◆目指せ暫定国土最東端①/ミドル夫婦の車中泊de道の駅めぐり
1.はじまりの雨〜ナウマン国道を通り【道の駅 うらほろ】へ
2024年8月23日。
わが町の朝7時は、土砂降りだった。
娘同然だった愛犬が虹の橋を渡ってから、その寂しさを埋めるようにシフトで3連休以上が入るたびに敢行していたこの『車中泊de道の駅めぐり』も今回で4度目となる。
この日が来るまでの1週間ほど前から毎日のように釧路・根室地方の週間天気予報とにらめっこしていたが、ついに快晴予報にならぬまま当日を迎えてしまった。
一時は諦めて最東端(暫定)アタックはまた別の機会にしようか…などと日和っていたのだが、結局3日連続大雨っぽい最悪の予想は免れる気配だったので、思い立ったが吉日!とばかりに決行することに決めた。
今回の道の駅めぐりは、まずあくまでも「現段階での」国土最東端を目指す!というのが主目的だ。
前回の最北端到達がそれなりに感動的だったので、味をしめたのもある。
とにかく我々は今、何となく気持ち的に『最果て』を求めているのかも知れない。
現在の日本の本土最東端は、根室市に属する【納沙布岬】ということになっている。
わが町から直行すれば、最短でも384km。車では約6時間20分かかる、とgoogleマップには出ていた。
とりあえず、今日は何とか根室市まで到達できれば勝確だな!とアタリをつけ、わたしたちは国道236号線・通称【天馬街道】を通るルートで、目的地を目指し始めたのであった。
冒頭でも述べたように、スタートはとにかく土砂降りの大雨。
それが、天馬街道を抜けて国道336号線、通称【ナウマン国道】に入った途端、晴れ間が見え始めた。
「我らながら持ってんな!」などと2人して自画自賛しながら、海沿いを走っているとは思えないほど山感のあふれる道をひたすら進んでゆく。
ちょっと距離感がバグるほどデカい牛舎がゴロゴロしている大樹町の牛エリアや、水かさを増して縦横無尽に流れ出している歴舟川を超えてしばらく走っていると、ふと奇妙な看板が目に留まった。
【ナウマン象発掘の地 500m】
出だしで浮かれまくっていた我々は、まだ道程の3分の1にも満たない場所で第一の寄り道をしてしまったのだった。
そこは【ナウマン国道】から山の方へ、確かにほんの500mほど入った脇道のそばにあった。
ご覧の通り、時々誰かが手入れしているものか、そこはかとなく刈り込まれた雑草が伸びかけてきた、といったところ。
大きさとしてもそれほど圧があるわけではなく、本当に『小ぢんまり』という風情だ。
正味のところそれほど面白みがあるというわけでもないのだが、まだ新しい感じのするオブジェがじわじわくる。
発掘されたナウマン象の骨の化石のレプリカと、ナウマン象の足跡を象ったコンクリート。
そういや「かたどった」って言葉は「象」って書くんだな!不思議!
実際にそばで自分の足と比べてみたナウマン象の足跡は、それほど大きくはなくて驚いた。昔のアニメではドでかいナウマン象が原始人を追いかけまわすような描写があった気がしたんだけど、もしかすると小象なのかなあ。
ともあれ、古代にしばし想いを馳せ【ナウマン国道】の由来を知ることができた喜びを噛みしめながら、我々は本線に復帰したのだった。
ところで、先述したように336号線は地図で見るとそれなりに海沿いを走っている。しかし実際に走ってみると案外奥まっていて、海が見えない場所がほとんどだ。
調べてみたところ、ここらは沼だらけの地形らしく、なるほど沼の上には道は通せんもんな…と納得した。そして進むほどに、納得に拍車をかける大沼小沼がたくさんナビ上に出てくる。
この道も他地域の多分に漏れずコンビニも殆ど見かけないのだが、前回の教訓を活かして比較的潤沢な資金を現金で用意してきたので、今回は気持ち的に余裕があるわたしたちなのであった。
十勝川を越えると【道の駅 うらほろ】のある人口約4500人の浦幌町に入ってくる。
途中、やたら見事なウォールアートを見かけたので、思わず激写した。
ここらは本当に酪農家が多く、いたるところに牛舎が点在していた。
