ガガガと響く月曜の朝
朝。ひと通りのルーチンを終え、熱いお茶を啜りながらぼけえっとTwitterを眺めていたのだが、タイムラインにふと流れてきた「ラヴィット!」という朝番組関連の呟きが目に入るやいなやその内容に声が出てしまった。
なんと、ガガガSPが出演するとのことである。
この番組、出演しているタレントや芸人さん或いはスタッフの世代ドンピシャというのが大きいのか、サンボマスター、ロードオブメジャー、FLOW、ザ・マスミサイル…といった、いわゆる「青春パンク」の畑の人たちがしばしば出演しているという事で、フォロワー間で話題になったり、個人的にもそのあたりの音楽が好きなのもあり何かと気になっていて、この流れで行くといつかガガガSPや銀杏BOYZも出演するのでは…などと思っていたのだが、まさかこんなに早く実現するとは。
この後すぐ!、と書いてある投稿は1分前。これはまだ間に合うと踏み、あわてて病室から出て急ぎ足でロビーの巨大テレビを目指す。テレビを見ていた他の患者さんに少しだけ…!と頼み込み、チャンネルを変えさせてもらう。ちょうどCM明け。間に合った。
ボーカルであるコザックさんのMC。短いながらもやはり胸にグッと迫るものがある。彼のMCや歌詞はもちろん、インタビュー、ブログやTwitterはいつも人間くささがあり、言葉も文章も人柄も人生も大好きで、ぼくのあこがれのロック・ヒーローのひとりだ。
そして聴き馴染みのあるイントロで始まったのは、「線香花火」。ガガガSPの代表曲のひとつでもあり、夏の名曲でもある。
ぼく自身も大好きな曲のひとつで、思い入れもあるし、まさかこんな時にこんな場所で大好きなバンドの大好きな曲を耳にし、姿まで見る事が出来るとは……と思うと、色々なものが込み上げそのうち泣いてしまった。
彼らが披露している後ろで、あばれる君が昂った気持ちを爆発せんと限りに全身でまさに暴れている。わかる。ガガガSPの音楽を聴いていると、そうなってしまうのだ。
ラスサビ前、コザックさんがあばれる君の手を引き、ふたりでセンターへ。
そして印象深い、泣きのラスサビを熱唱するあばれる君の歌詞が正確でないのがまた彼の感情の昂りを思わせる。コザックさんの隣で狂喜乱舞する姿はもはやファンの代弁者だ。
こうして「線香花火」はガガガと響き渡る音と共に、月曜の朝の日本中を見事に照らししめたのである。
あばれる君もガガガSPもスタジオもこの路地の向こうにいるあの娘もあいつも真夜中の恋人もしみったれたやつらも京子ちゃんも書き込み男と自画撮り女も梅男も弱男も塩男も、そして病棟でひとりラヴィット!を観ていたぼくをも。
冷めやらぬ興奮で、ぼくはそれから一日中「線香花火」を聴いては、曲に染み付いている花火の残り香のごとき思い出や記憶を掘り起こしたりして、それがいいのか悪いのかはわからないけれども、確かにとても気分はいいものだ、とすっかりぬるくなったお茶を一気に飲み干した。
ラヴィット!、ガガガSP、そしてあばれる君に感謝したい。ありがとうございました。
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