【考察】バンクシー「超巨大ビジネスから捉える現代の資本主義」
【おなじみのあいつらがやってきた!】
どちらも笑顔で顔面中に白粉を塗っている。
ミッキーマウスと名乗る右にいるふざけたネズミの衣装を着た男性はそういった。
そして、左にいる黄色い服を身にまとった彼はドナルド役を演じている男性だ。
どちらも日本人視点から捉えると、「○○といえばここだよね!」といったブランドが確立されている。例えば、多くの人が「東京のテーマパークといえばディズニーだよね」とか「ハンバーガーといえばマクド(マック)だよね」といったように既にブランドが確立されている。そんな二人に挟まれているのは、パッと見た感じ女の子。でも、よく見たら全裸で泣いているように見える。
しかも、高校の世界史の教科書などでよく見たことあるような光景ですね。
これは、実際に1972年のベトナム戦争真っ只中の時にアメリカの空爆から逃げているときの写真である。
ここから読み取れるキーワードとしては「戦争」「アメリカ」「植民地化」「決して気分は良くない」「児童」などなど、さまざまなキーワードが出てくる。
では、現代において肯定的に受け入れられている「ディズニー」と「マクド」ではあるが、なぜこの少女は泣きわめいているのだろうか。
そもそも二つとも、資本主義においては超優れているビジネスモデルを展開している。ディズニーランドでは、「夢の国」といって訪れたお客さんに対して最高の時間を与える。お客さんはサービスを受けて最高に満足になり、入場料のことなんか帰るころには忘れている。
そして、マクドの場合は世界最大といってもいいくらい規模の大きいフランチャイズである。町やフードコートに行けば必ず見かけるお店である。
反資本主義を唱えるバンクシーがこのベトナム戦争のワンカットを選択したのには、おそらく「アメリカ化」している現代の資本主義社会に一度立ち止まって考えよと言いたいからではないのだろうか。
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