35.invert 城塚翡翠倒叙集(相沢沙呼) 感想・考察

相沢沙呼さんの『invert 城塚翡翠倒叙集』をよみました。
『medium 霊媒探偵城塚翡翠』の続編にあたるものです。
1作目が大変面白かったため、2作目もすぐ購入しました。
正直1作目の展開から、2作目書くの難しいだろっておもうところもありますが。。。
城塚翡翠倒叙集って何やら漢字が並んでいますが、城塚翡翠が探偵の倒叙集ということなのですが、
倒叙(とうじょ)というのは犯人側の視点って意味らしいです。
古畑任三郎みたいなものかという雑感。
invertは反転という意味。
犯人側の視点だから反転という言葉なのか、それ以上の言葉があるのか。
それとも前作のmediumu(媒体)からの反転なのか。
前作の出来の良さから期待値があがっています。

こっからネタバレ
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流石に出来が良い。
相沢沙呼さんは日常の謎というジャンルが得意らしいですが、犯人が残した微かな痕跡
why done it(なぜおこなったか)
の部分を突き詰めるのが上手いと思いました。
how done itとwho done itの部分は明らかだしね。

警察の最新の科学捜査を欺き、自殺に見せかける様々な手口を犯人を揺さぶって明らかにしていく様は緊張感ありました。
犯人側視点なのに、アリバイや証拠がちょっとずつ明らかになっていく様はこれまでにないミステリー小説でした。
城塚翡翠側が名探偵すぎて、犯人が小物に見えてしまうのですが、
犯人側の警察の捜査を欺く工作も見ていて面白い。
これまでのミステリー小説ってクローズドサークルで誰が犯人かわからない!っていうのがほとんどだったけど
警察が捜査してもわからないものを、探偵が解いていくというのが科学捜査の知見増えて楽しい。

「信用ならない目撃者」で、どうせ涼見梓は知和崎真が入れ替わっているんだろうなと思ってたんだけど、城塚翡翠のほうでした。
涼見梓が都合よい女すぎて、ここらへんは正直予想できた。

正直、1作目が衝撃的過ぎて、それを上回るできだったかと言うとそうでもないのですが
十分面白い小説でした。

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