また『愛牛』など牛に因んだ土地名もそこかしこに散見され、まさに牛と共に生きる街なのだなあ、と実感する。
市街に入ってすぐのところには、潰れてしまったガソリンスタンドを野菜の直売所として利用している店舗があった。
それに、どう見ても車のディーラーのだったものが中華料理店として生まれ変わっている店舗があったりと、空き店舗をそのままにしておかない地域力を感じさせる趣がある。
そのまま期待に胸を踊らせながら直進してゆくと、【道の駅うらほろ】は、ちょっと判りにくい森林公園の入口あたりにあるレストランの、ちょうど影になる裏側にひっそりと存在していた。
【道の駅 うらほろ】は、外観こそ小ぢんまりとまとまっているものの、中は規模感の割にまぁまぁの充実ぶり。地場産品が多く野菜の直売所もあり、多くの観光客や地元の方々で賑わっていた。
一番目立つのは地元産の大豆推しだったが、冷凍コーナーには肉類が、冷蔵コーナーには地場産のお漬物などがそれぞれ充実しており、お土産に良さげなものもちらほら見受けられた。
あと、ここでは「寄ったら絶対食べよう!」と心に決めていた地元産の黒大豆『黒千石』を使った『黒千石きなこソフトクリーム』が販売されている。
こちらはワッフルコーンでミックス320円。
きなこが濃厚な割に口どけさっぱりで、蒸し蒸しと暑い気温の中ではぴったりの爽やかさであった。
きなこ好きもソフトクリーム好きも、ぜひ食べてみてください!
2.釧路寄り道〜道の駅王者・厚岸グルメパークへ!
浦幌町の道の駅からは、当初、国道38号線を通り約50分でたどり着く【道の駅 しらぬか恋問】を目指す予定だった。
しかし、いざ向かってみるとトンネルが多い上に、そこかしこでトンネル工事をしていたため思ったより走ることができず、まぁまぁのタイムロスとなってしまった。
別に急ぐ旅でもないのだが、もう最初からこの日は『北海道の道の駅人気ランキング・飲食部門14年連続ぶっちぎり1位』という【道の駅 厚岸グルメパーク】で昼食を摂ろうと決めていたので、個人的にはあまり遅くなりたくなかった。
何しろ釧路・根室は食べてみたいものが多すぎる。昼食が遅くなればその分晩ごはんが入らない確率が上がるのだ。
それだけは絶対に阻止しなければならない!と思い、わたしは【しらぬか恋問】をいったんスルーすることを提案し、そのまま厚岸へ直行する運びとなった。
まー。
思えばこの辺から雲行きは怪しかったんだよね。
とにかく空腹に弱い嫁・我。
そしてとにかく吸引力のある脇道を見つけると入らずにはいられない夫。
こういう時、まぁ噛み合うわけがないんよ!
音別町では夫が『馬主来沼』を気にして「寄ってみる?寄ってみる?」などとソワソワし出すが「帰りに寄らない?」などとなだめすかしてスルーに成功するも、【しらぬか恋問】を過ぎて釧路市が近づいてくると夫のヤマイはピークに達し「ヤダヤダ!海沿いを走るんだーい!」と、とうとうナビの本線を外れて脇道に飛び込んでしまった。
それはもう明らかに、クソ遠回りになるルートなのだった。
いや、うん。気持ちも解る。
平常時ならわたしも寄り道大いに賛成派だし。
ごめん。いい歳しておなかがすいたくらいでイライラすんのも悪いとは思ってる。
でも別に今じゃなくてもよくない!?
…そう思いながらも耐えてたんだよね。大人げないし。別にいいじゃん、夫がそうしたいなら。ゆっくり色んなところを見たいよね、って決めたじゃん。そう自分に言い聞かせながら。
大楽毛駅前を経由して走ったこのルートでは、新釧路川のでかさに驚嘆したり、工場の多さに慄いたりした。
また近々で函館や稚内などの港町を回ってきたばかりだったので、北海道を代表する港町をあれこれ比較できるのもまぁまぁ楽しくはあったんだよね。
釧路は港と街が渾然一体となっており、この道の駅旅始まって以来の都会感に圧倒されたりもした。調べてみれば、なるほど納得の人口約17万5千人。そりゃ圧倒もされるって話。
んで、結論から言うとこの寄り道は、大正解だったのである。
なぜって、偶然とっても美味しい和菓子屋さんに出会ったから!
