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学食 in 巣鴨 -『巣鴨学食化計画』ニ注目セヨ!-

「すがもプロジェクト」インタビュー企画、連載第 6 回は「学食 in 巣鴨」班です。みなさん、お昼ご飯をいつも近くのコンビニで買っていませんか。たまには風情ある巣鴨の飲食店で、美味しい定食を食べませんか。実は、巣鴨には有名な定食屋さんやお洒落な喫茶店など数多くの飲食店がもあります。大正大学生に巣鴨の飲食店の魅力を広め、『巣鴨学食化計画』を進めようと考えているのが、学食 in 巣鴨班です。
このプロジェクトにおいて、メンバーのみなさんがどのような活動をしているのか、どのような気持ちでその活動に取り組んでいるのか、学食 in 巣鴨班に訊ねました。

学食in巣鴨班 メンバー(2020年春学期時点)
・中野美優(SPS 地域創生学科 3 年 写真右中)
・笠原志穂(臨床心理学科3年 写真左上)
・須藤恵(仏教学科3年 写真左中)
・月岡直貴(表現文化学科3年 写真下)

学食 in 巣鴨って?

−『巣鴨学食化計画』とは、とてもインパクトのある名前ですね。はじめにその『巣鴨学食 化計画』について、詳しく教えてください。

中野:私たちは、大正大学生にとって巣鴨の街一帯を学食のような存在にすることを目指 し、活動しています。大正大学は巣鴨の地にあるにもかかわらず、大学周辺や地蔵通り商店 街の飲食店を利用する学生が少ないと感じています。その理由として、そもそも学生は巣鴨 にあるお店の存在や詳細な情報を知らないのではないかと考えました。実は美味しくてボ リューミーな定食屋さんや古民家風のお洒落な喫茶店など魅力的な飲食店がたくさんあり、 またそれらのお店でテイクアウトができる店が多いのですが・・・。 これらお店の魅力や情報を、まずは学内に広く伝えることで、学生が大学周辺や地蔵通り商 店街の飲食店を利用し、巣鴨の街を存分に楽しめるのではないかと思います。さらに、地蔵 通り商店街に訪れる機会が増えることにより他のお店を利用する機会も増え、商店街の 方々とも自然と関わりを持てるようになります。そうすることで、大学以外で憩いの場所が でき、新たなコミュニティを作り出すことにも繋がる、これが『巣鴨学食化計画』です。学 生なのに行きつけのお店がある、商店街の方々との繋がりがあるって、なんだか自慢したく なりませんか。これらを実現するために私たちは様々な企画を練っています。

−『巣鴨学食化計画』は、学生にとっても商店街の方々にとっても嬉しい企画ですね。では 次に、学食 in 巣鴨班では『巣鴨学食化計画』として具体的にどのような活動をしているの か、教えてください。

月岡:当初、私たちは 2 つの企画を考えていました。まず 1 つ目は、大正大学周辺や地蔵通 り商店街の飲食店マップを作成する企画です。そもそも、学生たちが大学周辺の飲食店の存 在を知らなければ、そこへ行くはずがありません。私たちがお店の営業時間や価格帯、おす すめのメニューなどを調べ、詳細な情報を記載したマップを作り学内に発信します。学生た ちは巣鴨の魅力的な飲食店の存在を知ることで、学外でも昼食を楽しめるようになるので はないかと考え、この企画を提案しました。

笠原:2 つ目は、巣鴨の飲食店の方々に大正大学で移動販売をしてもらう企画です。大正大学ではケバブやクレープなど曜日ごとに違うキッチンカーが来て、昼食に彩りを与えてく れています。このキッチンカーのように巣鴨の飲食店の方々に大正大学で移動販売をしていただけたら、学生は昼食の時間にいつもと違う食事を楽しめることができます。さらに、その飲食店が商店街にあると知ってもらえば巣鴨に足を運ぶきっかけになるのではないかと考えました。

中野:これらの企画を通して、学生が「学食」のように気軽に巣鴨の街を訪れて昼食をとったり、商店街の方々とのつながりを持つことで、新たな発見や交流が生まれてくれたら嬉し いです。

須藤:しかし、新型コロナウイルスの影響で春学期の授業はオンライン化し、学生は大学に 足を運ぶ機会がなくなりました。学生が巣鴨に訪れることが難しくなった今、オンラインを 使って巣鴨のお店を知ってもらうことはできないかと考え、活動をシフトチェンジするこ とにしました。

コロナ禍でも魅力を知ってもらうために

-学生が大学に登校しない中での広報は非常に大変かと思います。オンラインで巣鴨のお店 を知ってもらうとは、具体的にどういうことでしょうか?

