこよりも見応えがあったのではないかと思います。
確かにちょっと交通の便は悪いけれど、それを押してでも行ってみる価値はある場所かと!!
みなさんもぜひ、日本最北端の景色を見に行ってみてくださいねー!!
それでは、今回の旅日記はこのへんで!
長々とお付き合いありがとうございました!