【菓子処 なかじま】さんは、夫が車でうろうろしている最中にお菓子屋さんらしき幟を見つけたことで出会うことができた。
釧路根室旅で出会った最初のどら焼き。
そして何しろスタッフさんの接客も素晴らしく親切で「実は北海道各地のどら焼きを探し歩いてるんですぅ~」と告げてみたところ『北海道豆スタンプラリー』なるおもしろ企画のパンフレットをくださったりした。
そんなこんなで、空腹で不機嫌だったわたしの気分は一気に回復したんすよ。
だから思わず「わー!よかったー!あなたのおかげで素敵な和菓子屋さんに来れたー!」までは良かったんだけど。
そのあとに思わず「お腹すきすぎてちょっとイライラしてたけど結果大正解だったねー!」を付け足したのが悪かったらしい。
今度は遠回りしたことを、まさに遠回しに責められたと思った夫が不機嫌になりだした。
えー。めんどくせえ……。
そこから車内のムードは激烈に険悪。
わたしたちは比較的仲の良い夫婦だと思うんだけどね。旅ってどうも毎回一回はケンカすんね。
苛立った夫は、完全にあてつけの嫌味モードで「待たせて悪かったね!急げばいいんでしょ!」とでも言わんばかりに車のスピードをバカ上げにし出した。それまでどんなにトロい車が居ても普通に運転してたのに。どんどん前を追い越す追い越す。
てかマジでめんどくせえ!!!
こうなると、もう無言だよね。
厚岸までの道のりは地獄。せっかくキレイな景色なのにバカみたい。あーん!いっそ帰りたい!!
うちの夫は普段は優しくて気のいい奴なのだが、ガラスのように繊細なハートの持ち主で、いじけ出すと存外長く、しかも静かに長期的に根に持つタイプなのだ。
あー。余計な一言を言わなきゃ良かったのよねー。わたしのバカー!
それでもさすがにアラフィフの夫婦ですわ。
厚岸の道の駅に入る頃には互いのバカバカしさに我に返ったのか、どちらからともなく「キレイだね」などと会話を試みだす。
そらそーだ。ケンカしたまま旅を続けるなんて愚の骨頂だもんね。
ともあれ、到着した【厚岸グルメパーク】は曇天ながらも気持ちのいい風が吹き渡っているのでありました。
【道の駅 厚岸グルメパーク】は、前述したように『北海道の道の駅人気ランキング・飲食部門 14年連続1位』というモンスター級の道の駅だ。
しかし、全国ランキングでも上位を脅かすというこの場所の名物『牡蠣』を好んで食べないわたしにとっては、実を言うとそれほど魅力を感じない場所でもあった。
とは言え、道の駅めぐりの根本的動機のひとつとなっている「いろんな場所に行って、そこそこの美味しいものを食べたい!」という漠然とした目的を達成するには、まず牡蠣は避けて通れない。
とりあえず中に入って、この【厚岸グルメパーク】の底力を偵察してみることにした。
まず、施設はそれなりの古さを感じさせるが、広くて解放感があり、手入れも行き届いていて気持ちがいい。
景観も、さっきの画像でもわかるように厚岸大橋を一望でき、はるかに海を臨む眺望は晴れていればそれなりに気持ちがいいだろう。
でも…これだけ?飲食部門とは…?
少しばかり訝しげに辺りを見回しつつ建物の2階部分にあがった瞬間。
わたしたちは全てを理解した。
──この道の駅はヤベエ。
2階のレストランスペースには、その場で新鮮な食材を選んで食べられる炭火焼海鮮レストランと、和食を中心とした食堂、そしてイタ飯ベースと思われる洋食のレストランの3店舗が入っており、しかもその全てがステータスをほぼ牡蠣に全振りしているのであった。
こんなもん牡蠣好きが来たら絶叫の末に昇天しかねない代物ではないか!
しかも見て。炭火焼スペースでは、こんだけの種類の牡蠣の食べ比べまである(号泣)
自分、牡蠣は苦手だけどこれがホタテだったらと思うと泣けてくるくらい羨ましい!!
ここに上げた画像の他にも、炭火焼コーナーには北海道産の魚介や野菜、肉までもが豊富に用意されていた。
総合するとそれなりにお高くはなりそうだが、コーナーは観光客で賑わっており、楽しそうにキャッキャと食材を選ぶ姿がいたるところで散見された。
そう。北海道の道の駅はこれくらいであってほしいんだよなー!!!
