消灯も半ばを過ぎて

今日はなんも書かずに寝ようと思ったけど書く。
ついさっき、地元では有名なラブホテルの閉店を知って、割と衝撃を受けた。変な話、そこにいつかチェック・インする事を夢見ていたからだ。とうとうそれが叶わなかった。
ラブホの閉店で時の流れを感ずる人生。まあそれも悪くは無いと思う。
アーメン・ザーメン・メリーチェイン。
閉店によせて、ぼくは真面目にこの言葉を送りたい。

今日も今日とて、一日鬱鬱していた。
朝ごはんをすまし、ロビーの端っこでぼうっとしてたら、職員が声をかけてくださった。雑談してたら趣味やら音楽の話に広がる。話を聞くと、どうやら熱烈なあいみょんのファンらしい。熱意に畏敬の念を抱く。しばしの歓談。好きなものがあるって素晴らしいことだ、と改めて思う。
午後、太宰治の「走れメロス」文庫本を読む。「貧の意地」の一説にひどく自分を重ね頷きながら読む。「カチカチ山」の現代の男女関係にも通ずるもつれ噺におののく。
ちょうど読み切った頃に問診へ呼ばれる。30分くらい話し込んで、なんだかよくわからなくなる。そこから夕ごはん時までロビーでずっと考え込む。17時くらいに雨がやみ陽がさす。束の間の晴れ間。より外が恋しくなる。缶ビール片手に散歩するのによい季節である。
おれはいったいどうしてこんなとこにいるのだろう、と思い一瞬ひどく落ち込む。頑張らねばならぬ。「自愛、人間これを忘れてはいかん。」先ほど読んだ本にあった言葉を思い出す。頑張らねばならぬ。
夕ごはんをさっとすまし、また所在無く病棟をうろうろする。その内に辛気臭い気分になり、ロビーの端に避難する。
Twitterをスクロールする。みんな今日も一日頑張っていたようだ。みんなのいつも通りの呟きが心を落ちつかせる。
なんとなくリア垢の方を開いたら、DMに久しぶりの人からメッセージ。その中にもまたたいそう懐かしき人の名前。ぜひお会いしたかったのだがこんな身のために泣く泣くことわる。すいません。また誘ってください。
つくづく自分の人生においてのタイミングと運の悪さを思い呪う。
こんな時に限って”とんでもない知人から連絡が来たり”する。
これはこれで「その日の天使」なのでありがたいのだが、せっかくなら人生ね調子のいい時にこういう出来事が舞い込んでほしいもんである。
なんか色んな事が同時に来たので少しだけ興奮している。この1時間で白湯3杯ほど飲んでる。
もうすぐ消灯。寝られるだろうか。
明日から6月である。物憂げな雨に打たれる季節だ。はやく退院したい。焦り。焦った先には何があるのか。僕の後ろに道はできるのだ。童貞ならぬ道程。
なんだか、入院してからというもの頭からへんなアドレナリンが出ている気がする。
手持ちの花火がしたい気分である。線香花火大会。イヤホンで夏の曲が聞きたい。
明日はなんかいいことあればいいな。

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