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Ten American Paintersとアメリカアート界

Ten American Paintersとアメリカアート界
テン・アメリカン・ペインターズ(Ten American Painters):「The Ten」は1898年に結成され20年間、展覧会活動をしたの美術家グループだ。

概要-The Ten
ジュリアン・オールデン・ウィアー(Julian Alden Weir,1852-1919/アメリカの画家・版画家-印象主義)、ジョン・ヘンリー・トワックトマン(John Henry Twachtman,1853- 1902/アメリカの画家-印象派に影響)、フレデリック・チャイルド・ハッサム(Frederick Childe Hassam,1859- 1935/アメリカ合衆国の画家)らが推進し、1898年に結成された。
当時のアメリカの美術界の保守性に対抗するために3人は、ニューヨークやボストンなどの東海岸の画家たちからメンバーを集め10人の画家からなるグループが結成された。(下記-写真参照)
その創立メンバーたちは、フランスで学んだ画家たちであり、フランスで発生した印象主義(印象派)の運動(1870年代)に、アメリカの美術界が批判的であった、それに対抗する動きだ。
「The Ten」は、20年ほどニューヨーク、ボストンなどの東海岸の都市で展覧会を開いた。初期の展覧会は、人気があり、批評家のにも評価が高かった。

ジョセフ・デキャンプ(1858-1923)

(cc)ジョセフ・デキャンプ(1858-1923)

ウィラード・メトカーフ(1858–1925)

(cc)ウィラード・メトカーフ(1858–1925)

エドモンド・チャールズ・ターベル(1862–1938)

(cc) エドモンド・チャールズ・ターベル(1862–1938)

エドワード・シモンズ(1852-1931)

(cc) エドワード・シモンズ(1852-1931)

創立メンバーは後述の10人で、ウィンスロー・ホーマー(Winslow Homer、1836- 1910/アメリカ写実主義の画家)は入会の勧誘を断り、アボット・ハンダーソン・セイヤー(Abbott Handerson Thayer:1849-1921)は入会を了承したが最初の展覧会までに脱会した。1902年にトワックトマンが没した後、ウィリアム・メリット・チェイス(William Merritt Chase、1849-1916/アメリカの肖像・風景画家)がメンバーに加わった。
賛否両論と言うより、個人の視点が異なる訳だ、現代系のアメリカアート界の創世記だったのだ。

そして、この流れは、アシュカンスクール(アシュカン派)など、混沌としたアメリカの都市部の描いた作家たちへ、そして、アーモリー・ショウ(1913)へ、アメリカアートのモダニストたちに、つづく・・・ただ、この辺りは、敷居線は複雑に、混在しているのだ。
その後には、、、1935-1940には、The Ten (Expressionists/ニューヨーク表現主義)のグループ、アドルフ・ゴットリーブマーク・ロスコ、イルヤ・ボロタウスキーたちのグループが発生する。

1人の画家をとっても、あの人は、ああいう人だとは、言えないだろう。その人の中で、その視点の極も変遷しているからだ。ただ、作家や、画風からの分類は必要だろう、それがベースとなって、後から、ああだ、こうだと、私のように言える訳だから・・・
いずれにしても、人は100年も生きれる筈もないのだから、多様な視点での記述(記録)は必要だろう。先駆者の画業は、未来を担う画家の糧ともなるだろうし・・・

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(cc) Ten American Painters (The Ten), 1908 Ten American Painters (The Ten).

(註)“The Ten”のメンバー写真解説
(後列 左から):ウィリアム・メリット・チェイス、フランク・W・ベンソン、エドモンド・ターベル、トーマス・W・デューイング、ジョセフ・デキャンプ、(前列 左から):エドワード・シモンズ、ウィラード・メトカルフ、チャイルド・ハッサム、ジュリアン・オールデン・ウィアー、ロバート・リード。


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