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『筋力低下からの脱出』体が重く感じるのはなぜ?


【はじめに】

簡単な自己紹介

あるくん歩行体操教室、姿勢トレーナーの東 史(アズマ フミ)と申します。

大阪府枚方市の体操教室では、ミドル世代シニア世代の姿勢矯正と歩き方矯正トレーニングを行っています。
姿勢矯正と歩き方矯正をするために、体の水平垂直を整え垂直軸を構築しなおす『あるくんメソッド』の運動指導をしています。


生徒さんからの質問

70代の生徒さんお二人に、続けて同じ内容の訴えと質問をいただきました。

〈74歳 腰部後弯症・円背・膝屈曲〉
ご入会時は、円背姿勢で歩くとすぐに息切れがする状態でした。
メソッド開始から4カ月 

〈79歳 側弯症C字カーブ・円背・腰椎手術箇所あり・股関節痛〉
ご入会時は、筋力低下が顕著で、歩くと思うように止まれない状態でした
メソッド開始から2カ月 

お二人とも、前額面(左右)の繋がり改善と矢状面(前後)の繋がり改善を行ってきて、メソッド開始前と比べて、姿勢が改善し足に体重がのりやすくなってきました。
腹筋強化や猫背円背を改善して胸部を起こせるようにインナーマッスルも強化中です。

そんなお二人から、「速く歩けないし、体もすごく疲れやすく感じる」という、訴えがありました。「速く動こうとすると姿勢が崩れるし、姿勢も続かなくて疲れるのはなぜでしょう?」と、質問がありました。



【体が重く感じる理由】

姿勢矯正と筋力強化で起こること

お二人ともが、メソッドを開始して、姿勢の変化や血流の改善など、変わってきたことに少し前までは喜んでいました。

それから1、2週間が経過して、足に体重をしっかりのせた運動が可能になって、トレーニング中の姿勢が力強く見えてきた今、なぜ疲れやすいと感じるのでしょうか?


筋肉が付いてきたのに疲れやすい

お二人の生徒さんは、足腰がかなり弱くなっていました。姿勢矯正のために足腰の安定を目指してトレーニングしてきて、やっと上半身を起こしてみようと体が反応するようになってきました。

しかし、上半身の上には重い頭があり、それを支えるには、骨盤から腰椎、胸椎へ連動して筋肉を使うことが必要です。姿勢改善して、体を起こしたいと思っても、そこまで上半身の繋がった筋肉はできてないのです。

下半身が変わってきて初めて気付く、上半身のふがいなさというべきでしょうか・・・。そして、下半身もまだまだスタミナはないのです。
でも、この感覚はとても大切で、姿勢の問題が解決に近付く時こそ、顕著に体の問題を感じ始めます。

しっかりしてきたからこそ感じ取れる、体のまずさなのです。



【重力と筋肉の関係】

地球に戻った宇宙飛行士

宇宙の無重力空間で生活した宇宙飛行士は、地球に戻った時に、筋力が落ちていて体を重いと感じます。無重力では筋肉は育たず退化してしまいます。
そのために、宇宙飛行士は地球に戻ってから筋力を取り戻すためにリハビリを行います。1日2時間×週6日 約45日間するそうです。


重力に抗う力

お二人の生徒さんは、地球で生活していますが、姿勢の垂直軸が崩れて、重力に抗うことが出来なくなっていました。そのために、筋肉が落ちて、重力に負ける生活を送ってきました。

垂直軸を構築しなおす『あるくんメソッド』で、重力に抗おうとする力が芽生えてきて、改めて感じられる筋力不足なのです。

まだ、抗い始めたばかりで、負けずに勝ち切る必要があります。

筋肉の感覚は突然やってくる

重力に抗う力(筋力)が、本物になるのはある日突然です。それは、辛いと感じ始めてから1週間後に、「あれっ?なんだか軽い。動けるぞ」と、変わる場合もあるのです。

生徒さん一人一人の課題が違って、今感じている疲労感がどこまでを支える力になるのか、全て分かる訳ではありません。

しかし、低下していた筋肉が蘇り始めていて、変わろうとしているのは確かなのです。

この時期の不安を乗り越えられるように、体に起こっていることを客観的に理解することは、筋力低下脱出を成し遂げるために必要なことです。

不安で不確実な時期だからこそ、トレーナーは分かりやすい説明で、「もう少しで変われますよ」「体が変化している時です」と、近い未来を約束してあげる必要があります。



【まとめ】

筋力低下脱出の不安と期間

前述してきたように、姿勢矯正や筋力強化は、改善が上手くいっていたとしても、本人の感覚が追い付くのはかなり後になります。
感覚が追い付くまでは、ずっと不安の中にいます。

運中飛行士が、地球に戻ってから集中して丁寧に体を取り戻すプログラムと期間が必要なように、筋力低下からの脱出は容易ではありません。


高齢者の筋力低下脱出

通常、姿勢が悪くなると運動面(矢状面・前額面)のつながりがなくなり、体節の回転運動が正常に行われず、筋力維持は難しくなっていきます。姿勢が悪くなり始めも、疲れやすさを感じます。

姿勢の悪化が進むと、自己努力で姿勢を戻し、運動面を元の戻し意識できるようになることは、まずありません。
それは、高齢者の姿勢が丸く小さくなっていくイメージが、共通認識として存在することが物語っています。

重力に抗う水平垂直を作るサポートは、医療では行われていません。
そのため、重力に対抗する時の不安に寄り添う必要性についても、議論や研究がされていないのが現状です。

筋力低下脱出ができるかどうか不安な時期の存在を知って、寄り添って乗り越えられるようなサポートがあれば、プレフレイルやフレイルは深刻な問題では無くなります。

重力に抗う時の姿勢改善は、個々の課題に沿ったもので、筋力低下を脱出するまで心理的サポートが必要ですが、体の水平垂直を整えることは難しくありません。


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