雨の日を楽しむポートレート撮影
写真家にとって大切なカメラ。雨の日のポートレート撮影になると、カメラが濡れて故障につながる可能性が高くなるのでカメラを気にしながら撮影をするため、モデルの魅力を逃してしまうと思っていた。
でも、雨の日のポートレート撮影は晴れの日と違ってシネマチックな写真を撮れる楽しさがある。
雨の日の撮影でも怖くない
これまで雨の日のポートレート撮影については、仕事道具であるカメラのことをずっと気にしていたから中止にすることが多かった。もしかしたら、周りの人のことも考えずに自分勝手な行動だったのかもしれない。
だけどシネマチック写真家として撮影をしていくことを決めてからは、雨の日のポートレート撮影に価値を感じれるようになった。
もちろんモデルさんのことを第一に考えて、寒いから気分が乗らなければ延期をするし、雨で風邪をひかないように気を使わなければいけない。
そう、自分のカメラはその次に考えること。そう考えると、雨の日のポートレート撮影を一度経験すれば、怖いものはないだろう。
もしかすると、モデルさんにとっても思いがけない表現ができるかもしれない。
写真家とモデルさんとの情報共有を忘れないこと
天気というのは予想していたものと違う場合がある。
撮影前の打ち合わせでは『晴れ』をイメージしたポートレート撮影を、モデルさんと擦り合わせていたけど、当日になって雨が降ることもあるだろう。
僕はポートレート撮影当日が雨だった場合のイメージも、モデルさんと共有するようにしている。
例えば、雨でも傘をさして公園を歩いている風景。撮影場所に向かう時のモデルさんの後ろ姿は映画のワンシーンのようなシネマチックな写真を撮ることができる。
ただし、モデルさんには「今の瞬間すごく良いから後ろから撮ります」と声をかけること。モデルさんによっては準備ができていない時に勝手に撮られると嫌な人もいる。
そして撮影したら、どんな良い写真が撮れたのかモデルさんにも見てもらう。
こうして撮影のイメージや、撮影した写真をその場でモデルさんと見ることで作品のイメージを共有することができるし、モデルさんのイメージもどんどん湧いてくるだろう。
雨の日のポートレート撮影を楽しむためには、モデルさんと共に作品を創ると言う気持ちが大切なのである。写真家がイメージするものをただ撮るだけでは良い作品は生まれない。
良き作品は空間を演出するモデルさんと、その1つのシーンをイメージして相手に伝える写真家である。要するにモデルさんが演者で写真家が映画監督のようなもの。
映画を創るようにモデルさんと写真家とでアイデアを出し合うことで、雨の日のポートレート撮影も楽しいものになる。
Model : @mrsearth_kaori