よみがえる江戸の街道! 中山道 種子屋(たねや)街道さんぽ市 ~地域活性化を目指した3つのツアー~
2021年12月18日、東京・巣鴨にある大正大学南門にて、地域活性化に向けた市場「中山道 種子屋(たねや)街道さんぽ市」(以下:「さんぽ市」)が開催されました。当日南門広場には、江戸時代にこの地域で育てられたと言われる、かぶやネギ、大根と言った江戸野菜や、それらを使って調理したメニューで出店していました。その他にも、さざえ堂の御朱印浄書やNPO法人である銀座ミツバチプロジェクトのはちみつの販売など、幅広くブースが並んでいました。
また、大阪にある追手門学院大学の学生もブースを構え、茨木市と姉妹都市小豆島町とコラボして開発した「しそとことん」という赤しそのビールを販売していました。追手門学院大学の学生はさんぽ市と並行し、地域活性化に向けた情報共有として、3つのツアーを巡りました。
今回の記事では、追手門学院大学の学生と巡った種子屋街道ツアーについてまとめました。
学生主体に企画した巣鴨の建造物を巡るツアー
1つ目のツアーでは、滝川神社や稲荷湯、トキハソースなど、巣鴨の歴史ある建造物を解説付きで回りました。このツアーは、Locatoneというアプリを活用して行われました。既定のQRコードをスマートフォンのカメラで読み取ると、ツアーを開始することができます。そうすると、博士と学生2人の声が聞こえてきます。その後、アプリに表示されているマップのポイント地点に到達すると、2人の解説が自動的にスマホから流れる仕組みになっております。声優を目指す大正大学の学生がVRのレコーディングを担当し、すがもプロジェクトの南門活用班が案内をした学生発のツアーです。
このツアーは、コロナ禍でも実践可能なツアーとなっており、1人でもスマートフォン1つで、巣鴨の歴史を歩きながら学ぶことができます。今回は大正大学からのスタートでしたが、通常はどこから巡っても解説を楽しめます。今はまだ試作段階となっておりますが、いずれ誰でも体験できる日が来るのが楽しみですね!
お坊さん自らが解説! さざえ堂ツアー
続いてはさざえ堂案内ツアーです。大正大学名所のさざえ堂を、大正大学仏教学部仏教学科宗学コースに所属する園部豊大さんが解説を交えて案内してくれました。
さざえ堂の入り口にあるしおりにはおみくじも同封されており、追手門学院大学の学生はおみくじで大吉が出たと喜んでいました。二重らせん構造の階段の壁には、サンスクリット語で般若心経が書かれていました。写真撮影NGで撮れなかったため、ぜひさざえ堂に行ってその文字を確認してみてください🤩
このツアーの最後では、園部さんが特別に観音様の前で実際の般若心経のお経を披露してくれました! 普段あまり聞けないお経を間近で聞けて感激です! 仏教学科がある大正大学ならではの体験ができました。
大正大学の野菜をご紹介! キャンパス農園ツアー
次は、すがもプロジェクトのキャンパス農園班が大正大学で育てている野菜を紹介するツアーです。キャンパス農園班の方々が農園5か所を、写真やパネルを使って説明し、案内してくださいました。
農園は、大正大学内のデッドスペースにて作られています。既定の時間に水が放出される仕組みになっており、水やりの手間を省いるとのこと。これに追手門学院大学の学生たちも興味津々に話を聞いておりました。
最後には、法性寺ネギという江戸野菜の収穫体験もがありました! 案内をしてくれたのは、この法性寺ネギを実家で育てている私達メディア班の野田さん。お疲れ様です!
収穫体験に参加したのは追手門学院大学の学生さん2人と追手門学院の先生の3人。収穫後3人で記念撮影をしておりとても仲がよさそうでした。楽しい雰囲気につられて、私も楽しくなりました!
最後はゆったりと巣鴨地蔵通り商店街巡り!!
最後には、追手門学院大学の学生達と巣鴨の商店街を堪能しました。ルートは大正大学から巣鴨地蔵通り商店街を往復するぶらり旅となりました。特に目についたのは商店街にあるとげぬき地蔵尊。常香炉の煙を頭から浴びて学業成就を祈る人が多くいました。
さらに、赤パンツのお店が多いことに追手門学院大学の学生達も驚きと笑いがこぼれていました。また、各地の観光名物を売っているガモールマルシェに立ち寄り、特産品をじっくり見て回りました。帰りには先生が学生の要望で団子を買ってあげる様子も・・・。私も美味しくいただきました。
全てのツアーを終えた学生の反応
今回のマルシェでは、普段の観光やでは決して味わえない、巣鴨の歴史を体感できるツアーを経験できました。その体験を通じて、追手門学院の学生に感想を聞いてみました。
「普段東京に来てもなかなか訪問しないところに行けたので、とても貴重な体験でした。」
「仏教の大学として、しっかりしたお堂も立っててお祈りもできるのは素敵だなあと思いました。」
と、巣鴨と大正大学ならではの良さを感じてもらえたようでした。また、商店街の印象を聞くと、「シャッターが閉まっているお店が少ない」と、商店街の活気の良さに驚く声も上がりました。
今回のマルシェでは、物販や体験ツアーだけでなく、他地域の学生達に評価してもらうことで、たくさんの魅力と課題が見つかりました。今、巣鴨は“おじいちゃんおばあちゃんの街“に加えて、”若者も来たいと思える街”と言われるような街づくりをしています。その目標が達成できるよう、大正大学も巣鴨の地域活性化に力を注いでいます。今後、歴史を残しながら更に発展を遂げていく巣鴨の成長を見れることに期待しています。
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撮影・ライタープロフィール
大正大学心理社会学部臨床心理学科 2年
青木 智美(あおき ともみ)
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