笠原:オンラインでのお店紹介を検討中で、その活動として 2 つの企画を考えています。1 つ目は、主に現一年生をターゲットにした動画制作です。この動画制作の目的として、大学 周辺や地蔵通り商店街にある飲食店の認知度向上を目指します。

須藤:動画の内容としては、コロナ禍でも安心して昼食を楽しんでもらえるように、テイク アウトができるお店を中心に紹介していきたいと考えています。この企画は、同じくすがも プロジェクトで活動している、歩こう巣鴨班との共同企画でもあります。歩こう巣鴨班は、学生と地蔵通り商店街を繋げるという目的があり、私たちの活動目的と似ている点がある ため一緒に活動できないかと考えたことがきっかけです。

笠原:2 つ目は、テイクアウトマップの作成です。先ほど紹介した飲食店マップとは異なり、 テイクアウト可能なお店を中心に紹介マップを作成します。このマップがあれば店内での 飲食を避け、大学や自宅、公園などで食事を楽しむことができます。この機会に学生が利用 し美味しいと感じれば、コロナ収束後にも巣鴨に赴きこれらのお店で食事を楽しんでもら えるのではないかと期待しています。

須藤:学食 in 巣鴨班は、全員 3 年生で構成されているので、今年と来年の 2 年をかけて今 回紹介した企画を実行しようと計画しています。すぐ結果は出なくても、今年度は来年度に 繋がるような活動ができればなと思っています。

-感染症対策をしながら気軽に商店街の飲食店を知ることができますね。ではこれらの企画 実現に向けた、今後の具体的な活動計画を教えてください。

月岡:学食 in 巣鴨班で話し合いをしているときに、そもそも私たちが巣鴨の街や地蔵通り 商店街のことをよく知らないということに気付きました。学食 in 巣鴨班である私たちが巣 鴨の街について詳しくなければ、学生に多くの魅力を伝えることができないな、と。

 中野:そこで先程の 2 つのオンライン企画を実現するためにも、秋学期はフィールドワーク を実施する予定です。私たちもコロナ禍で他の学生と同様に大学に通えない生活を送って いるため、今巣鴨の街がどのような状況なのか把握できていません。インターネットで飲食 店の情報を検索しても、通常営業しているのか、営業店でもテイクアウトが可能かといった 情報の掲載がなく、利用したい人が困るのかと感じました。今後はオンラインのみの活動に 加えて、フィールドワークでさまざまな情報を集めたいと考えています。

月岡:フィールドワークを通じて、今まで目を向けていなかった部分を中心に意識的に歩く ことで、大学生活では発見できなかった巣鴨の魅力を見つけられるのではとワクワクして います。さらに、このフィールドワークをきっかけに新たなアイデアが浮かんでくるかもし れません。

学食 in 巣鴨で活動していく想い

−新型コロナウイルスの影響で当初予定していた計画通りに活動ができなくても、現状に適 応した新たな企画を計画し実行しようとする姿に、学食 in 巣鴨班のみなさんのプロジェク トに対する熱い思いを感じました。最後に、なぜみなさんが学食 in 巣鴨班に入ろうと思ったのか、今どのような思いで活動されているのか、教えてください。

笠原:このすがもプロジェクトを主催する『サービスラーニング』の授業を履修した際、学 食 in 巣鴨班の『巣鴨学食化計画」の紹介をきいて、この活動に関わりたいと強く思いまし た。私は食べることが好きで、特に日替わりのキッチンカーがとても楽しみでした。ただ、 学内で昼食を済ませることが多く、学外に足を運ぶことはほとんどありませんでした。学食 in 巣鴨班の活動に加わることによって学外の飲食店を知ることができるので、食べること が好きな私の楽しみが増えました。大学付近の飲食店に興味はあるけど、なかなか踏み出せないという学生はたくさんいる と思います。私もそのうちの一人でした。昼食の時間帯に、テイクアウトのお弁当を持って いる人を見ると、どこで売っているのか気になって仕方がなかったです。私たちがテイクア ウトマップを作ることによって昼食の時間を楽しみに感じる学生が増えるかもしれないと 思うと、とてもやりがいを感じます。また、マップの作成についても、もともとそのような 媒体を作ることに興味があったのでこのチームに入りました。学食 in 巣鴨班の活動を通して大正大学生に巣鴨にあるたくさんの飲食店を知ってもらい、 最終的には私たちが紹介したお店のお弁当を食べている学生で学内をいっぱいにできたら なと思っています!

