見出し画像

観光-霊地巡礼-拝/京都 瓜生山

「あれから 今日で 1年 …     皆さんありがとう」

緊急搬送され手術で一命をとりとめた行きつけの店の主人からのメッセージ。

いつも相談にのってもらっている店主。1年前、私が仕事に悩んでるのをみかねて、はじめて本(竹中直人さんの「役者は下手なほうがいい」)をくれたばかりのことだった。京都の瓜生山を散策中に、近親者の方が投稿された緊急搬送の投稿を目にして、心臓がとまりそうになるくらい動揺して、悪い想像を振り払うように、目の前の光を神仏にみたて、その光に祈るように写真を投稿していた。

1年前、知人の無事を祈りながら自分の命の限りも感じていた

そこは、京都芸術大学で、友人を待っていた時間だったと思う。目の前が真っ暗になったようにフラフラと敷地をさまよっていると、涼しげな仏さまに遭遇した。

その唐突な出現に、観ることも拝むこともできず、ただその存在をなぞるように、その周囲をぐるりとまわった。

心がつかまれて、ぼーっと、その白い肌をみつめていると、背後から懐かしい声に名前を呼ばれた。

振り向いたらドーーン!!!(写真はあとで再現撮影)

自作のアートカーに乗った現代美術作家のヤノベケンジさんだった。

この時の心境は、当時の記録でお送りします。

そういえば、仏さんみながら電話しよう考えてた、、ら、影!
呼びかけたらきてくれるというウルトラマン的登場
「これから取材で忙しいねん。またな!」
と静かなエンジン音で、スーっと走り去るヤノベさん
これから銀シャリがくるいうてはりました


見送ったあと、あまりのタイミングの良さに、笑いと涙がこみあげてくる。なんか、もう大丈夫だ!と悪い想像はふっとんで、未来が明るくみえた。(実際、心配していた手術は成功して、店主は店に1ヶ月程で復帰。上映会をさせてもらったり、想い出が、どんどん増えている)

ヤノベさんとは20年近く、こういうシンクロニシティがおきている。

思い返せば、高3の受験期間にいった金沢21世紀美術館。プロジェクト工房で、制作中のジャイアントトラヤンをぼーっとみていた時のこと。通りがかったヤノベさんが、私が肩にかけていたトートバッグの絵を指さして、「奈良やん。奈良美智好きなん?」と、からかうように楽しげに声をかけてくれたのが、きっかけ。

その20年後、ヤノベさんの当時の年齢になった私。現在、金沢21世紀美術館を舞台にプロジェクト準備中。現在、ヤノベさんのコレクションもプロジェクト工房で展示されていて、先日、そこでのトークショーに行って、新たな未来のビジョンを受け取ったのだけど、それは、また別の話。

おまけ。石仏の由縁。
「仏さんを信じることは〜」から
「有るか無いかはわからないけれども、必ずや人類を救ってくれる、そんな存在がどうしても必要です。」という芸術立国の志を
あらためて読んで、以前よりもさらにぐっときた。御意!

いいなと思ったら応援しよう!

arno - art note / そこにあるの
たくさんのひとにいろんなかたちでたすけられながら生きています。時間がかかるタイプの人間ですが、恩返しになるような作品を届けたいと思っています。いつもたくさんありがとうございます。