そしてこちらは和食部門。
こちらは定食や丼がメインだったが、当たり前のように牡蠣の食べ比べメニューもある。
中には豚丼+牡蠣フライ丼!というパワー系アタオカ(いい意味で)メニューもあり、マジでとことんまで牡蠣を楽しんでくれ!という心意気が伝わってきた。
そして洋食部門はこんな感じ。
こちらもひたすらに牡蠣推し。
ちなみに厚岸の道の駅では地元産のウイスキーも楽しむことができるらしく、いかにも「通」そうなおじさま方がウイスキーについて語り合う場面に出くわしたりもした。
わたしは酒も牡蠣もほとんど駄目なので、両方いけたらさぞかし楽しいのだろうなあ!!
結局「牡蠣はあんまり得意じゃないからどこでもいいよ!」と反復横跳びをキメているわたしを尻目に、悩みに悩んだ夫がチョイスしたのは和食系のお店でした。どうやらここの牡蠣フルコースみたいな定食が気になったらしい。
夫はもうね、ひと口食べた瞬間に「うんっま!!」って。
そりゃけっこーお高かったけれど「これは絶対食う価値ある!!」と何度も宣っておりましたとも。
そして牡蠣の苦手なわたくしも、です。
去年地元の天才お魚仕立て師の【新ひだか町・銀鱗】さんが仕立てた牡蠣の酒蒸し以来!!!ほんとうに心から牡蠣が美味しいと思った!!
牡蠣好きなら絶対に「一生に一度は訪れるべき道の駅」で間違いありません!!ここを目的地に是非!!来るべし!!
そしておなかがいっぱいになったあとは、1階の売店部分で目ぼしいお土産品や、その他のグルメ探しに勤しんだ。
「ここにしかない!」を目白押しにされると、よーし!受けて立とうじゃないか!ってなっちゃうんだよなあ。
1階ホールには、厚岸のゆるキャラ「あっけしオーイ☆スター君」の着ぐるみなんかも展示してあり、本当に観光に力を入れているのが伝わってくる。
やー。ほんとね。地場産品のお土産も圧巻の品ぞろえ。
まだ旅は序の口だし、要冷蔵の品物を買うには暑すぎるしで、ここではほとんどお土産物は買えなかったけれど、絶対にまた来ようと心に決めたのだった。
そして、北海道の道の駅めぐりでは絶対に外せないソフトクリーム。
厚岸にもきちんとあった。その名も『オイスター★モカソフトクリーム』!
なんと、このソフトクリームには2階のレストラン『厚岸コンキリエ』で使用されているオイスターソースが練り込まれているのだとか。
刺さっているモナカもなにげに地元のお菓子屋さんで作られているそうで、ここまでとことん地場産に拘られると、もう「お見それしました!」しか出てこなくなる。
味自体はまぁ「牡蠣…?オイスターソース…?」って感じであんまり牡蠣感は感じられなかったけど、普通に濃厚で美味しいモカソフトクリームでした☆
ちなみに厚岸ウイスキーと一緒に頂くソフトクリームも人気っぽかったので、ウイスキー好きな方はぜひチャレンジしてみてください!
売店では、結局行く先々で購入しているご当地マグネットと、生どら焼きを購入した。
マグネットはリアルな牡蠣のやつ。
そして生どら焼きについては詳しい記事を書いたので、ぜひそちらもご覧ください!
当初の予定では、ここからまっすぐに【道の駅 スワン44ねむろ】に向かうはずだったが、夫が急遽「フォロワーさんが教えてくれた場所に寄りたい」と言い出した。
詳しく聞いてみると、そこは厚岸漁協直営のスーパーだそうで、安くて新鮮な魚介が豊富に取り揃えられているという。
それなら是非この美味しい厚岸の牡蠣をお義父さんとお義母さんにも食べさせたい、というのが夫の希望だった。おなかがいっぱいになったわたしに断る理由などあろうはずもない。
そんなわけで、わたしたちはそこから厚岸漁協の直営スーパー【エーウロコ】に向かった。
【エーウロコ】は【厚岸グルメパーク】からほんの2kmにも満たない近場にある。
外観は撮り忘れてしまったが、確か女性スタッフとおぼしき方がでかでかと描かれた外壁がかなりインパクト大だったと記憶している。
中は夫のフォロワーさんの紹介どおり、怒涛の牡蠣フェスタだった。
わたしは好んで食べないのであまり相場が解らないのだが、安い安い!と喜んだ夫が20個ほどを地方発送で義両親に送っていた。
翌日には義母から以下のようなLINEが届いたので、美味しい牡蠣だったのでしょう!