月岡:私が学食 in 巣鴨班を選んだ理由は、商店街の方々や地域の方々と最も多く関われる と思ったからです。私は、大正大学の鴨台盆踊りを企画・実行する授業を履修していました。 その際に、踊りを教えてくれる地域の踊りサークル「つぼみの会」の方々にお世話になりました。私の祖母と同じくらいの年齢の方々が、気さくにお話をしてくれるのが印象的でし た。盆踊りの歴史や、稽古場のことなど私が知らないことをたくさん教えてくれて、話を聞 くことが好きな私にとっては、その時間がとても楽しかったことを今でも覚えています。また、この学食 in 巣鴨の活動を通して、学生と商店街の飲食店との架け橋になりたいと 思っています。私たちの活動は大正大学生にとって巣鴨の飲食店を学食のような存在にす ることですが、そのためには学生と飲食店の両方のニーズを叶えなければななりません。大正大学生のニーズは私たちの生活からある程度予想することができますが、巣鴨の飲食店 の方々の思いは調査をしなければわからないので、今後は飲食店の方々の意見を積極的に 取り入れて、双方の満足度が高まる企画を準備していきたいです。

須藤:私が学食 in 巣鴨を選んだ理由は、大学周辺の飲食店に詳しくなりたいと思ったから です。笠原さんと一緒で、食べることが好きという理由もありますが、私は学生に限らず多 くの方々に大学周辺の美味しい飲食店を伝えたいという気持ちがあります。昨年、大学で成 道会という仏教行事を開催し、他大学の方、僧侶の方、地域の方など、学外の多くの方々が いらっしゃいました。その際、参加した方から、大学周辺の美味しい飲食店を聞かれること がとても多かったのですが、それに返答できませんでした。大正大学に通っているにもかか わらず正直悔しかったです。なので、学食 in 巣鴨の活動を通して、大学周辺、巣鴨の街の 美味しい飲食店に詳しくなりたいです。また、私はこの学食 in 巣鴨の活動を通して、コロナ禍以前の商店街の活気を取り戻して いきたいと思っています。というのも、インターネットで地蔵通り商店街を検索すると閉店 したお店の情報を目にすることが増え、画面越しに商店街の方々の寂しさが伝わってくる ようでした。私たちの活動で、少しでも以前の商店街の姿に近付けるようにしたいです。

中野:私の所属する地域創生学部では 2 年次に 2 か月間、地域実習を行います。私は昨年の 地域実習で、商店街の活性化プロジェクトに携わりました。その際、私は巣鴨の地蔵通り商 店街の担当になり、今の学食 in 巣鴨班と同じような活動をしていました。この活動内容を 『サービスラーニング』の担当教員である齋藤先生に報告したところ、学食 in 巣鴨班の活 動を勧められました。2 ヶ月の実習期間ではなかなか実践できなかったことも多かったため、 引き続き研究を続けたいと思っていた私にとっては願ったり叶ったりでした。私はこの学食 in 巣鴨班の活動を通して、食の力で大正大学生の学生生活の思い出を豊か にしたいと考えています。私は地元に帰った時に、高校時代の友人と当時通っていた飲食店 に集まることが多いです。高校時代の何気ない1ページが今も確かに私たちの中にはある のです。このように、食は思い出に残り続けると私は考えています。大学生活の昼食の思い 出がコンビニや食堂ばかりでは、少し寂しい気がします。学食 in 巣鴨班の活動に参加して くれた学生には、大学生活の食の思い出を少しでも豊かにしてもらえるように日々努めて いきたいです。

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オンラインで飲食店の魅力を伝え、商店街と学生の架け橋になりたい。『巣鴨学食化計画』 の裏側には、コロナ禍の現在でも熱い思いを持って活動し続けている班員たちの姿がありました。授業がオンライン化し、大学から足が遠のいてしまう今だからこそ、動画やテイクアウトマップで飲食店の魅力を伝えていく。最大限今出来ることを見つけ、試行錯誤を重ねている様子が伝わってきます。お昼時の商店街が多くの学生で活気に溢れる。学生一人ひとりが、商店街にお気に入りの店を見つける。そんな未来の実現に向けて、皆さんも是非この プロジェクトに参加してみてはいかがですか?

記事・山本陸(メディア班ライター)
2020 年 8 月 22 日取材

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