「もしも君が泣くならば、僕も泣く。」と。
銀杏BOYZで一番好きな曲は?と聞かれたら「もしも君が泣くならば」だ。
究極のラブソングだと思う。ずるいようだが、ぼくにはそういう曲がいくつもある。
10年前、初めてこの曲を聴いた時の衝撃を今でも憶えている。割れるような、聴く人を激しく揺らすメロディー。そしてそれに振り落とされまいとばかりにしがみついてる歌詞。バカ正直で恥ずかしい言葉が並ぶ。でもそれは本当に思っていないと書けないような赤裸々で飾りのないまんますぎる言葉。
ブルーハーツに負けないくらいにこんなにストレートに思いをぶちまけるバンドがいたとは、とぼくは思ったし、何より、この曲はずっとぼくが誰かに恋心を抱いている時の心持ちそのままだった。だから終始涙が止まらなかったし、胸を掻きむしるくらいの高鳴りを感じたし、「分かってくれる」という救いのような、有り難さというか、そういうものを垣間見た。
こう書くと宗教の信者の声みたいだが、よく言われているように、音楽は宗教みたいなもんである。「飲みの席で野球と政治と宗教の話をしてはいけない」とも言われるが、音楽もそれな気がする。
アルバムにおいて「駆け抜けて性春」と「BABY BABY」を繋いでいるのも最高だ。
あまりに美しいその流れに、ぼくはかつて「銀杏三部作」と呼んでいた事もあった。「光と闇の〜」「恋とロックの〜」が登場してからは呼ばなくなったが。今でも銀杏(基はゴイステだが)の三部作はこれこそが、だと信じてやまない。
この曲を一度だけライブで聴けたことがある。嬉しかった。死ぬかと思った。実際涙と鼻水でブッサイクな顔を余計ブッッッサイクにしながら拳を振り上げたんである。
『成仏』という言葉があるが、多分あんな感じなんだろう。
またいつか生で聴けたら嬉しい限りだが。
病室のベッドでシーツにくるまってこの曲を聴いていたらたまらなくなったので、この曲の素晴らしさについて書きなぐってみる。
もちろん、ゴイステの「MY SOULFUL HEART BEAT MAKES ME SING MY SOUL MUSIC」「もしも君が泣くならば」も大好きだ。
銀杏BOYZを知らない君も、「BABY BABY」なら知ってる君も、もしも「この人の為なら死ねる」と思えるような相手が、恋愛でも友情でも家族でも次元が違ってもいるならば聴いてみてはいかがだろうか。
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