50代・行政書士副業開業の記録(39)~氷河期世代について~
もう10月である。ようやく涼しくなってきたが雨も多い。
本業のかたわら、少ないが実務をこなしている。出られる研修は参加し、書士会系の人と会うようにしている。いまできることをするだけである。
最近は講座についての備忘録ばかりで、少々飽きてきたので、働くことについて書いてみる。いくらか昔語りになります。
よく就職氷河期とか氷河期世代だとかということばを聞く。1993~2005年あたりに社会に出た世代ということで、96年卒の私はピタリ当てはまることになる。第二次ベビーブーム世代で受験も厳しい割に報われないという文脈で語られることが多い。
ネット、you tubeなどでは、ほとんどあきらめに近いコメントも多く、その前の団塊世代、バブル世代や、その後のゆとり世代と比べても損ばかりしているという表現を多く見かける。
たしかにいま考えると、受験の倍率はすごかった。特に私大の難化ははすさまじく、結構優秀な知人((上位層が私立中学で抜けていない)地方の公立中学校で上位10%)が一浪して日東駒専なんてことはよくあった。行政書士の世界でもいま40代でバリバリ活躍されている先生の中には、大変失礼ながら、有名大卒でない方も結構いらっしゃる。新卒主義の日本の就活でうまくいかなかったものの、その後の努力で稼ぐ力を実に着けた方々である。行政書士は中途半端な資格のため(これホント)、ビジネス力がないと稼げないので、そういう意味では実力次第(厳しいが)よい資格ともいえる。当時と比べたら、いまの大学受験生は多くがお客様である。競争があるのはほんの一部である。
新卒の就活はほとんどしていないので実感がないというのが本当のところ。もともと経済的に無理のある上京で、バイトばかりしており、授業と運動部でヘトヘトになっており、このまま働きつづけたら精神的にもたないと本気で思ったからだ。いまでも卒業できない夢をみることがある。断っておくが、うちの家庭環境で上京・進学させてもらったことには感謝しかない。このことはまたどこかで述べます。一年間初めての業界である飲食店でバイトした後、塾に就職した。
私を含め新卒就職をしなかった(できなかった)者の弱点として、社会人の最初にまともな研修を受けていないことがある。おかげで転職の際にトンチンカンな思いをすることになる。最低限のビジネスマナーや組織としての考え方、顧客や取引先との関係、社会保険など。1~3年ぐらいで身に着けて転職すればよかったなというのはある。
その塾には結局8年もいた。給料は安いが、割と自由にやらせてくれたので苦痛はそれほどなかった。今でも付き合いのある方もいる。仕事に慣れてからは数年間、在職しながら転職活動をしたが、確かに氷河期を実感することがあった。求人情報において、聞いたこともなく、規模も小さいが、少しまともに見える会社に行くと、大勢の人数が押し寄せているのである。担当者もうれしそうなのだが、大変強気で、本当に採る気はあまりなさそう。話を聞いていると100人以上の応募者がいて、採るのは1~2名らしい。中途採用ですよ。しょうもない零細塾である私の会社にさえも、いったん募集をかけると一流大学をはじめとする大量の応募者があったのだ。ウチに来たらダメだよ。育てられません。まさに隔世の感。そんなことを思い出す。
その後、2006年に転職することになる。あのG派遣会社である。直後に、日雇い派遣が社会問題化したことで記憶にある人もいるであろう。また次回以降で記します。ここまでお読みいただきありがとうございます。