前回こちらの記事で
「ストーリーが過度なドーパミンに依存する危険性」についてお話しました。今回は続きを書こうと思います。
今回はどうやってドーパミンに依存することなく物語を作るのか、についてお話します。
この記事はこんな方向けの記事です。
▶物語オタクの方
▶物語オタクの頭の中を覗きたい方
オキシトシンとは何か?
今回も『樺沢紫苑』先生の著書「精神科医が見つけた3つの幸福」からインスピレーションを得たお話をします。
前回、人間の幸福を司る三大幸福ホルモンのうち、ドーパミンのお話をしました。
今回は『オキシトシン』の話です。
『他者との交流によって感じる幸せ』です。
最後のひとつの幸福ホルモンは「セロトニン」という健康によって感じるホルモンです。
このオキシトシンとセロトニンは相互作用によって非常に健全な幸せを供給してくれます。
ではドーパミンは?答えがこちらです。
もっとも大きな違いです。
実生活同様、物語においてドーパミンに依存せずに幸福感を与えるためには、
オキシトシンを分泌させることが重要になってきます。
個人的な所感ですが、現代は「オキシトシン不足」に陥った経験がある若者が多いのではないかと思います。
コロナ禍を学生時代に経験し、人間関係の希薄さや孤独を味わった方が多いのではと思います。
それを物語で埋めたいという心理を持つオーディエンスが多いのではないかという仮説も立ちます。
物語におけるオキシトシンの役割
感情的絆と共感の創出
読者との深いつながりの構築方法
オキシトシンを活用した物語
葬送のフリーレン
最近の作品でオキシトシンを最も上手に活用している作品の代表例は
「葬送のフリーレン」ではないかと思います。
長い間大切な人と会わず、相手が老いてしまい、なんでもっと会っておかなかったんだろう、と後悔する。これは人間一度は経験するのではないでしょうか。ここに共感が生まれます。長寿のエルフという設定を非常に上手く利用していますよね。
他にもキャラクターの成長や温かい触れ合い、ほのぼのしたやりとりなど、
この時代にこの作品が覇権を握っていると言っても過言ではないくらい人気なのも納得なくらい「オキシトシン」が出る作品だと思います。
上記の「読者との深いつながりの構築方法」を非常に上手く使いこなしている作品ですね。
さらに、ほどよい戦闘シーンでドーパミンも出ます。意外と戦闘シーンがお気に入りというオーディエンスも多いですよねこの作品。
では、オキシトシンの重要性の話はここまでです。
次回は、葬送のフリーレンを題材とし、ドーパミン・オキシトシンを定量化し、物語づくりに活かす試みのお話をしようと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!