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50代・行政書士副業開業の記録(49)~氷河期・ブラック企業列伝①~

12月も後半。特に忙しくなくても少しソワソワしてしまうところがある。おかげさまで少しずつではあるが副業の依頼がある。儲かっているとはとてもいえないが、長い目で見ればつながっていく可能性はある。バイトと違って蓄積がある感覚が持てるのがよい。またどこかで書きます。

さて、氷河期世代(96年卒)と言われる我々の就職・転職活動はなかなか笑える(笑えない)点が多く、いまの20代の方々には全く理解できないと思われる。記憶のあるうちにバカバカしい面も含めて記しておきたい。

まずは大手学習塾。経済的苦境をある程度覚悟の上京・進学であったため、やむを得ないのだが、大学1年生の5月から集団塾で週5で勤務してしまった。しかも4年間。もうこれで詰んでいる。よく卒業できたものだ。授業準備(無給)に加え、電話かけ・居残り補習・保護者会の運営、オイオイどこまでやらせんだ。いま思えば「やりがい詐欺」にあたるのだろう。いまでも塾業界は似たようなものかもしれないが、「生徒のため」という言葉を錦の御旗にしたてて、ありとあらゆることを押し付ける面はなかなかすごい。
現在は公立学校のブラックさが明確になり、教師の志願倍率がとても低いそうだが、当時は教員採用試験は地域にもよるが、軒並み10倍以上の高倍率。かなり優秀な人でも正規採用されず、塾に流れてくるひともいた。コネ採用が横行しているとも聞き、いたたまれない気分になった。
たしか1校舎に生徒が300名以上いるのに正社員は2から3名しかいなかった。胃に穴が開く、1か月休みなし、突然バックレるなど、なかなかなブラックであった。我々時間講師もそこそこ「洗脳」されていたため、変にやりがいを持ち、だんだん世間のレールから外れていく。それをカッコよく思ってしまうこともあったのだからタチが悪い。
当時は生徒の人数も多く、儲かる人(上層部)は大いに儲かったのだろう。いまは子どもの人口は激減。塾講師は35歳ぐらいが定年と当時は思っていたが、通塾率の向上と大学全入時代となったため、個別指導・映像授業など時代による変化を伴いながら、意外に塾業界は持ちこたえている。

ブラック企業の要素はいくつかあるが、「休めない」ことが第一であろう。休めないことで余裕がないため転職活動・勉強など次への準備もできず、最悪の場合は心身にダメージをもったまま離職してしまう。受けられるはずの雇用保険の知識もない。いまは若い人を中心に、そんな会社をすぐに辞めるのは普通になったが、とてもよいことだと思う。「人手不足」といいつつ、いままでなかなか辞めないから会社も甘えてきたわけだ。
「退職代行」などは我々の世代からは考えにくい(せめて辞めるときぐらい文句を言いたくなるとも思う)ことであるが、最低限のコミュニケーションすらとれない会社(上司)の情けなさが、あぶりだされるようで痛快である。そんな会社はどんどん淘汰されればよい。

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