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積読月報(2024年2月)

2月の読書記録です。
正直、ものすごい読書スランプだった。
活字が全然頭に入ってこない。
比較的、本から離れた1ヶ月だった気がする。

そして、本が自分のアイデンティティになっていることを実感した。
本を読めないと、自分が何をしたのかもわからなくなっていたような気がする。

苦労して読み進めた本をご紹介いたします。

3月はもう少し明るい気持ちで読みたいですね。

(今月の画像は横浜に行った際に撮影した一枚。なんかこういう感じで観覧車が映り込んでいる写真よくあるよね。)

2月の読書記録

小倉義光『総観気象学入門』東京大学出版会

再読。
なんかまだまだ勉強不足だなと痛感した。
たまにこういうガッチガチの理工書読みたくなる

1冊全部読み返したわけではなくて後半の読み残していたところだけ。
比較的時空間スケールの大きい気候変化については研究していたし、ある程度感覚的な理解ができるけど、やっぱり私にとって気象は難しい。
でも、せっかく基礎知識はあるから理解したいという、ちょっとした未練かな。

加藤千恵『この場所であなたの名前を呼んだ』 (講談社文庫) 講談社

NICU(新生児集中治療室)で働く看護師、医師、清掃員、臨床心理士や患者(赤ちゃん)のお母さんなどの視点で書かれた連作短編集。ただ、NICUを舞台した物語というよりそれぞれの生活や葛藤などが主題となっている。どの作品もとても好きだけどやはり病気がわかっていながら出産をする親のお話、最後の医師の話が印象的だった。前者は短いながらもどんな子どもでも自分の子どもは愛おしいという愛情を、後者は将来に悩む医師の姿に共感した。
重いテーマも含まれているけれど表紙のように全体としては暖かい物語。ぜひ読んで欲しい。

2月の頭、まだスランプに入る前にギリギリ読み終えた記憶。
以前YouTubeで紹介されているのをきっかけに知った一冊。
いい意味で癖がなくて誰でも読みやすいのではないかと思う一冊。
この表紙のデザイン好き。
そういえば医療系の小説ってあまり読んでこなかったかも。

川上未映子『乳と卵』 (文春文庫 か 51-1) 文藝春秋

この100ページちょっとを読むのに2週間近くかかってしまった。正直それくらい飲み込みにくい物語であった。というか、一度読み直した。ただ最後のシーンはなかなか開放感というか、突き動かされるものがあった。どこかでまた読み返したいし、これを理解できるようになりたい。

レビューに書いてある通り、このわずか100ページを読むのにものすごい時間がかかった。多分1月の私なら1日で読み終えていたかもしれない。
正直読みにくかった。
読みにくかったけど、胸を掻きむしりたくなるような時もあった。
1月に読んだ「すべて真夜中の恋人たち」が良すぎて川上未映子まとめ買いしてしまったことを少し後悔しそうになったが、今読んでいる「黄色い家」は読みやすいし面白い。多分この1冊が特殊だったのかもしれない。
そういえば芥川賞作品読んだの「妊娠カレンダー」以来2冊目か?
九段理江の「東京都同情塔」は気になっている。

ずいの 原著, 系山 冏 著 『税金で買った本』 (1巻〜10巻) (ヤンマガKCスペシャル) 講談社

なんとなく今月は活字の本が読めない感じなので久しぶりに漫画を読んでみた。少し前から気になっていた(気にならざるを得ない)シリーズ。読んでいて普通に自分はまだ何も図書館のこと知らないなぁと勉強になった。
そして今回、実は電子書籍で購入した。多くの人が「漫画は電子で」っていうけど確かに電子の方が便利だなと思った。漫画は一冊あたり読む時間が短いので大体1日に一冊以上のペースで読み進めてしまうので、電子だとありがたい。

活字スランプに陥った私はスマホでこの漫画(電子書籍)10巻をまとめ買いした。
図書館勤務として、図書館舞台の話題作だし、漫画なら読めるだろうと思って大人買いして、電車の中でずっと読んでいた。
読めた。漫画は読めた。そして勉強になった。ありがたい。
個人的には早瀬丸さんがたまにダークになるところが好き。
早く続きを読みたいです。

森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫 も 19-2)』KADOKAWA

最近読書スランプなので結構な時間かかって読み終えた。
森見作品みんなそうかもしれないけどお祭りみたいな本だった。
癖のある文体と言われるけど時折とても美しい情景描写とかあって、むしろそっちの方が心に残った気がする。
拗らせた大学生、愛すべき

漫画を読み終えてもスランプから抜け出せなかった私は何なら読めるだろうかと焦って、なぜかいつも座っている椅子の真後ろにあったからという理由で森見登美彦を手に取ってしまった。(面白いけど読みやすくはない)
面白かったけど読んでいる間ずっと「この物語はどこに向かうんだろう」という感じで迷子になりながら読んでいた。いや、多分それで正解なんだろうけど。また読み返して笑いたい。

岡ノ谷一夫『「つながり」の進化生物学』朝日出版社

小川洋子の「ことり」の参考文献ということがきっかけで読んだ。今回もまた読むのに時間がかかったが、最後加速的に面白くなっていった(最初の方は調子が悪くなかなか頭に入らなかった。)「心の理論」については以前読んだ「自閉症は津軽弁を話さない」にも通じる部分があった。そして何よりも「心の他者起源説」は非常に興味深かった。にわかには信じ難いけどそうかもしれないとも思った。心理系の本は何冊か読んだことがあるが、脳科学的なアプローチもあった為そこは今後慣れたい。また時間のある時に読み返したい。

2月最後の1冊は久々に生物学の本を読んだ。まだ、活字スランプを抜け出せていなかったから頭に内容を入れるのに苦労したけど、それでも興奮する瞬間もある一冊だった。「心の起源」「言葉の起源」「コミュニケーション」などを動物から探る一冊。元々高校生に向けて行われた特別講義を書籍化したものということであり、対話形式で進んでいく。
この本が書かれたのは2013年 ー 今から10年以上前である。おそらく現在研究はさらに進んでおり、「動物言語学」という言葉も耳にするようになった。今一度、ここに書かれていることがどう解釈されるのか、アップデートを期待している。

今月は「読めない」「苦しい」みたいなことばかり書いてしまいました。
相変わらず自由作文は苦手ですね。
(このブログも1週間くらい下書きに眠り続けた。)

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