父と母の出会いから別れ

父は母の20個近く年上でした。
母は、実の父親から虐待を受けていたせいなのか
年上の人が好みのようでした。
どしっとしている父が良かったのか、羽振りの良い父が大人に見えたのか…今となればわかりません。

私が生まれる前から父に覚せい剤を打たれていた母。
拳銃と覚せい剤の売買をした後、必ず打たれていたそうです。
そのあとは必ず殴られるそうです。
母がご飯を作って待っていても、突然金持ってこいと呼び出され
指定された場所にいくと、両脇に知らない女がいて
母が持って行ったお金をチップとしてその女たちに渡していたそうです。
それを見せつけられて帰され、帰宅した母は、作ったご飯を全部捨てる…
二十歳そこそこの女性にとっては、この上ない地獄ではないでしょう。
そう考えたら母も被害者なのかもしれません。
父がいなくなったのは、逮捕されたからでした。
家に家宅捜索に来る警察に、自分も打たれていることがバレたら逮捕されてしまうと、注射痕を隠すために私を抱っこしていたそうです。
警察もわからなかったのでしょうか…その時逮捕してくれていたらと、何度も思いました。
その後、父と母は離婚したそうです。
母は、柄受けには行かなかったそうです。
それに怒った父は、500万払えば別れてやると言ったそうです。
(どこまで酷い男なんだと…ただ一方的に聞いた話なので真実はわかりません)
500万払う約束をして、離婚しました。祖母の店を担保に金を借りさせて、それを返すという形にしての離婚です。
出会ってから幸せな時期はあったのでしょうか。
一時期母との仲が良かった時に、父のことを聞きましたが死ぬまでに話すと言って泣きだしてしまうのです。余程苦しいことしかなかったのか、今となれば何もわかりません。ただ何回も言っていたのは、「頭が悪い人はヤクザできないんだよ。あの人は頭が良かった」と言っていました。
私にはその世界のことはわからないので、何も言いませんでした。
普通の女の子として、普通に画像のように甘えたりすることはあったのか…そうしたかったはずだろうとは思います。
どんな女の子でもそうしたい気持ちは、一時的でも必ずあるでしょう。
その点では、本当につらかったのだと思います。