web版古地図散歩 本郷~茗荷谷3
【日頃町歩きイベントとして開催している「古地図散歩に行こう!」をweb上で楽しめるようにしました。約5キロを3時間ほどで歩きながらしゃべっているものですが、文章にするととても長くなります。そこで5回に分割しました。有料部分には配付資料も掲載してあります。】
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樋口一葉終焉の地
夏目漱石は崖の上、樋口一葉は崖の下に住んでいました。それでは漱石の家の跡から、崖の下におりていきましょう。この坂道は東京大学の正門前から台地の上を突っ切ってきた道と同じ、明治13年(1880)に造られました。明治は今からすれば昔ですが、造られた当時は新しい道だということで、「新坂」と名付けられました。またの名を福山坂、この崖の上に屋敷を構えていた阿部家の領地が福山だったからです。
新道を下りきった道には、江戸時代の地図を見ると水路が描かれています。ここは神田上水の支流が流れていた場所なのです。
ここから南に向かうと白山通りに出ます。この白山通りにある紳士服のコナカのお店の前に碑があります。これが樋口一葉終焉の地の碑なのです。
樋口一葉はこの図に出てくるYの字型の谷間の1つ、菊坂に住んでいるときに作家としての活動を開始します。しかし書いた小説は売れず、一葉はいったんは小説家になる夢を諦めて、浅草の竜泉に転居して駄菓子屋を始めます。
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