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アメリカ建国前からある黒人への人種差別の歴史①

5月25日、アメリカのミネソタ州で白人警官がアフリカ系アメリカ人男性の首を圧迫して死なせた事件をきっけかにその抗議活動人種差別に対するデモが全米、そして世界に広がっています。

日本のインスタやTwitterでも #BlackLivesMatter というハッシュタグで多くの人がこのデモに賛同しています。

僕もアメリカに5年間住み社会学を勉強していた身として、アメリカの黒人に対する人種差別について根っこの部分から書いてみようと思います。

黒人=アメリカに住むアフリカ系アメリカ人を指し、この記事では黒人という言葉で統一させていただきます。)

そのために改めて今回Netflixの下記ドキュメンタリーも見ましたので、詳しく知りたい方はぜひ見てみてください。(映像や写真もあるので、結構ショッキングです...)

映像を見るほど時間がない方はぜひこの記事を読んでいただけたらと思います^^

改めてアメリカの黒人への差別の歴史を考えると日本人には容易に想像できるものではないと思いました。

日本で「差別反対」と聞くと割と「いじめは良くない!」というような構図のニュアンスが強い気がしますが、黒人が白人に対していう「差別反対」とは本当に根深いものです。

なぜならそれはアメリカという国ができる前から続くものだからです。

デモや講義に発展した要因


まずこの事件が大きな抗議へと発展した背景にはまず2つの要因があると思います。

一つ目は無抵抗の相手に対する警官からの暴力、即ち『権力の濫用』です。

警察の言うことに逆らい反抗すると公務執行妨害という罪で逮捕されます。

なのでよほどのことがない限り一般市民は警察の言うことを無視することも反抗することもできません。

亡くなられたフロイドさんはこの警官に取り押さえられたとき、「息ができない」「助けてくれ」と訴えていたそうです。

そんな無抵抗な人に対して警察という権力を武器に一方的に危害を加える行為自体が人種差別の前にまずあってはならないことです。

そこにもう一つの問題として制度的人種差別が加わり今回の大きなデモへと繋がっています。

アメリカという国は「人種のるつぼ」と呼ばれる通り様々な人種が暮らしています。

白人系が72%ヒスパニック系が16%アフリカンアメリカン系13%、アジア系が5%、その他4%といった感じです。

なので日本のように人口の98%が日本人という国からは「人種」に関する差別の問題は捉えにくい部分もあるかなと思います。

が、日本でも少数派の意見の人が生きにくかったり、ネガティブなレッテルを貼られたりすることはなんとなく想像できますよね?

アメリカは白人が建国した国であり、憲法や法律も白人が作ってます。

メディアや警察官、裁判官までルールや情報を決める機関の割合も白人が多いです。

そしてこのシステムにによって黒人は古くから不平等な扱いを受けてきました。

わかりやすい例でいうと、白人一生のうちに逮捕される確率16人に1人ですが、黒人はなんと3人に1人です。

これは貧困率の高い黒人の方が犯罪をする可能性が高くなってしまう経済的な理由もありますが、それ以上にメディアのよる印象操作不当な逮捕選挙のための政治的利用の要因が強いです。

今回のデモや暴動が大きくなったきっかけはこの事件ですが、コロナにより多くの黒人の方が解雇にあい経済的苦境に立たされる中、自粛が重なり溜まっていたエネルギーが一気に爆発してしまったという感じもあります。

ではなぜこのような差別がアメリカでは横行しているのか。

そこには日本の教科書では習わない深く暗いアメリカの歴史があります。

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歴史の浅い国アメリカの成り立ちと人種差別


みなさん、アメリカと聞いてどんな印象を持ちますか?


トランプ政権となり政治的に荒れている印象もあるかもしれませんが、「先進国」「経済大国」やハリウッド映画や洋楽の影響により「華やかな」なイメージを持つ方も多いんじゃないでしょうか。

そもそも「アメリカ is No.1」となぜ呼ばれているかで言えばそれは単に戦争に勝ち続けてきたからです。

アメリカは建国(イギリスからの独立)からまだ243年しか経っていない非常に歴史が浅い国です。

日本は正式に日本という名を定めてからでも1300年以上の歴史があるので少なくともアメリカの5倍以上の歴史を持つ国です。

ではなぜアメリカは今のこの地位にいるのかと言えばそれは単に第一次・第二次世界大戦、そして冷戦を勝ち続けたからです。

「正義は勝つって!? そりゃあそうだろ 勝者だけが正義だ!!!!」

漫画だけじゃなく世界もワンピースドフラミンゴの言う通りなんですね。


「歴史は勝者が作る」
という言葉通り、戦勝国アメリカが今の社会のベースをつくっていて、日本の場合では敗戦後にGHQによって新たな憲法、法律、教科書の内容まで関与されています。

アメリカという国の成り立ち


そもそもアメリカという土地に元々住んでいたのは今のアメリカ人ではないことをご存知でしょうか?

