[ Human ] Inspiration / 直感
はじめに
本件は誰もが一度は経験したことがありますが、意図的には使えぬ能力「直感」についてです。日本では「勘」とも言いますが大抵は「ヤマカン」です。そんな不思議な能力「直感」は、「運命の輪」を回す一因となります。
本来は「最後の晩餐」のDecodeを始める予定でしたが、元日からの騒ぎにより、今後直感がとても大切になってまいりますので急遽筆をとった次第です。ぜひ最後までお付き合い下さいまし。
ソマティック・マーカー仮説
まずは直感の仕組みから始めましょう。きちんと仕組みあってのものでありヤマカンな能力ではありません。その能力が分かるお話がソマティックマーカー仮説です。
ソマティックマーカー仮説(somatic marker hypothesis)は、アントニオ・ダマシオによって提唱された神経学的な仮説です。この仮説によれば、感情や身体的な感覚(ソマティック・マーカー)が、意思決定プロセスにおいて影響を及ぼすと言われています。
具体的には、過去の経験から得られた感情や身体的な反応が、将来の類似の状況においてもたらされる可能性のある結果に関する情報を提供し、意思決定に影響を与えるということ。この仮説がよくわかる有名な例は「アイオワ・ギャンブリング課題」です。
アイオワ・ギャンブリング課題
めっちゃ簡単に説明すると、4組のカードの束は2種類に分かれていて、二つの束は引けば引くほどマイナス。もう二つの束は引けば引くほどプラス。被験者は何度か±を経験することにより「直感的」にマイナスのカードの束を引かなくなるということです。つまり経験に基づく情動的反応。
GSRテスト
この直感は科学的に測定されています。[ True History ] 象徴の威力 (情動)でもご紹介したGSRテストです。アイオワ・ギャンブリング課題の最中に皮膚電気反応を計測し、結果、課題初期の選択における皮膚電気反応が弱いほど課題後期の悪い組の選択が多くなることが示されました。
つまり、過去の経験から±を学び、カードを引く前になんとなくどっちがいいのかを察するということ。普段誰も気にしていないこの微弱な反応がどれほどヤバいかは象徴の威力 (情動)でご説明した通り。そんな反応が、我々の意思決定プロセスに干渉・影響するのです。
ただ、現代においては「勘のいい人 悪い人」がいるように、その能力を使える人と使えない人がおります。なぜでしょう?
ソマティックマーカーの機能不全
わたくしは、現代のような情報過多状態の世界では、本来人間が持つソマティックマーカーが上手く機能していないと考えます。故に本来の道を見失います。そう考える要因をいくつか列挙します。
情報過多と注意の分散: 現代社会では、数多くの情報源が同時に入ってきます。これにより、個々の情報に焦点を当てることが難しくなり、注意が分散します。この分散された注意は、ソマティックマーカーが特定の情報に焦点を当てるのを難しくします。
情報の速さと複雑性: ネットやSNSなどの発展により情報が瞬時に広まる時代。情報の速さや複雑性が増す中で、感情や身体的な反応が追いつかない場面が増え、適切なソマティックマーカーを形成するのが難しくなっています。
情報の信頼性の問題: 偽情報や情報の操作が広まる中、情報の信頼性が低い現代。結果、信頼性が低い情報に基づいて形成されたソマティックマーカーが誤った判断を導きます。
短期的な報酬と長期的な影響の不均衡: ネットやスマホの普及により、簡単に獲得できる短期的な報酬が増加しています。これにより、瞬時の快楽や刺激が優先され、長期的な影響を考慮したソマティックマーカーの形成が難しくなります。
これらの要因により、情報過多状態では本来のソマティックマーカーが十分に機能せず元々備わっている大切な能力が使用できません。ではどうすればソマティックマーカーを上手く機能させられるのか?
ここからはわたくしの体験をもとに綴ってゆきます。
孤独 と 孤高
わたくしの手帳の1番初めのページに忘れてはいけない幾つかの言葉が綴ってあります。その中の一つが以下です。
Stand Alone(孤高) = Stand Alone Complex(孤独)
わたくしが情報発信を始めた頃、とにかく仲間を求めました。同じ視点の仲間を、少しでも話の通じる仲間をと。多くを語り懸命に伝えました。結果、強い孤独を突きつけられただけでした。友人だと思っていた者に陰口を叩かれ馬鹿にされ、いつしか変人扱いで、友と呼べる人間が一人もいなくなりました。それでもわたくしは勝ちっ気なので「分からないお前らが悪い」と、さらに孤独を深めました。
それからは俗にいう本の虫ですよ。この頃に”遊ぶ”という行為を卒業しました。遊ぶ友達がおりませんでしたから。同時に過去の栄光であった「音楽」も捨てました。音楽の先生だったわたくしが音楽を捨てたのです。20年積み上げた友達もプライドも全部無くなりました。ドン底です。でも気持ちを切り替え視点を変えました。
わたくしは若い頃に5カ国を旅しました。そのお陰かあまり国・人種という概念にとらわれることがなく、「日本人がダメなら外人だ!」ということで、海外のマニアックなサイトに参加し一人で学んでました。そんなサイトの一つが、以前Twitterでも申し上げましたがダンブラウンがコメントを残したサイトです。そこで数年ほど学んでおりましたが、ある日突然の閉鎖。否が応でも一人で歩いて行かねばならなくなりました。しかしながら長い事学んだおかげで不安はなく、一本独鈷の独り立ちといった心境でした。
この頃からです。
孤独が孤高に変わったのは。
そしてもう一つ変わったことは、
「勘」が働くようになったこと。
孤独の期間が良い情報遮断の時期となり、機能不全だったソマティックマーカーが本来の力を取り戻しました。己の様々な選択の時にソマティックマーカーが反応します。また、カバリストには独特な現れ方もします。そして大切なことはここから。
運命の輪
孤高に歩みを進めていると、同じように孤高に歩んでいるものと出会います。類は友を呼ぶですね。勘がそういうのです。そして話を聞いてみれば、同じように孤独から孤高へ変容し、勘を頼りに歩いている人がほとんど。
そのような人は、口に出さなくとも自動的に必要なものをわたくしに届けてくれます。そして、その人が必要とするもののほとんどは、決まってわたくしの象徴の知識です。まるで互いの弱点を補い合う歯車のよう。そして思うことは、「何か大きな輪を一緒に回しているんだな?」ということ。
あなたはどっちの歯車?
狂った社会の歯車?
それとも運命の輪の歯車?
あなたのソマティックマーカーを
きちんと機能するように仕上げておいてね。
わたくしがずっと言っている言葉を忘れないで。
我々に残された時間はそう多くないと。
わたくしの過去の小説の主人公の口癖は「時間がない」です。ご自覚を。
まとめ
我々はただ単に徒党を組む烏合の衆ではありません。何色にも染まらぬ黒き鎧を身に纏い、それぞれが独り立ちした騎手です。自分で考え自分の足で歩く、何者にも属さない野良の騎士。
3つの誓いを忘れないで。あなたは誰かの剣であり盾であり銀貨なのです。孤独を捨て孤高になり、個を捨て全に気づいた時、あなたのソマティックマーカーが道を示してくれることでしょう。
わたくしはいつもあなたの少しだけ先を歩いています。変わらぬ歩幅でただひたすらにまっすぐと。
では最後に、わたくしの手帳に刻んである言葉をあと二つご紹介いたしまして締めと変えさせて頂きます。
ではこれにて締めとさせて頂きます。あなた様のソマティックマーカーがわたくしの言葉に反応しましたなら引き続きお付き合いをお願い致します。
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