Vertiv Holding(VRT)24’2Q決算短信 利益の上方修正を2回程しておりガイダンスも悪くはないのですが、それまでの期待値が高い為株価は来年以降の利益や企業価値まで織り込んでいる状態です。(EV/EBITDA指標、EV/Sales指標、EV/EBIT指標全てで)また、EPSは減価償却費や税金を除いた本業での利益であるnonGAAPで表記されておりますが、GAAP(減価償却、税金込み)にすると大幅に数字が落ちます。ここから入るのであれば大きく売られるリスクを覚悟して入る方が良いかと思います。

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画像2 2Q Key Messages:売上高は2023年第2四半期比14%増、TTM受注は前年同期比37%増。2024年第2四半期の受注高比率は~1.4倍。 2024年第2四半期の調整後営業利益は3億8,200万$で、増収と貢献利益率の向上により2023年第2四半期から52%(1億3,100万$)増加。 2024 年第 2 四半期の調整後FCFは 3 億 3,300 万$で2023 年第 2 四半期から 1 億 600 万$増加。 通期既存事業売上高ガイダンスは77億$、営業利益ガイダンスは14億4,000万$
画像3 3Q ガイダンス:Revenue 1.96B Y/Y+14% Consensus 1.97B  EPS 0.67$Y/Y+28.8% Consensus 0.64$ Beat 0.03$
画像4 2024年第3四半期の売上高ガイダンスは19億3,500万~19億8,500万ドル、調整後営業利益ガイダンスは3億7,500万~3億9,500万ドル。 2023年第3四半期比でそれぞれ$217M、$89M増加。 2024年度通期の売上高ガイダンスを75億9,000万~77億4,000万ドル、調整後営業利益ガイダンスを14億1,000万~14億6,000万ドルに引き上げ。
画像5 市場で最もホットな分野で、非常に有利なポジションにある企業であるにもかかわらず、その成長率は同社の物語に沿った成長をもたらしていない。 具体的には、売上高営業利益率は2024年第1四半期の1.5倍から第2四半期には1.4倍に低下している。 繰り返しになるが、これはバーティブに対する私の期待値とは一致しない。収益成長率の低さは以前から気になっておりました。今回大きく売られた理由の一つがバリュエーションの高さとそれに見合っていない決算なのだと思います。
画像6 まとめ:2Qの決算内容は良かったと思いますが、GAAPベースでのP/EがFWDでも約53倍とかなり割高。そして企業価値(EV)をEBITDAで割った指標、EVをSalesで割った指標はいずれもセクター平均を倍近く上回っており、かなり割高の状態と言えます。こういったファンダと現在の資金逃避が重なって大きく売られたものと思われます。現在の株価でも割高感は否めないので入る場合はリスク覚悟で乗るかだと思います。

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