そうです、元はインディアンとも呼ばれるネイティブアメリカン先住民として住んでいました。

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15世紀から始まった大航海時代の影響により1492年、イタリア出身のコロンブスはスペインの援助によりアメリカ大陸を発見しました。

そもそも先住民がいるので発見という概念はおかしいのですが、ヨーロッパ人にとっては新たな開拓地を見つけたという感覚でした。

その証拠にコロンブスがアメリカ大陸を見つけた10月の第2月曜日コロンブス・デーとして新世界の到着を祝う日とされています。

しかしネイティブアメリカンにとっては領土略奪と虐殺の始まりの日であり、彼らはその日を「インディアン虐殺の日」として抗議活動を行っています。

そうです、イギリス・フランスをはじめとするヨーロッパ諸国はアメリカ大陸発見後、東海岸から徐々に植民地化や虐殺や奴隷化をしていきました。

1620年にイギリスからの宗教弾圧を逃れるためキリスト教のプロテスタントの集団がメイフラワー号にのりアメリカに上陸しました。

疑うことを知らず、分け与える文化のネイティブアメリカンは彼らを支援し、生活の知恵まで分け与えました。

しかしながら「所有」や「略奪」の意識が強いイギリス人はその恩を仇で返します。

イギリス政府はアメリカを犯罪者の流刑地としてどんどん犯罪者や荒くれ者をアメリカへ送り、彼らはネイティブアメリカンの土地を騙し取り、略奪し、虐殺していきました。

時間とともに東海岸からどんどん西側へと植民地化、奴隷化を進めていき、合計で5000万人以上ものネイティブアメリカンが虐殺されたと言われています。

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アメリカは歴史の中でテロリズムとの戦いと声高に叫びますが、ネイティブアメリカンにとっては今のアメリカ人こそテロリストなのです。

そして黒人の歴史もこのあたりから始まります。

イギリス人たちは当初ネイティブアメリカンを奴隷化しようとしましたが、土地を奪われた彼らは奴隷にはならず多くは反抗する道を選びました。

アメリカで生産でき、ヨーロッパで高く売れる砂糖や綿花を作るためのプランテーション(大農園)を拡げたかった彼らは同じく植民地化していたアフリカ大陸から奴隷を送ることにしました。

それが今の黒人(アフリカ系アメリカ人)です。

そう、彼らはそもそも原住民でもなければ、アメリカに望んできたわけでもなく、連れてこられたのです。

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白人至上主義 : キリスト教と植民地支配


そもそもなぜ白人はこんなにも自分で働かず奴隷に働かせたいのか

もちろん「お金儲け」「労働力」という大きな理由があると思いますが、宗教の違いという要因もあると思います。

ネイティブアメリカンや日本の神道などは自然崇拝で、人種どころか人と動物や自然の間にも境界線を引かず、人も宇宙や自然の一部として捉えるワンネス的な考え方です。

対するキリスト教(といっても色々ありますが)は、人間は理性を持つため動物とは違うと考え、動植物を利用することは神から与えられた正当な権利だと考えています。

同じキリスト教内でも宗派により弾圧がある中で、白人は異教徒であるネイティブアメリカンや黒人たちをヨーロッパの考える文明や知性を持ちあわせていないという理由で、少なくともこの時代では“人間扱い”していませんでした。

この白人至上主義的思想が今問題になっている差別問題の根元であると思います。

この「人間扱い」されていなかったスタート地点から黒人への奴隷制度の撤廃や差別の廃止運動は始まります。

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アメリカの独立から黒人の市民権の獲得


17世紀、ヨーロッパからアフリカに武器を、アフリカからアメリカには奴隷を、アメリカからヨーロッパには砂糖、綿花、タバコを輸入する三角貿易が始まりました。

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アメリカ国内ではヨーロッパ諸国の争いが繰り返され、大半はイギリスが植民地化していました。

その後、イギリス国内の経済難によりアメリカにどんどん増税したことをきっかけに独立戦争が起こります。

そして1776年7月4日アメリカが正式に独立宣言をします。

当時のヨーロッパで主流だった王政という身分階級制度や格差がなかったことから「自由の国」と呼ばれるようになりました。

しかしこの独立宣言の冒頭に、

「すべての人間は生まれながらにして平等であり、その創造主によって、生命、自由、および幸福の追求を含む不可侵の権利を与えられている」

と書いてあるにも関わらず、この「平等」は白人にのみ適応され、黒人に対する奴隷制度はそのまま続きました。

ここからも黒人が”人間扱い”されていなかったことが読み取れます。

この当時アメリカは大きく南北に分けれていて、南部はそのまま奴隷を使いプランテーションを、北部はイギリスの産業革命の流れから産業/工業を中心とする資本主義化が進んでました。

なので、黒人の人たちにより反乱と合わせて北部では1830年頃から奴隷廃止運動が始まり、1861年南北戦争へと発展しました。

4年に渡る戦争の末、結果は南部の敗北

法律上、黒人は初めてアメリカ市民となり選挙権を獲得しました。

これで一件落着、黒人と白人は仲良く暮らしました。

となればいいのですが、この後も悲しい悲劇を多く含む黒人の人種差別の戦いは続きます。

この記事では書ききれなかったので、続きは次の記事でまた書いていこうと思います。







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