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孤高の女性作家-アグネス・マーティン
孤高の女性作家-アグネス・マーティン
アグネス・マーティン(Agnes Martin/Agnes Bernice Martin, RCA,1912-2004/US-抽象画家)
その作品は「内面性と沈黙のエッセイ思考を持ち合わせた作家」と評価されている。
彼女の闘争は、私的で個人的なものである、それが、統合失調症の発病との関連性は分からないとされているが、1つわかることは、どれだけ辛かったことだろう。
それは、繊細でシンプルな作品が語っている・・・
評論家には、ミニマリストと言われるが、本人は、抽象表現主義者(ポロックたちの作品:西洋美術の拠点をパリから、ニューヨークへ)として述べている。
「真実の邪魔になるものが何もないように、その作品はゼロに達している」-Mark Rothko(1903-1970,American abstract painter)
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略歴- Agnes Martin
1912年、カナダ(Macklin, Saskatchewan)の農家に生まれ、1919年からは、バンクーバーで育った。
1931年、ワシントン州ベリンガムにいる妊娠中の妹のために、アメリカに渡り、その地のウエスタンワシントン大学(Western Washington University)教育学部(BA)で学んでいる。
1950年アメリカの市民権所得。その後、コロンビア大学ティーチャーズカレッジ(教育系の大学院-MA所得は1952)、そこで、アグネス・マーティンは、現代アートに触れた事は重要だ。かなり、まわり道のある人生かも知れない。ただ、結果を出すと言うことは、誰しもできることではないだろう。
そして、ニューヨーク時代には、現代アートに興味を持ち、アーシル・ゴーキー(Arshile Gorky,1904–1948/US)、アドルフ・ゴットリーブ(Adolph Gottlieb,1903-1974/US)、ジョアン・ミロ(Joan Miró i Ferrà,1893–1983/スペイン)に触れている。
1967年- ニューヨークから離れ、ロードキャンプをニューメキシコ州で行っていた。
そこでの状況を当時の記述から、実にシンプルライフだったようだ。
孤高の人としての様相を感じる、その間は、制作はしてはいないと言われるが、どうなのだろう。
そして、時間をおいて、その後、1971以降、作品の制作や、講演・執筆を行っている。
1993年まで、ニューメキシコ州ガリステオ(2010年以降には、なんと人口200人台の地域)のシンプルな家に居住していた。その後は、ニューメキシコ州のリタイヤメントホームに居住していた。
1976年、映画「ガブリエル/Gabriel」(1976 film-小さな男の子が散歩に出かける78分の風景映画)を制作している。
2004年12月16日、ニューメキシコ州タオスで没、92歳だった。
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2005年、ニューヨークのドローイングセンターが、作品を展示している。
主な業績は、教育実績と共に、実に数多いが・・
1998年、国立芸術基金(National Endowment for the Arts)から国民芸術勲章(National Medal of Arts)を授与されている
2004年、王立カナダ芸術アカデミー(Royal Canadian Academy of Arts)に選出された。
An Introduction to Agnes Martin - Guggenheim Museum
(追記)この短いコラムで、アグネス・マーティンの思いや、ましてや一生が語れる訳もないが・・・
ただ、垣間見る時に、そのシンプルであり、かつ繊細な作品から、感性が、揺すぶられるものが多い事は確かだろう。
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