警戒すべき情報の分類
匿名化や移動が容易になりますます嘘を付くコストやリスクが下がっている。そこでそのような情報の罠に引っかからないために簡単に警戒すべき情報の性質を分類しランク付けしてみたものである。
+++警戒度高
・強い感情を引き起こす及び引き起こす意図を読み取れるもの。
(これはある種の扇動である。感情を煽られてないか自己観察をしよう)
・少ない・断片的な情報で結論が述べられてるもの
(あたかも全ての情報を開示しているかのように装おわれてることが多いので開示されてない情報があることを念頭に置き
情報量が少ないこと自体を警戒すべき。ほとんどの事物には多面性があり別の角度から見れば全く別の意味になることが往々にしてある)。
・意味がはっきりしない曖昧な言葉を用いられてるもの。
(例えばtwitterで性的消費という単語を使う人が大量にいたが、その意味内容は曖昧であるにも関わらず
そのレッテルを貼ったものを当然悪いものとして扱い印象操作を行っていた。過去を遡れば神が云々というようなものもある。
これらは論理ではなく言葉のイメージを用いた誘導である)
・結論を急がせるような情報
(考える時間を与えず相手にとって都合の良い誘導を行っているだけである)
・普遍的原理に矛盾するもの
エネルギー保存則のような普遍的な原理に反するものはまず詐欺である。
・特定の立場を取っている、特定の方針や領域に深く関与している人間からの情報
利益誘導のためのポジショントーク、その領域におけるバイアスが強く掛かっている可能性あり。
専門家でもその分野の特定の知識をドグマ化していて誤りを認められないケースが存在する。
・あたかも事実かのように述べられているがソースが存在しないもの。
全くのデタラメ、その人間の歪んだ認知から発生している誤認、断片的な情報提供による印象操作の可能性がある。
・査読されていない論文や謎の専門家
お金を払えばどんな内容でも乗せてくれる雑誌というのもある。身近な例でいえばモンドセレクションが有名か。
++警戒度中
・理屈は通っているが実際的な証拠がないもの
理屈というのは用意した特定の要素を前提に導き出されたものなので実際には理屈で述べたときに想定していなかった要素がほぼ必ず存在しそれが理屈を狂わせる。またその理屈自体は正しくともそれを打ち消す別の正しい理屈が存在し効力を打ち消し合う場合もある。
・被害者側の主張。
人間社会では被害者という立場は自身を有利に置くことが可能になるので被害者を装う場合が多々見られる。
よって被害者側から出た情報というのはつい同情してしまいそうになるが被害者に擬態しているだけの可能性を常に警戒せねばならない。
加害者側から出た情報というのは自然と警戒されるので意識的に警戒する必要は比較的弱いだろう。
・意図が不明なもの。
なぜそのようなことを相手が言ってるのかを常に考えよう。情報の出力には基本的に意図や感情がある。
それが自身の利益のためか、相手を誘導するためか、本当に善意や誠実から来るものかは分からないが。
・ソースの独立性が不明なもの
これは複数のソースが同じことを書いているので確度が高いと思ったらそのソース自体が実はある一つのソースを拠り所にしているだけであったり、いわゆるソースロンダリングと呼ばれるもので、例えば日本のメディアが海外の自社メディアに記事を送って報じさせ日本のメディアは海外のメディアがこのような記事を報道した、と報道したりすることである。
・無批判に受け入れている認識
例えばダニング・クルーガー効果は無能な人間は自分が無能であることに気が付けないために自身過剰になりやすい、というような意味で使われることが多いが英語版のwikipediaを見れば、この効果は特定のタスクに対する実験でしかなく一般的な知能の低さに関わる話ではないというのがよく分かる。またメタ認知能力による説明自体も無謬なわけではなく実験結果を平均回帰と平均以上効果で説明可能だとする説もあり、この効果は実際にはあまり単純な話ではないことが分かる。
++警戒度低
・再現性が確認されていない査読付き論文
*査読の詳細なプロセスは分からないがいくらかの解説を読む限り究極的にはその分野の専門家から見て論理的に問題がないかを見ているのでデータ自体を捏造していても矛盾がなければ査読は通るしその分野の専門家が読むということは既知の知識に対して確証バイアスが働く構造にある。
実際に経済学においてラインハート=ロゴフ論文、というデータのミスにより誤った結論を導き出し世界中に悪影響を与えた有名な論文がある
++警戒度極低
・再現性が確認されている査読付き論文
上で述べたダニング効果の例。
また、昔の話でいえば武器軟膏という例がある。
有害な治療法をしていたために傷を付けた武器に薬を塗るという実質何もせず自然治癒に任せただけの治療の方が効果が高かったという話だ。
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