プロとアマの埋まらない溝と温度差の違い。
こんにちは、京都のアート×写真家リョウ(@ryo_creativephoto)です。
今日は、プロとアマの温度差と歩み寄りの難しい部分についてお話しします。
写真家をしていると、どうしてもプロとしてやアマとしての想いが伝わりにくい部分があるんです。
僕はどちらかと言えば『プロ』として写真家をしていますが、時にはアマチュアの方から強い想いを聞かされて「自分はプロとしてまだまだ足りない部分がある」と思い知らされる事があります。
はじめに
本記事では「プロ、アマ」と差別的な言い方に聞こえるかもしれなませんが、プロの写真家として「アマチュアの想い」に共感できる部分があり、そこをリスペクトしている気持ちから書いた記事ということをご理解ください。
プロとアマの格差を生んでいるのは、プロの「カリスマ的存在」と言う思い込みや「プロ目線」など、『プロ』という言葉を勘違いしてほしくないのです。
なので、僕も含めて『プロ』が何であるか、アマチュアとの向き合い方について改めて考えようと思います。
撮影がない時の僕の仕事
僕の主な仕事は写真家ですが、撮影がない日は、サイトの更新をしたり、ブログを執筆したり、SNSへの投稿の作業をしていて、これも収入に繋げるための営業活動なので、僕にとっては立派な仕事なんです。
サイト運営の作業は、主にコワーキングスペースを利用していて、そこには企業や個人で仕事をしている人が利用しています。
コワーキングスペースでの僕の仕事は、平日の10:00にコワーキングスペースへ到着し、ノートパソコンを開いてブログを執筆して、サイトの更新作業、SNSの投稿作業。これが、撮影がない時の僕の主な仕事です。
個人で仕事をするには、サイト運営はとても重要な仕事です。
プロ意識高すぎない?
そうやって仕事をしていると、近くの席から「弊社は月何百万円の売上げがあって、某有名企業からもオファーをいただいてます」と言う声が聞こえてきました。
「すごい業績!」
と心で思いましたが、しばらくその話に聞き耳を立てていると『弊社の自慢』のような話がだんだん多くなって、その結果、クライアント目線の話ではなく『弊社のやり方』を押しつけているような内容で締めくくってミーティングが終了していました。
あいにくミーティングの相手の話は聞こえてこなかったので、どんな反応だったのかはわかりませんが、僕の印象は次のような感じでした。
「あの人の話し方は上から目線だったなぁ、なんかプロ意識高過ぎない?相手にちゃんと伝わってる?」
声のトーンは低く、少し威圧的な話し方に聞こえたのは僕だけ?
そのやりとりを聞いていると、数年前、僕がデザイナーとして関わっていた、ある雑貨屋さんのことを思い出しました。
お客様が減った雑貨屋さん
その雑貨屋さんは僕の知り合いで、関西に4つの店舗をもっていました。
そのうちの1店舗が、業績悪化で閉店してしまうかもしれないと言う事で、雑貨屋さんのオーナーが東京のコンサルに起動修正の依頼しました。
ところが、どんどんお客さんが減り、その結果、やむなく閉店せざるをえなくなってしまいました。
僕が分析をした閉店した原因は、アットホームなファミリー層のイメージを思いきって変えたこと。少し高級感を出して照明を薄暗くし、オシャレな雑貨屋さんにリニューアルしたからだと感じました。
後日に雑貨屋さんのオーナーに話を聞くと「コンサルからの提案で、価格を少し上げて、品数を減らし、大人なイメージに変更した」らしい。
そのコンサルは、当時、東京でオシャレな雑貨屋さんが流行っていたらしく、それを関西の閑静な住宅街にある雑貨屋さんで仕掛けよとしたようです。
当然のように、これまで来店してくれていたファミリー層は離れ、新規客も獲得できず、最終的には元のアットホームなイメージに戻すことにしたようです。
「プロのコンサルなのに、その時の状況分析や効果のある客層のイメージはできなかったのだろうか?」と僕は思ってしまいました。
プロとアマの温度差
何が言いたいのかと言うと、ここまで話した内容には『プロ』と『アマチュア』の温度差があり、プロ目線だけでは物事は上手く進まないと言いたいのです。
もちろん、それは他人事ではなく、プロ意識を持って写真家として活動をしている僕自身にも言えること。
相互無償で受けるモデルの想い
僕は先日、あるモデルの方に「モデル無償依頼のことで」相談をしました。
相談内容はモデルさんの発信している『相互無償について』の記事を読んで、「あなたがモデルを相互無償でしか受けない理由についての記事を読んで共感できる部分があったから、ぜひ僕のブログに引用させてほしい」と言うものでした。
僕はいくつかのサイトを運営していて、その中の一つに芸術に特化した『理想的芸術生活』と言うブログがありあります。
その中で『モデルにとって相互無償は不安だらけ』と言うタイトルの記事を書いた事があます。
その中で「モデル側の事情で無償でも受けてくれる人もいる」として、例外があることを伝えています。
その項目に、先ほどのモデルさんの記事を引用させてもらいたくて、記事引用の相談メッセージを送りました。
結果的には記事引用はOKでした。
ただ、僕の書いているその記事の内容に関しての感想も送られてきて、そのモデルさん云く「相互無償にしているのには『プロ』という肩書を利用して有償だからなんでも指示できるスタンスのカメラマンさんが多かった経験から相互無償にした」とのこと。
プロの写真家は撮影技術を上げるため、撮影実績としてサイトに載せるため、企業にアピールするために『有償』で依頼をします。
ところが中には『有償』をいいことに、モデルに不誠実な要求をする人も多いんです。
プロの写真家としてとても恥ずかしい。。。
アマチュアモデルの想いに歩み寄る重要性
その話を聞いて僕は、これまで『相互無償は不安だらけ』と言っていたことが間違いだと気づきました。
写真家にとって『相互無償』には不安はあり、モデルにとっては『有償』で受けるリスクがありますが、その2つの温度差ってなかなか埋めることができないんですよね。
もちろん、プロの写真家として『相互無償』はどうしても「プロ意識が低い」と思ってしまいますが、モデルになってくれる方の想いを聞くことも大切だと思います。
綺麗なモデルさんなのに『相互無償』はもったいないと言って、「有償にすればいいのに」という提案は、モデルさんにとって失礼にあたる場合があります。
モデルさんからの『相互無償』でのお願いだったとしても、プロの写真家として向き合うべきで、無償でも良い写真を撮って、良い写真を納品してあげる。
これが今回、モデルさんに相談して僕が感じたことでした。
『相互無償』で撮らせてもらえるモデルさんは少ないと思いますが、『相互無償だから不安』ではなく、そのモデルさんの想いをしっかり聞いて、作品撮りをすることもプロの写真家としてとても大事なことだと思います。