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清く正しいサラリーマンへの道

「厳しいことを言うようだが、3月稼働でお願いしたい」

駅の改札での別れ間際のことだった。

導入しようとしているシステムは粗悪品で、費用対効果が得られないばかりか生産性は低下し、保守費用が今後いくら掛かるかが未知数であることを伝えたのは3時間前の会議の場でのことだった。

システムの品質の低下に加え、ベンダーの不誠実さも伝えた。彼らのいう「できます」はシステム構築可能という意味であって運用可能という意味ではなかった。

次々と不具合が発見される中で、この先のゴールが見えないことも説明した。

伝えるべきことは伝えた。それでもうちの役員たちはこのシステムを導入するつもりなのだ。

完全に目的を失ってしまっている。なにかがおかしい。僕らは全く違う土俵で戦っているのではないだろうか?ひとり相撲。戦うべき相手がそこにはいないのだ。

「厳しいことを言うようだが、3月稼働でお願いしたい」

僕は清く正しいサラリーマンになろうと思う。ボスや現場の方々にそれを宣言しようと思う。その前に最後の悪あがきをしようと思っているのだけれど。

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