没頭力を伸ばすには…? 4
つづき
前回、
中々やりたがらないことを
「楽しいこと」にするためには?
ひとつは
ゲーム性を持たせる
ことだと書きました。
もうひとつの方法として
最適な難易度を意識する
ことが挙げられます。
その子にとって
簡単すぎると
やる意味がないと感じて
やらない。
難しすぎると
尻込みしてしまい
やらない。
なので
その子にとって
今、ちょうどいいもの を
大人は与えてあげます。
ヴィゴツキーの『発達の最近接領域』
という教育・保育の世界で
よく知られた言葉があります。
自力でできること だけやっていても
人は成長しない。
まだできないこと は
もちろんできないので成長につながらない。
この
自力でできること と まだできないこと の間にある
自分ひとりではまだできないけれど、
まわりの手助け・支援があればできること
この領域のことを
『発達の最近接領域』 とよび、
この領域の活動が
子どもを最も成長させる と言われています。
自力でできること と まだできないこと の間には
とてつもなく高い壁があります。
高い壁のままだと子どもは
一向に乗り越えることができません。
そこで
子どもでも足をかけられるほどの
段差の低い階段を用意してあげます。
一歩一歩は低いけれども
自分の足で登っていくことができる
この階段を登り続けることで
高い壁をも乗り越えることができます。
この階段をつくることが
大人の役割です。
例えば、逆上がり
自分でできること:ぶらーんとぶら下がる
まだできないこと:逆上がり
この間にはとても大きな壁があります。
ぶらーんとぶら下がる から
逆上がり ができるようになるまでには、
・逆さになる感覚を養う
・腕を曲げる
・地面を蹴って、脚を高く上げる
といった
課題をクリアする必要があります。
そこでこんな階段を用意してあげます。
(逆さになる感覚を養う)
・足の裏を鉄棒につけてぶら下がる
・豚の丸焼き
(腕を曲げる)
・わきを締めて、ひじを曲げるくせをつける
・ひじを曲げ、頭を鉄棒の上に出してぶら下がる
(地面を蹴って、脚を高く上げる)
・ひじが曲がるくらい低い鉄棒で地面を蹴って、
おへそを鉄棒にくっつける
・脚を鉄棒より高く上げて回る
逆さになるのが怖いと、逆上がりはできません。
ひじが伸びたままでは、逆上がりはできません。
地面が蹴れないならば、逆上がりはできません。
わきを締めて、地面を蹴り、ひじを曲げ、
おへそを鉄棒にくっつけ、脚を鉄棒より高く上げ、
逆さになって、回る
と
逆上がりはできるようになります。
子どもは今、
・自力でできること
・自分ひとりではまだできないけれど、
まわりの手助け・支援があればできること
・まだできないこと
どの段階にあるのか?
それを見極め、
『発達の最近接領域』 を
手助けする。
やはり大切となるのは、
大人が子どもを
よく観察すること です。
大人が子どもをよく観察することで
子どもが今どの段階にあるのかを
把握することができます。
把握ができると
どのような階段を用意すべきかが
自ずと見えてきます。
子どもの今をよく観察し、
今必要なことは何なのか?
今最適な難易度のものは何なのか?
最適な難易度のものを用意できるように
日々心掛けていきたいものです。
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