124号室通信:最終号
退院前夜である。
2ヶ月と1週間の初・入院生活だった。
その様子はnoteやTwitterでことごとく書いてきたので深く振り返りもしないけれど、ささやかながら色々な出来事があったし、色んな人とも出会ったし、色々なことを考えたりした。
最後の日といっても別に特別なことがあるわけでもないし、おれも特別なことをする気はない。特別な感情を抱くことだって特にはない。
ご飯を食べて、薬を飲んで、スマホを眺めたり本を読んだり中庭にでたり何かを描(書)いてみたり人と話したりして、水や白湯を飲んだりして、いつものとおり時間に身を任せるんである。あとは21時の消灯時間になれば眠るのみだ。今もベッドの上で音楽を聴きながらこれを書いている。因みに今聴いてるのはvaundy「怪獣の花唄」。双子の兄から勧められて聴いてみたのだけれど、これがとても良くて以来よく聴いている。
きっとこれから先、この曲を耳にする度にこの日々を思い出すんだろうな、とふと思う。なんなら入院中に初めて聴いた音楽や初めて読んだ本すべてがそうなるのは間違いない。
今日読んでいた本の中の主人公の台詞に、ページをめくる手を止め、何度も反芻したのちメモ帳に打ち込んでしばらく眺めては入院生活の最後にこの言葉に出会った意味を考えた。まあ深い意味なんてのは無いのかもしれないが。けれども、自分の琴線に触れる言葉にこうして出会えて良かったのは確かだ。
本を読み終えて、中庭に出てやはり色々なことを考えていたら、おれの恥だらけの人生に対して「映画とか本にできそう」なんて泣きたくなるほど嬉しかったいつかの言葉とそれをくれた人の事をふと思い出した。
いつかこの入院生活も映画や本になるくらいネタに或いは思い出にできる、そんな日が来るのだろうか。
あ、最後の夕食は鰻ちらし寿司でした。先行き良し、と思ったら丑の日にちなんでだったか。先が思いやられる。
追記:
「台風クラブ」リバイバル上映
「ぬいぐるみとしゃべるひとはやさしい」
「爆竜戦隊アバレンジャー20th 許されざるアバレ」
が観たい。ぜんぶ高知でやるかわからんけど。
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