希望の丘
朝起きてからの数時間。幸せを感じる事の出来る崇高な時間。
窓を開ければ美しく光る朝日と揺れる緑葉が風に揺られてきしむ音がする。
一杯の紅茶と新鮮で鮮烈な程に真っ赤なトマト。毎朝私はトマトを4つ切りにして白い大皿にそれを盛る。
海の粗塩をパラパラふりかけて食べるのが猛烈に美味くて止められない。
冷めないうちに紅茶を飲む。窓から時々勢いよく流れ込む風を感じながら一筋の朝日の光に照らされた白いキッチンを眺める。
昔若かった頃、キッチンにありったけの夢を詰めて料理していた。
お気に入りの食器やマグカップ。選ぶのが楽しくてつい二人で何個もお揃いの物を買ってしまった。子供が妊娠していると解った時は本当に嬉しくてもっと環境のよい所へ引っ越そうと話していた。そんな時思いもよらない出来事がおきて私は一生子供を産む事の出来ない身体になってしまった。
そんな私でも愛してくれた彼には心から感謝している。
思えば長かった。
元旦那と別れてから15年の月日が流れていた。昔は二人で会話しながら楽しく一緒に近所の市場で買った新鮮なトマトを食べた。
屈託なく笑う彼の笑顔が今でも忘れられなくて時折涙が止まらなくなるがそれも心の膿を押し出す為には必要な行為なんだと思う。
私はこの部屋が大好きだ。毎朝この朝日を見る度にそう思う。
トマトを食べていると想い出すのは別れた旦那の事でもあるし幸せだった時代の日々の事やまだ体も元気だった頃の事だったり...。
食べるという行為がこんなにも大切だという事を私はずっと長い間忘れていた。
朝日がこんなに美しいという事も、風がこんなに心地良いものなんだという事も、一杯の紅茶がこんなに心と身体を温かく癒してくれるという事も、全てを忘れてしまっていた。
人間は心が凍っていると何も見えなくなってしまうし感じなくなる。嵐の様な日々は私の中にあるたった一筋の光さえをも奪い去っていった。辛く長居哀しみだった。八方塞がりの中でもがいていた。誰も話を聞いてくれないし助けを呼んでも無駄だった。人を憎み信じられなくなり今まで与えてもらった人の愛情の欠片さえも手放してしまった。心の鮮度が鈍ると全てが色褪せる。藻掻いても藻掻いてもそれは自分の招いた事なのだ。それでもなんとか憎しみを跳ねのけようとする。人が堕ちていく中では憎しみという気持ちだけがまるで勝ち誇ったような顔をして自分の前に立ちはだかってくるのだ。
負けられなかった。憎しみに勝ちたい。その先に真実があるのならばもう一度人を信じたい。濁った世界の中でもこの気持ちだけは忘れないようにしようとそう固く誓った。
時間は止まってくれない。幸せは留まってはくれない。
だから私達はどんな時も耳を澄まさなければならない。この幸せが崩れないように守っていくしかないのだ。
静かに目を開く。
見渡せば幸せはほんの近くに転がっているのだと気が付く事が出来る。
何気ない毎日の何気ない行為の何気ない瞬間、ふと思ったり感じたりすることの中にこそ凄く崇高で幸せなものがあるように思える。
それらは掴み所のないものだけれど心の奥深くで静かに灯ってくれている私の中の小さなギフトだ。
「災い転じて福となる。」
信じてみよう!
この希望はきっと消えないと。そうしてまた新しい朝がやってくるのだと信じて。
Morricone: Nella Fantasia
Katherine Jenkins♪チャンネル
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
こんにちは(^-^)
noteずっと留守にしていましたが今日は文章を書こうという気持ちがむくむくと沸いた来たので思い切って書いてみました😊
久しぶりの投稿です。体調がよくなくて心も不安定な毎日が暫く続いていたのでなかなか創作活動が出来ずにいましたがまたここに戻ってくる事が出来てとても嬉しいです🌺
今回も想うまま即興で書いたので誤字があったらすみません💦文章力がないのが悔しいです😢
ここまで読んでくださって、どうもありがとうございました🙇
Katherine Jenkins - Blinded By Your Grace
ここに来てくださった皆様の今日一日が平和で安心出来る一日でありますように願っています🥰
読んで何かを感じて頂ければ幸いです👍°˖✧
asa_Sante
☆ asa_Sante’s twitter ☆