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14年間の摂食障害を乗り越えて

この話は永遠に自分の心に閉まっておこうと
思っていたけれど

摂食障害で苦しんでいる方が
たくさんいることを知って

私の経験を
ここに残しておこうと思います。

私は、23歳から37歳までの
約14年間、
摂食障害に苦しんでいました。





それが始まったのは
長男を妊娠してからだったと思います。

看護師になってまだ2年目の5月でした。


妊娠が分かり
職場の先輩方からの
厳しい視線を浴びながら

バタバタと結婚式やら
引っ越しやら
私の環境は、どんどん変わっていきました。

それまで付き合っていた友達は
飲み友達ばかりだったこともあり
自然と離れていきました。

楽しくてワクワクするような
新婚生活は一切ありませんでした。



悪阻に耐えながら家事と仕事を
必死にこなす日々。

突然「妻」となって
「母」となった現実に
心がついていけなかったんだと思います。

妊娠中の体重コントロールができず
妊婦健診で指導されるたびに
痩せなきゃ、痩せなきゃと
焦るようになりました。

ストレスから、
過食しては嘔吐するようになっていました。



長男が生まれると
それまでよりもさらに忙しくなりました。

育児休暇もとらずに
生後2ヶ月から仕事に復帰しました。

完全母乳だったので
夜も眠れずに授乳しては
さらに絞って冷凍保存し
それを託児所に届ける毎日を送っていました。


そんな中、
旦那さまの実家や、
親戚の集まりに行くと、

みんな、旦那さまのことを心配しました。

「あんた、痩せたんじゃないの?
ちゃんと食べてるの?」

と。


その頃の私にとって
これほど
辛い言葉はありませんでした。

まるで、
私と結婚したことで
旦那さまが苦労してると
責められている気がして。


でも


今思えば
旦那さまも辛いのは同じだったと思います。

就職して二年目。
私と同じような立場。

子供が生まれても残業で
毎日、22時になっても
23時になっても帰ってきませんでした。

家事も育児も、一人でこなす日々。

私たちは、お互い余裕がなさすぎて
辛さを共有することが出来なかったんです。


誰か助けて欲しい。

大丈夫?って、言って欲しい。

そんな思いに私は支配されていました。



太って健康そうにしていたら
私のことなんて
誰も気にかけてくれない

心のどこかで
そう決めつけていました。

半年で10キロ近く体重が減ったころ
やっと、友達が心配してくれましたが

旦那さまや、
旦那さまの親族には
それでも心配してもらえることは
ありませんでした。

どうして誰も気づいてくれないの?

心の中で世界を責めながら



ただ、ひとこと

「助けて」

私はそれが、
どうしても、言えなかったんですね。



そんな暗い渦の中から出られないまま
14年間

トイレで吐いては、
天井を見上げていました。

神さまに見られているような気がして
いつも怖くて震えていました。


そんな生活を続けていると
ある日、突然
激しい頭痛とめまいで
全く動けなくなりました。

そして、仕事を退職。


今思えば
私の体が教えてくれたんだと思います。

もう無理だよ、って。



私たちは、何か辛いことがあると
そのことの「原因」を
必死に探そうとするけれど

「原因」を探すと、どうしても
誰かの、何かのせいにしてしまったり
自分のせいにして責めてしまう。

それだと、いつまでも
暗くて狭いところから抜け出せないんですね。

何か辛い気持ちが生まれたら、
そのことから私が気づかないといけないことは
何かな?って必死に考えてみる。

体と心に、「意識」を向けて。

そして、どうすれば、この居心地の悪い空間を
居心地のよい場所に整えられるかな?
って考える。

そんな風に考えるようになってから
人生が大きく変わっていったんですね。


誰のせいでもない。

自分のせいでもない。

そしたら、相手も自分も、許して生きていける。


ずっと憎んで生きていました。

休ませてくれなかった職場
助けてくれなかった旦那さま
気づいてくれなかった義両親

そして、
誰かに頼る勇気がなかった自分。


これは私の友人の言葉ですが
憎しみは、「こいしさ」なのだと。

もっと私を見て欲しかった。
愛されて、大切にして欲しかった…。

その憎しみから解放されたら
自然と、過食衝動もなくなり、
吐くこともなくなっていったんです。



心の余裕から
食に関する捉え方も変わりました。

「これは太る食べ物だから食べない」

=食べ物のせいにしている、
ということなんですね。


動物も、植物も、物や空間すべては
ただ、存在しているだけ

食べ物は、
私たちを太らせるために
存在しているわけじゃない。

ただ、生きているだけ。

そして
私たちに栄養を分けてくださっている…


不思議と
考え方が変わると、
食べても太らなくなっていきます。


今日は、甘いものが食べたい。
そう思ったら
今は、体が甘いものを欲しているんだなって
思って、心から美味しくいただく。

食べるいうことは
体に必要な栄養を補給するだけではなく


私たちの心にも、栄養を与えてくれるんですよね。



摂食障害は
治そうと思って
すぐに治せるものではないけれど

あなたの苦しみがどこからくるのか
それを、考えてみてください。

自分の心を助けてあげること。

これが、
なによりも克服の近道だと
私は思います。


長くなってしまいましたが

摂食障害で苦しんでいる方々が
いつか、心から美味しいと感じて
食べられる日がくることを
心から願っています。

読んでくださって
ありがとうございました(*^^*)



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