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音楽堂への夢:第一章~私のなぜ?~

はじめに

前回ひろせさんから問われた質問に対して、「なぜ私は、私自身が音楽堂を造りたいのか」と「客観的な理由」を考え巡らせました。

そうして考え抜いた理由は二つ見つける事が出来ました。今回はこの二つの理由について発信していきます。

以下は全て私の客観的な見聞になりますので、誤解を招く表現があるかもしれません。予めご了承ください。

香川県について

はじめに私が住んでいる香川県についてお話します。ご存知の方も多いと思いますが、香川県は日本で最も小さい県でありながら、瀬戸内海や四国山地といった美しい自然があり、本州とは瀬戸大橋という橋で結ばれ鉄道でも容易に行き来する事が出来ます。

小さい県の中だからこそ、僅かな距離で沢山の素晴らしい名所や名産が容易に観れたり手に入る事が出来るメリットがあります。

その様なメリットもある為か、香川県は日本、そして世界から注目されつつあります。トリップアドバイザーの「今後注目の観光地ランキング世界トップ25」fromトラベラーズチョイス ベスト・オブ・ザ・ベスト2020年度のランキングに香川県高松市が17位という結果が出ました。

https://tabi-labo.com/294251/wt-tripadvisor-travelerschoice

特に近年では瀬戸内国際芸術祭高松国際ピアノコンクールといった世界的なアートイベントが3年に一度催され、私はまさに香川県の土地全体が芸術の街として表しているのだと思います。

香川県の音楽を行うホールや会場は小規模から大規模なもの、更には野外の会場まで合わせて数多くあり、クラシックコンサートやイベント、音楽フェスも数多く行われています。

どれも素敵で素晴らしいイベントが数多くあり、商店街の街中でもクラシックのコンサートが開かれています。

会場と主催

芸術が日常の中にある香川県、ホールも会場も沢山ある香川県…音楽堂なんて今更?なんであなたがするの?

上記は恐らく必ず誰かから突っ込まれる言葉だと思います。私もその通りだと思います。

それでも私がやりたい客観的な理由…導き出したのは”人とのふれあい”についてでした。

沢山あるホールを借りるにも練習室を借りるにもピンからキリまでの値段が存在し、安価で借りられる所もあります。

こうした行政でのホールで練習室を借りての練習や音楽イベント、演者やお客様の間のふれあいは存在するでしょう。しかしホールや練習場所にとってのふれあいは?

行政が運営するホールや練習室の多くは賃金を支払った上での会場提供が殆どであると思います。当たり前の仕組みですよね。

例えばコンサートは会場は~ホールであっても、主催は~合唱団、吹奏楽団、オーケストラ、実行委員会等とチラシやポスターに書かれています。「会場は素晴らしい場所を提供し、主催は素晴らしい音楽をお客様に提供する」このサイクルも当たり前の仕組みです。

しかしこうした当たり前のサイクルをもう少し踏み込んだものにすれば、より素晴らしい相乗効果が生まれるのではないか?と思いました。上記は一件として連携しているように見えますが、私は主催と会場が別であるような気がしてならないのです。

主宰側は勿論素晴らしい音楽を提供するための努力をしていますが、会場側も素晴らしい音楽を提供するための主催はもとより、会場が存在する地域等の連携を今より強化すれば双方により素晴らしい音楽が生まれると思います。

その為に必要なものは”ふれあい”だと思います。

答えは海の向こう側

誤解を招く表現であったかもしれませんが、決して行政のホール全てが全く連携を強化せず、人とのふれあいをしないと言っている訳ではありません行政の運営するホールでも、地域との連携や人々との触れ合いを図ろうとする取り組みを行っている所も全国には沢山存在します

では私はなぜ個人で音楽堂を造りたいと思ったのか?自らふれあいを造りだしたいその理由とは?

その答えは海の向こうにある対岸の岡山県にありました。

岡山県には行政が運営するホールとは別に、個人が経営する音楽カフェや音楽サロンが多く存在しています。

例を幾つか挙げると…

①山の中にある古民家をリノベーションしての音楽カフェ。グランドピアノやオーディオレコードを設置し近隣住民から近県に住まわれる方々へのレコード鑑賞会やコンサートを定期的に実施。

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②瀬戸内海が見える高台にある築140年近い取り壊されそうになった蔵をリノベーションしての音楽カフェ。レコードやピアノを常設し、レコードを流しながらの食事を楽しむ事が出来る。

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③別地区にあった旧家の蔵を別場所に移築して音楽ホールへと設計し直し、新たに音楽サロンへと生まれ変わる。定期的に歌う会やコンサートを開いている。

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④瀬戸内海に見える高台にある名曲喫茶。内装もアンティーク調であり、聴かなり寄贈してもらったクラシックレコード・CDをBGMとして流している。

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これら4か所は岡山県内ではありますが、50キロ以内に位置しています。香川県にはこうした音楽カフェ、音楽サロンがまだまだ少ない状況です。

別々の場所にあり、趣もそれぞれの音楽カフェ・サロンですが、共通している事があります。

それは来ているお客様が「ここは素敵な場所、また来たい」と思っている事、そして地域の人達に何より愛されている場所である事でした。

そして音楽にあまり触れた事のない人達が音楽に興味を持ってくれる場所でもありました。

これこそ個人が運営するメリットであると思います。

私自身が実際のお客としてそれぞれの場所を訪れて感じた思いであり、私自身がこの様な場所を造りたいと思う様になりました。

会場も主催も観客も全て取り込んだ”ふれあい”を生み出し地域に根差した音楽堂を、個人が運営する音楽カフェ・サロンが少ない香川県に浸透していく事が私自身が音楽堂を運営したいと思える一つの客観的理由です。

”場所”を造る事の必要性

もう一つ音楽堂という”場所”を造りたい理由があります。

私は現在障害者の施設で働いていますが、ある利用者の方で自閉症でありながらもピアノ演奏はとても上手い方がいます。その方が発表する機会を持つ事を考えさせられた事があります。

仕事とは別に音楽療法のボランティアで障害を持つ方のステージを手伝った事もあり、一概に舞台を造る事はなかなか困難な事もありました。

その様な経験から私は「音楽を行っていても何かの理由で披露する機会が少ない、もしくは全くない人が沢山いるかもしれない。その様な人達に対して”場所”を造る事が必要なんだ」と思いました。

様々な負担や障害を気にせずに気軽に音楽を楽しむ”場所”を造る事、それが結果として上記の”ふれあい”に繋がってくると思います。

それがもう一つの私が目指すべき音楽堂の形であり、もう一つの客観的理由です。

おわりに

”音楽堂”を造る事、”人と地域を音楽によって繋げる事”…どちらが目的であり、どちらが手段なのか、ひろせさんからはこの様にも問われました。

大切なのは目的であり手段はいくらでもあると教えられました。

上記の客観的な理由を探った結果として、私にとっての目的は”人と地域を音楽によって繋げる事”でありそのための手段の一つとして”音楽堂”という”場所”を造る事という考えに至りました。

長々となりましたが、実際にこうして書き出したことによって、ブラッシュアップできたと思います。

次回は音楽堂に向けて何を行っていきたいかについて発信できたらと思います。

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