あるアーティストが残したもの、それを受け継ぐこと
こんにちは、アーツトンネルのタカキです。僕は2024年で39歳になります。
人生100年時代と言われていますが、全員が100歳まで生きることはできません。当然のことですが。
「命は大切」「人生は一度きり」これらのことは、誰しも理解していることだと思います。しかし、人は理解している大事なことを、いつの間にか忘れてしまうのです。
大事なことを大事にすること
田川市出身の毛利さんは、田川市で暮らしながら、アーティストとして活動しつつ、絵画教室で地域の人たちに絵を教えたり、artとともに暮らしていました。
その活動は、筑豊地域のアーティストを取材する西日本新聞の連載記事「情熱の磁場」でも取り上げられました。
しかし、その連載記事は終了し、その記事を読むことができたインターネットサイトも閉鎖してしまっています。
そして、昨年、毛利さんは、ガンでお亡くなりになってしまったのです。私たちは光を照らすartの一人を失ってしまいました。
私たちは毛利さんのartを知ることができなくなってしまったのです。
テレビ出演の反響
先日、NHKで放送された田川地域を紹介する番組で、私たちの活動拠点である廃校利活用施設いいかねPaletteとその周りの人たちが紹介されました。
その中で、アーツトンネルの活動を紹介する機会をいただき、代表のサドシマが、私たちの活動や想いをお話させていただきました。
色々と反響を頂いたのですが、最近、その番組を偶然見ていた毛利さんの奥様から「夫の画材を使ってほしい」と連絡を受けたのです。
サドシマは、田川市美術館で教育普及担当として働いていた時に、毛利さんと奥様と出会い、西日本新聞の「情熱の磁場」でも、毛利さんを取材していました。
あるアーティストの生活
毛利さんのお家には、沢山の作品が飾られていました。
そして、そのお家自体も、毛利さんが奥様と二人でリノベーションしたのだそうです。
作品のようなお家と、そのお家の中にある作品たち。
作品は絵だけにとどまらず、アトリエの中には様々な素材を使い、様々な表現を用いた作品がいたるところにありました。
画材はずこうしゃにお譲りいただくことに
筆や絵の具など様々な画材がありましたが、アーツトンネルで活用することはほとんどないため、サドシマの個人事業であるずこうしゃがもらいうけることになりました。
ずこうしゃでは、子どもたちの表現の種を育てる活動をしています。
おそらくこの活動は、筑豊地域の未来に光を照らすことに繋がっていくことでしょう。
毛利さんから繋がったartが、子どもたちを通じて、未来に繋がっていく。きっと、毛利さんもあたたかく見守っていただけると思っています。
大事なことを大事にすること
人は理解している大事なことを、いつの間にか忘れてしまいます。忘れないようにすることは難しいことです。
それは、懸命に生きているからです。誰しも、目の前のことに追われたり、目標を追いかけたりして、日々を懸命に生きています。
なので、「忘れること」はある意味で、仕方がないのかもしれないと、僕は思います。
だからこそ、人は残すべきだし、思い出すべきだとも思います。何度でも思い出せばいいのだと、僕は思うのです。
これからもアーツトンネルは筑豊地域に光を照らすべく、活動していきますが、大事なことを何度でも思い出しながら、続けていきたいなと思っています。