【厚岸グルメパーク】で堪能した牡蠣を友人知人親戚にプレゼントしたくなった方は、是非ともこの【エーウロコ】を訪れて見てほしい。
ちなみに、一般的に牡蠣は秋から冬にかけてが旬と言われ、それ以外は食べられないイメージがあるが、厚岸では夏でも寒流が流れ込む海域で牡蠣の生育をコントロールしているため、一年中牡蠣が楽しめるという全国的にも珍しい特色を持っている。
ここは本当に全ての牡蠣を愛する者たちの聖地なのだなあ…としみじみしながら、最後に遠回りして厚岸大橋を渡って海の中の鳥居を見物し、我々は一路【道の駅 スワン44ねむろ】を目指し始めたのであった。
3.【道の駅 スワン44ねむろ】から大荒れの花咲灯台、そして根室市内散歩と明治公園泊へ
ここまで長々と書いてきて、ふと気づく。
これまだ初日の序盤じゃね???
つまりそれほどまでに、道東の撮れ高(?)はヤバいのだ。
見どころも喰いどころも盛り沢山なので、訪れる方は是非とも覚悟と、そして現金をしっかりと握りしめてから訪れて欲しい。
さて、厚岸から根室までの国道44号線は、正直お世辞にも「楽しい!」とは言い難い山の中の、何もないおさびしルートであった。
もちろんコンビニなども見当たらないわけだが、北海道はどこの地域でも当たり屋気質の鹿の襲撃に注意しなければならないので、眠気を延々と堪えながら進んでゆく。
殊に浜中町前後からはスマホの電波もぶつぶつ途切れがちになるので、眠気覚ましをBluetoothの音楽などに頼っている人は注意が必要だ。
そうこうしているうちにカーナビが根室半島を捉え始めると…
広大な風蓮湖を臨む絶景の道の駅【スワン44ねむろ】は、もうすぐそこなのであった。
んでまあ、結論から言うと【厚岸グルメパーク】が凄すぎたせいもあるのか、こちらの道の駅は土産物&飲食に関してはいまひとつの印象になってしまった。
レストランに至ってはラストオーダーが15時。
「ランチ利用以外は来なくていいもんね!」という雰囲気が透けて見える潔さなので、花咲ガニラーメンは今回諦めることにした(泣)
ただ、景観と展示物はそれなりに見応えがあったので、近場まで来られたならば立ち寄られることをオススメしたい。
今回、特に土地柄、どうしても北方領土問題に直面する機会が多かったが、その最初の機会が、まさにこの道の駅。
思想はどうあれ、まず事実があちこちで語られてはいるのだが、場所によってはバイアスがかかっているものも散見され、深々と考え込む機会を得た。
風蓮湖に面した水際の風景はとっても綺麗だったけれど。
そこに暮らす同じ日本国民が日頃見ている景色に含まれている政治的問題も、知らんフリしてたらあかんよな…と、何となくしんみりしてしまったのだった。
この道の駅では、来る前から買おうと決めていた名物の『しまえびせんべい』と、花咲蟹の鉄砲汁の缶詰をお土産にゲットした。
『しまえびせんべい』は確かに濃厚には違いなかったが、海老味噌の若干の生臭みが苦手な人にはダメかも知れない。
ただ、うちの会社の酒飲みたちには概ね好評だったので、酒飲みへのお土産にはいいかも知れませんね。
あと、花咲蟹の鉄砲汁缶詰はちょっと驚きの美味しさ!!
購入者には作り方の紙なんかもくれるので、ぜひ食べてみてください!濃厚な花咲蟹の旨味がぎゅっ!!と凝縮された高級感溢れる缶詰だったよ!
