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疲労度を左右する要因~ピラティスの視点から~

お客様やSNSのフォロワー様から「このテーマについて書いてほしい!」と言っていただくことも増えてきたので、少しずつ取り上げていきたいと思います!

今回のテーマは、「全く同じような生活や仕事をしているのに疲れやすい人とそうでない人がいるのはなぜか」になります。

確かにこれは良く言われる質問ですし、私自身も様々な経験や勉強を通して非常に疲れづらい身体に変わってきたという実感がありますので、今回その点について考察していきたいと思います。

疲労度合いを決める要因

過程の重要性

疲労に関わる要因は数多くありますが、今回は動作学=動きの質の観点から掘り下げていきたいと思います。

日常生活の中で、「なぜあの人は疲れないんだろう?」と思った経験が皆さんあるかと思いますが、これは”全く同じ生活(動作)を行っていると誰しもに同じ負荷がかかっている”と思ってしまっているからだと思います。

しかしもちろんそんなことはなく、同じような動作を行っていても動かした方や力加減など(過程)は人によって違うはずです。
分かりやすいように食事を例に出すと、全く同じカロリーを摂取していたとしても、食べている栄養素のバランスが違えば身体に出る反応は全く異なるかと思います。

このようにぱっと見同じような生活をしていたとしても、”どのように”遂行しているか=過程で身体にかかる負担は大きく変化します

疲労度合いを左右する動作の3つの要素

続いて、どのように動作を行うと疲れづらくなるのかをピラティスを例に考えていきたいと思います。
私が考える身体にかかる負担を決める主な要因は以下の3つ。

➀ニュートラルポジション
②アーティキュレーション
➂力感

➀ニュートラルポジション(骨の正しい配列)

重力や床反力に対してどのポジションに骨が位置しているかで身体にかかる負担は大きく変わります。
これは皆さんご理解いただけるかと思いますが、
・常に腰が丸まっているor腰が反っている
・脚が内股orガニ股になりやすい

などの不良姿勢はよく見られ、このような骨の位置の崩れが起きていると疲労しやすく、さらに疲労を超えると組織の損傷にまで繋がってしまいます。
よっていかに骨の位置を良い位置に保てるかがまずは非常に重要となります。

どこが良い骨の位置なのかはピラティスでニュートラルポジションとして学習することができます。
とくに「PHI 」というピラティスの団体は理学療法士の方が作った団体なので非常に細かく骨のポジションを修正できるインストラクターが多いです。

②アーティキュレーション(分節運動)

疲労や痛みをよく訴える方は粗大な運動しかできず、細かいコントロールが苦手な方が多いです。
このような人は、いつも同じ筋肉を使い同じ動きばかりをしてしまっているため負荷が集中しやすくすぐに疲弊してしまいます。
反対に、疲れづらい人は多くの筋肉で色んな動きが出来る人が多いということです。

アーティキュレーションとは特に脊柱の分節的な動きを表すことが多いですが、脊柱は他の関節と比べ特殊です。
通常関節というのは”ある骨とある骨のつなぎ目”を表すのですが、例えば膝関節を例に出すと「太ももの骨」と「脛の骨」のつなぎ目が膝関節となります。
しかし脊柱はどうでしょうか。
お客様と話しているとよく言われるのが、「背骨は1本の長い骨がしなりながら動いていると思ってました!」という言葉です。
そのようなイメージを持たれている方が多いと思いますが、実際には脊柱は24個の骨=上下の骨を合わせると26個の関節が1つ1つ動きながら、しなやかな動作を作っています。
この26個の関節を1つ1つ動かせる能力がアーティキュレーションと言い、身体にとって負担の少ない動きを作る上で非常に重要な要素となっています。

例えば腰痛の人は、胸椎の動きが悪いことにより腰椎がその代償として過剰に動かざるをえなくなり痛みや疲労に繋がります。

ピラティスを通して背骨を1つ1つ動かせるようになったことで多くの不調が改善した例を自身を始めたくさん見てきました。
大げさに思われるかもしれませんが、背骨を自由に動かせるというのは人生の幸福度を決める上で非常に大切な能力だと思っています。

➂力感

これはピラティスの教科書には載っていない要素なのですが、私がこれまで多くの人を見てきた中で疲れやすい人そうでない人の大きな違いがこの”力感”だと感じています。

料理を作る際フライパンを持ち上げている場面を想像してみてください。
例えば、本来10の力があれば持ち上がるはずのフライパンを、疲れやすい人は50の力で持ってしまいます。
つまり疲れやすい人の特徴として、生活の中で必要な力の加減を上手くコントロールできず常に力んでしまっている可能性があります。
力というのは強ければいいわけではなく、その動作に必要な力分だけ調整して出せるのが最も効率がよく身体にかかる負担は最小限になります

ピラティスを行う際も普段疲れやすい人の特徴として、動作が力みやすいかもしくは部位によっては力が入らないこともあります。
必要な分だけ力を調整して入れる。これをエクササイズを通して学習していけるのもピラティスの素晴らしいメリットだと感じています。

ぜひ皆さまもこの3つの要素をピラティスで学習し、疲れづらい身体作りを目指していきましょう!

9月のグループレッスンはこちらから↓
(8月のグループレッスンは満員御礼でした。ご参加いただいた皆さまありがとうございました!)




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