ありがとう虹ヶ咲
TVアニメ1期の放送開始とほぼ同時に虹ヶ咲に出会ってから、もう2年になろうとしている。
通話していた友人との「ちょっと見てみない?」というふとした切っ掛けかから、2期が終わった今に至るまでここまで沼にはまってしまうとは思いもよらなかった。
学生最後の日がμ'sファイナルライブのday1、社会人最初の日がday2となった自分は、そこである種踏ん切りがついてしまいラブライブからは離れていった。
離れてからたまに思い返す度、よくもまぁ毎日通学電車の中で音ゲーをこなしたり、大学近くとはいえ朝早く神社に並んでコラボのお守りをもらったり、一番くじを巡って都内を駆け巡ったりしたものだなと、半分は過去の自分に呆れるような感覚でいた。
もう半分は当時は熱中するほどに楽しかった、という気持ちもあるのだが、恐らく自分がアイドルコンテンツに触れる事は今後無いだろうと決めつけていた。
結局は冒頭の通り、見事に出戻りしてこんな文章を書いている。
当初はなんとなく視聴を継続している、程度だった。
友人の家で一緒に1期の3話を見ている時、「だったら、ラブライブなんて出なくていい!」と叫ぶ侑を見て感心したのを良く覚えている。そうか、だから部活動ではなく同好会なのかと。
YouTubeの最速配信でツナガルコネクトのライブシーンを見た日の夜は、同時視聴していた友人とお互い興奮しながら、これはとんでもない作品だと騒いだりもした。
そこからは夢中になって毎回を楽しみに観ていた。
昼休みには一人ButterflyやSolitude RainのMVを何度でも見返し、11話と12話の間は2020年で一番長い一週間を味わった。
「少し思っただけ。始めて、良かったって!」
1期13話での歩夢の最後の台詞だが、聞いた瞬間に目頭が熱くなった。
これを聞くためにここまで見てきたのだと確信したし、ここで終わっても良いけれど、続きも見たい。そう思わせてくれる素晴らしい最終回だった。
2021年3月のシャッフルフェスティバル。
アニメ以外の活動を追うかどうかまで、その時は迷っていた。
が、今の時代は配信ライブという形で参加も出来ると言う事で、とりあえず見てみるかと覗いてみたのがそれだった。
結果としては、『決意の光/優木せつ菜』に狂わされ、ライブ活動を追う決心をする羽目になる。
5月の3rdライブ。
こちらも配信で視聴。
来るとは思っていなかった『CHASE!』で早速情緒を破壊され、『夢がここからはじまるよ』のピアノはもう言わずもがな。
アニメの2期が発表され、当面の生きる希望を得たのもこの日。
2022年2月の4thライブ。
チケットを当て、μ'sの時には果たせなかったナンバリングライブの現地参戦を達成する。
見せてもらった色々な光景と、語られた様々な言葉で感情がぐちゃぐちゃにされてしまった。
まぁまぁ良い年の成人男性となった自分が、ここまで動揺させられるのかと、それほどまでに虹ヶ咲が自分の中で大きな存在になっているのかと感じ入った。
2期がやって来た。
Eutopiaに圧倒され、250万回再生の内100回は自分で再生した。
「もし同好会に入りたいですぅ、って言ってきたら、全力で歓迎してやるんです!」、と言うかすみの言葉に1期の物語からの経過を感じ嬉しくなった。
ゲリラライブに誘うランジュの、栞子を覗く眼差しに心を締め付けられた。
「昨日は、楽しかった?」と問う愛に沈黙を返す美里さんに苦しくなった。
侑としずくを追いかける歩夢のコロコロと変わる表情に何度も笑わされた。
菜々の前に拳を突き出す歩夢を見た瞬間に、直後の記憶が飛ぶ程に感動した。
「やりたい気持ちがあなたにあるのなら、それはもう適性って言うんじゃない?」、この台詞に作品の持つ一貫したメッセージを受け取った。
ピアノの傍に立つ侑を見た瞬間に3rdライブの光景が完全にフラッシュバックして、もうどうしようも無くなった。
ランジュにあくまでもライバルとして、挑戦的に問いかけるミアが眩しかった。
3年生と線香花火を見て、否が応でも別離を匂わされてしまい気が気では無くなった。
日が沈みゆく中、3年生達の生む優しい空気感がたまらなく綺麗で、そのままでいて欲しいと思わざるを得なかった。
同好会だけでなく、ラブライブに挑むスクールアイドルをはじめ虹ヶ咲の世界に生きるすべての人々に物語があるのだと言う事を改めて実感できた。
2期の13話を見て、正直な所自分はまだ整理がついていない。
本当にここでアニガサキの物語は終わるのか?
他シリーズも並行しているなか、二例続いた劇場版も含めて映像作品の続編は当たり前では無いと思われるし、今回で侑は完全に「あなた」を離れ、私たちにバトンを渡してきた所から彼女の物語は完成したとも言えてしまう。
それでもやはり、我儘なもので続く物語があるのならば見たい。
『NEXT TOKIMEKI』と銘打たれた5thライブにどうしても期待してしまうのが性だ。
虹ヶ咲の沼にはまってから、思い返してみると一挙放送がある度に何度でも見返し、連休の内二日を聖地巡礼に費やし、こうして文章を綴るほどに熱中してしまっている。
μ'sを追っていた時の、二度と自分が持つことは無いだろうと思っていた熱と感情を、あの時と比べて環境も立場も変わってしまった自分に取り戻させてくれた。
そして、この作品から最初の一歩を踏み出す勇気を貰えたお陰で、前々から興味を持っていた「文章を書く」事に向き合う事が出来た。
二次創作の短編にも挑戦しているが、初めてコメントが付いた時は本当に嬉しくなり、それこそ「始めてよかった」、と心から嬉しくなった。
この事にまずは、ありがとう虹ヶ咲、と言いたい。
近い内に映画か3期か、続編の発表はあるかもしれないけれど、一つの区切りとして今の思いをここに残す。
少し未来の自分が、続編の報せを受け取っている事を願って。