実を言うと、ここから先の予定はあんまり決めていなかった。そもそもが、初日で明るいうちにここまで来られるとは思っていなかったのである。
何も下調べをしていなかったので、とりあえず道の駅に車を停めたまま、周辺の観光スポットを探してみた。
すると『国の天然記念物・車石』という、見たことも聞いたこともない場所が候補に出てくるではありませんか。
調べてみたところ、直径6メートルもの大きさの放射状節理構造(とにかく何だかナウシカに出てくる王蟲みたいな形)の玄武岩が世界的にも珍しく、『根室車石』と呼ばれて有難がられているのだとか。
宿の心配のないお気楽旅の我々は、気軽に「行ってみっかー!」と、花咲灯台を目指したのだった。
で、着いた場所がここ。
まあ、お誂え向きに果てまで道があったりなんかしてさ。
どう考えたってこの波の高さ、怖いし危ないに決まってんのに。「危ないと聞いたら余計行ってみたい病」にかかってる夫が行かないわけないよねー!!
…で、あれ…?
車石ってどれだったの??
はい。
どれが国の天然記念物かさっぱり判らなかったね!!!
しかし、全体的に最果て感はものすごく、風と波のせいでテンションは爆上げではあった。
あと、どうでもいいかも知れんがコイキング4匹とウミディグダ5匹捕まえた。
ポケモン的には豊作かよォ!!
そんなわけで、ご興味を持たれた方とポケモンマスターは、晴れた日に行ってください。多分キレイ。
さて、ここまでの段階で、時計は18時を指していた。
昼、厚岸で詰め込んだ牡蠣にまつわるアレコレも、そろそろ消化される時間帯である。
まずはとにかく市内へ入ろうということになり、夫の提案で根室駅に行ってみることにした。
花咲港から根室市内へ向かう道の途中には、やはり至る所に北方領土返還を叫ぶ看板が散見された。
わたしたち夫婦は日頃から割と政治関連の話をする方なので、折に触れ話がそちら側に行く。
まぁ思想が割合似通っているので、それが原因でギスギスすることはないんだけど。
どこに居ても政治問題を眼前に突き付けられる環境ってのも大変なものだよねえ…などと、旅の最中の談義は努めてふんわりに留めておいた。
そして、たどり着いたJRの根室駅は、思いの外ちいさかった。
黄色いポストが若干気になるが、とりあえずかなりおなかがすき始めていたので、特に何も調べずにXで「根室市内でオススメのご飯屋さんはありませんかー?」と呟いてみる。
ちなみに夫に「どうしてJRの駅に行きたいの?」と途中で尋ねてみたところ「廃れてるところが多いから、街の現状が一番解るのが駅前かと思って」という答えが返ってきた。
日頃は頭がお花畑なのではないかと思うくらいアッパーで浮わついた夫なのだが、こういうところがなかなか油断ならないのである。
そして実際にJRの根室駅前を歩いてみた感想は「他の市町村に比べると、寂れた感じがしない」であった。
駅前の構造のせいなのか気づいていないだけなのかは解らないが、根室駅前にはシャッター街がなかった。
繁華街は少し歩かないといけない場所にあったため、より寂れ感もなく、きちんと整備されている印象だ。
また幸いなことに、駅前の一等地には老舗のお菓子屋さんがあり、そこでこの旅3つ目のどら焼きをゲットしたのだ!
初日で3個ってすごすぎん!?
ほくほくしているうちに根室在住のフォロワーさんから有り難いリプのお示しがあり、まず教えて頂いた【居酒屋 浜作】さんに向かうことになった。
根室市の繁華街は、駅から歩いて15分くらい、市役所周辺にあった。ような気がする。
夜だったのであまり景観は覚えていないが、確かナビでは市役所が近辺に表示されていた。
実際に歩いてみた印象としては、寂れたイメージは全くなし。むしろお店の数はかなり多めに感じられた。
教えて頂いたお店もこの一角にあり、Google検索で見てみると、新鮮な地場産魚介を使ったメニューで人気のお店とある。
やっと見つけて覗いてみると…
ハイ満席!!!
これはアレだ…嫌な予感がするぞ…
まさか、またしても晩ごはん難民に…?
しばらくウロウロしていると、繁華街の片隅に街の案内板みたいなものを発見!!
