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積読月報(2024年3月)

新年度いかがお過ごしでしょうか。
私は私生活の方で少し変化がありましたが、落ち着いた日々を過ごしています。
三寒四温で毎日の服装に少し悩みつつ、冬用のコートはクローゼットにしまいました。あ、でも、また、クリーニングには出さないと。
一方、天気予報を確認しつつも、度々雨にぬれて出勤しています。
職場近くの桜の開花が待ち遠しい今日この頃です。

私生活の変化の一つに資格取得のために大学の通信教育を受講しはじめました。(とはいえあまり勉強できていない・・・(汗))
そのせいもあってあまり本を読めていない、、、
実は先月よりも読めていないかもしれない。
ただ、先月読んだ本はどれも重厚だったような。

今月も読書メーターのまとめ機能を使って読書記録をまとめていきます。


2024年3月の読書記録

2024年3月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1350ページ

榧根 勇『地下水と地形の科学 水文学入門』 (講談社学術文庫) 講談社

以前まえがきだけ読んで放置していた一冊。最近、地理学が好きな友人ができたので影響されて再開した。
久しぶりに地球科学分野のワクワクする一冊を読めた。本当に面白かった。もともと湧水(地面から水が湧き出るという不思議さと美しさ)が好きであるという素朴な興味と、自身の専門である大気海洋分野と同じ地球上の水の流れを見るという点の共通の両面から興味を持っていたが、読み進める中で地面の下の水の広がりがふんわり想像できだと思う。
前半は地下水に関する基本的理論の話がメインであるが、後半の4〜6章は黒部川、武蔵野での調査に基づく具体的な話である。フィールドワークを重視し、それを強調する著者の姿勢に地球科学に触れている感じがして私は懐かしいワクワクを感じていた。
一方、私自身はもともと地球物理を専門としていたので次はもっと理論的な本も読んでみたい。結局地下水位とは何かよく理解できなかったのでそこも補強したい。そして最後著者も強調していたが大気海洋陸圏含めた水循環に興味を持った。

上記で書いたことがすべてですが、久しぶりに自然科学の本当に好きな本を読んだ気がします。大気・海洋という地球上の「流れ」に深く関わる分野を専門としてきた身としては、元から陸水学に興味がありました。今回この一冊を読めて、改めて自分の興味を再認識したような気がします。大気・海洋・陸面・雪氷圏など包括した水の循環について学びたいと思いました。

川上未映子『黄色い家』 中央公論新社

この本もまた2週間くらいかけて読み進めた。ただ、後半の300頁は駆け抜けるように読んでしまった。正直うまく言葉にできないからまた書きたいと思う。
とにかくものすごい本を読んでしまったという感覚。圧倒された

正直、前半読むのが辛かったけれど、後半は駆け抜けるように夢中になって読んだ。大雑把に印象を書けば「金に、恐ろしく、振り回される少女たちの物語」という印象。迫力があった。
しかし、『すべて真夜中の恋人たち』を読んだ時にも感じたが、私は川上未映子が書く、女性の心情の吐露が好きだと思う。そこだけ、とても感傷的で、何か不思議な味わいがあった。

髙宮 利行『西洋書物史への扉』 (岩波新書 新赤版 1963) 岩波書店

他の本と並行して読んでいたためかなり時間がかかってしまった。
ずっと興味はあったけど読めていなかった分野の本なのでワクワクして読んだけどやっぱり基本的な世界史の素養がないとキツイなと思った。内容自体は本当に面白そうなので理解したいと思う。
思ったより一つのトピックについて短くまとまっているのでその点は読みやすかった。
もう一度読み直したい一冊。
図書館に就職して文系分野で読みたい本もたくさん増えたけどやっぱり一度しっかり歴史を学ばないとって感じた。
次にこの本を開く時にはもっと見通しを持って読みたい。

間に上述の『黄色い家』(単行本600ページ)を読んだため、読みはじめから読み終わりまでにかなりの時間を要してしまった。
また、元々世界史に疎いため実は結構理解できていない部分も多い。
世界史・日本史そろそろしっかり勉強しなければ。。。
逆にいえばモチベーションができたということで。

ジュディス・L・ハーマン 著, 阿部大樹 訳『真実と修復 : 暴力被害者にとっての謝罪・補償・再発防止策』みすず書房

副題の「暴力被害者にとっての謝罪◦補償◦再発防止策」というのが本書の内容を端的に表していると思う。トラウマの専門家でも法学に詳しいわけでもないから本書について的確に書くことはできないと思うが、被害者の視点に立った修復的司法という考え方は大切だと思う。別の話になるが、道徳教育とかにも同じような視点が必要に思う。上手く書けないけどまた読みたい。

行きつけの本屋で予約して購入し、ほぼほぼ積読せずに読み切った。
同著者の本は年末年始に読んだ『心的外傷と回復』以来2冊目だった。
『心的外傷と回復』はトラウマそのものの分析・理解がテーマという印象であったが、本書はケア、そして、司法というより具体的な回復に向けた手立てについて書いてある印象であった。難しかったけれど読んでよかったし、学びも多い。

ふと思ったが、こうした精神医学分野の本は、自分にとっては「よく生きるため」の知識であり、大人のための道徳みたいな役割もあるのかなと感じた。
『心的外傷と回復』も併せて、また読み返して、感じ・考えたい。

▼読書メーター


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