何ひとつわからーん!!\(^0^)/
思わず古典的な顔文字まで使ってしまうレベルだったよね。
仕方なく看板を見上げながらウロウロし続けていると、遠くから地元民と思しき親切な方が「おーい!なに探してるのー?」とお声をかけてくださった。
美味しいお店を探して彷徨っていることをお伝えすると、その方のオススメで【居酒屋 壱路】というお店を教えて頂く。
しかしここも満席!\(^0^)/
いよいよ晩ごはん難民の気配が濃厚になってきてしまったのだった。
まぁ、おなかはすいてはいたんだけど。
昼間のカキフライが割とバンチが効いていたので、夜は居酒屋か何かで軽いものでも食べよっか、って話してたんだよね。
だからフォロワーさんからオススメされたお店の中に根室名物『エスカロップ』の名店が入ってはいたものの、さすがに無茶ではなかろうか…って敬遠していたのだ。
でも、こうなっては背に腹は代えられない。
とりあえず「根室 エスカロップ」のGoogle検索でも一番上に来ていたエスカロップの名店【どりあん】さんへ行ってみようじゃないか!という運びになった。
午後8時前。【どりあん】さんは、運良く空いていた。
着いた時はラストオーダー直前らしかったが、スタッフの方が快く晩ごはん難民の我々を迎え入れてくださったおかげで事なきを得た。
ちなみに【エスカロップ】というのは根室市のご当地グルメで、バターライスの上にトンカツを乗せてデミグラスソースをたっぷりかけるというカロリーモンスターなやつである。
さすがにこの時間、この歳で一人ひとつずつを頂くのはあかんのでは…ということになり、わたしたちは2人でひとつのエスカロップをシェアして食べることにした。それに、どこへ行ってもコーンスープがあると頼まずにいられない病のわたしは、コーンスープを注文。
これがですね。想像の倍くらい美味しかった。
エスカロップ。見た目より全然重くないんす。
ふんわり仕上げられた優しい味付けのバターライスの上に、さっくり油切れよく揚げられた薄切りトンカツが乗ってて、コクはあるのに脂っこすぎないデミグラスソースが何とも言えないベストマッチ。
そしてコーンスープがね。マジでやたらとウマい。
わたしは本当にどこでもコーンスープと見れば頼んでしまうのだけど、【どりあん】さんのコーンスープは濃厚で深みがあって、クルトンかと思いきや全然柔らかいパンが浮いてるのもめちゃくちゃポイント高かった。
ハイ。結果ペロリだったよね!もひとつ頼んどけばよかったー!
教えてくださったXの相互さん・ヒサマツさんに感謝しながら、【どりあん】さんをあとにしたのでした。
てか、釧路・根室地方はマジで食べ物にハズレがない!!
底力がすごすぎる。
この頃には時刻も20時を回っていたので、そろそろ入浴タイムにしよう、ということになった。
来る前に一応調べてはいたのだが、根室市近辺は北海道では珍しく、温泉施設が少なめである。
なのでネットの車中泊民たちも割と困っている様子が見て取れるくらい選択肢がない。
レビューはどこもいまひとつの印象ではあったが、お風呂に入りたければワガママを言っている場合ではない。とりあえず検索上位に来ている【みなと湯】さんへ向かってみた。
着いてみると、実際は低めの評価が多いレビューほどひどい感じは全くしなかった。
むしろ確かに施設は古いが手入れでそれをカバーしようという心配りが伝わってきて、個人的には好感が持てたと思う。
ただしシャンプーなどの類は一切置いていないので、用意は必須だ。
あと、大声でどなたかの悪口や噂話をしている地元の御婦人団や、走り回る子どもたち…そして、わたしがドライヤーを使い出した途端、お子様に「あー!?うるさくて聞こえねぇよ!あー!?うるさくて聞こえねぇって!」と大声でお子さまに注意をし出すお母さんなど…確かにその辺は地元で長く愛されてるっぽいゆえの迫力はあったけどね…うん。銭湯としてはよかった。良かったと思う。
その日は、ネットで絶好の車中泊ポイントと名高い明治公園にお邪魔して塒を築くことにした。
到着してみると、駐車場は車中泊車輌がぎっしり。キレイな24時間トイレに屋外シンクまであり、確かにここは絶好のポイントになっちゃうだろうなぁ…という感じ。
そっと空いていた片隅のスペースに停車し、強風に揺られながらのお泊りとなった。
寝つくまでの数時間は、このnoteのための情報整理とポケモンGOである。
こちらの公園にはポケモンジムもポケストップもたくさんあったので、寝るまでほとんど暇はしなかった。
しかし今回学んだことだが、車中泊の敵は雨より風だね!!
んもぅ地震なみに揺れまくるから何度も夜中に揺り起こされて、朝までほとんど寝た気がしなかった。
おまけに朝の5時前から隣の車中泊民が大声でぺちゃくちゃ喋りだし、その声で目が覚めてしまった。
…我慢したんだよね。30分。
でも一向にやめない。朝の5時過ぎよ??同じ車中泊民よ??他にもたくさん車が停まってんのによ??
仕方なく、トイレに起きたついでに見てみたんだ。きっと若者たちが楽しくはしゃいでるんだろうなって。
そしたら何と、どう考えても20歳は上の先輩世代の殿方3名とご婦人1名のグループだった。
…いや、あのね、若者たちだったら我慢しようと思ったの。だって若者だし。楽しみを削いだら可哀想だなって…。
あと、車中泊民じゃなかったら、これも我慢しようと思ってた。だって勝手に泊まってんだし。普通に駐車してる人に何も言えた義理じゃないもんね。
でも昨日から停まってた車だったからさ。明らかに車中泊仕様のワゴンでバックドア跳ね上げて椅子とテーブルまで出してんじゃん。そして朝の5時前から大声で談笑するってさ。ちょっと配慮が足りなすぎじゃねえんですかい?
しかもわしらよりだいぶ上の先輩がたがよォ!もし若い世代が同じことあちこちでやってたら、あんたらどう思うんです?
思わず心中べらんめえな感じになりつつも、勇気を振り絞って「あの…まだ夫が休んでいるので少しお声を落として頂けませんか?」と言ってみた。
先輩がたは一瞬シーンとしたあと、少し物憂げに「あースイマセンね」と応じてくださったのだった。
車に戻ると、耳栓が抜けてしまったおかげで同じくすっかり目が覚めてしまった夫に「あなた…よく注意したね」と寝ぼけ声で言われた。
まぁ、外の話し声は一向にやんでなかったけどね!!!
そりゃ出来れば言いたくなんかなかったけども。
厚かましくも先輩方に注意なんてしないで済むならしたくはないんだけど。
でも、すぐ下の世代のわたしたちが勇気を出して意思表示しておいた方がいいんじゃないかと思ったんだよな。じゃないとまた別な場所でも誰かが朝の5時前に起こされるハメになるじゃん。
てかさ、こちらも夜10時に着いた時は他の人の迷惑にならないようにドアの開閉音がしない助手席まで移動して、声や音を出さないようにできる限り配慮してるのに、隣に泊まってた同じ車中泊民が無遠慮に騒がしいのどうなのと思ってしまったのだ。
しかも全員歳上でさあ。4人もいてさ??誰一人「少し静かにしましょうよ」って言わないの、不思議すぎて少しばかりの絶望すら感じてしまったんだよ。
…とまぁ、ここまで書いてきて、じゃっかんモヤってる自分がいる。
そう、これはある程度車中泊民以外から見たら、いくら道の駅オープン時間には泊まり目的の駐車場利用はしないようにしようとか、迷惑かけないようにしようとか言い聞かせていたとしても、結局同じ穴のムジナにしか見えないであろうことに起因してる気がする。目くそ鼻くそに怒ってんな、としか見えないに違いない。
だいたいにして、グダグダ言うならホテルに泊まりゃあいいだろ!って話だからなあ。
実を言うと、恥ずかしながら実際に車中泊を始めるまではあんまり意識したことがなかったんだよね。みんなやってるし。何しろ流行ってるし。
だから車中泊なんて、出来そうなとこならどこでもOKなんだろうって、地元の道の駅とかに停まってるキャンピングカーを見てても深く考えたことはなかったんだけど。
まぁ、そんなに歓迎される存在じゃないケースがままあるってこともだんだんわかってきました。酷いマナーの人もいるしね。
だから、これからもちゃんと少し遠慮しつつ配慮しつつ、やっていかなきゃという想いを新たにしたのでした。
『人のフリ見て我がフリなおせ』ってやつだね。
そんな流れから、もうこの日の宿泊は有料のRVパークを使うことに決めた。
調べてみると、まさにうってつけの場所に『阿寒丹頂の里のRVパーク』というのがある。
こちらは何と朝の6時半から受付が開いているというので、すぐに予約して場所を確保することができた。
そしてわたしたちは、いよいよ日本本土の現在暫定最東端を目指すことになったのであった。
それでは、このたびはこの辺で!
釧路・根室地方は見所が多すぎてまだ少し続きますが、次回も宜しくお付き合い頂ければ幸いです!
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