Microsoft(MSFT)25’1Q決算, 株価の動向はIntelligent Cloud部門の成長率に左右されておりますが、未来にはこのCloud部門だけではなくMore Personal Computing部門も大きな収益の柱となり得る様に思えます。
10/18(金)Microsoft のSatya Nadella CEOは全ての投資家に向けた年次書簡(Annual Report)を出しました。
普段なかなか見る事はないと思いますし、世界一のSoftware企業のCEOが何を考え何を見ているのかを知る良い機会だと思います。
以下にNadella CEOのコメントを載せます
今年は記録的な業績となりました。 年間売上高は前年比16%増の2,450億ドル超、営業利益は24%増の1,090億ドル超を達成した。
今後は3つの優先事項に重点を置く: 第一に、基本的なことを優先し、何よりもセキュリティを重視することです。 当社は今年、セキュア・フューチャー・イニシアチブ(SFI)を立ち上げ、サイバーセキュリティ保護を推進するために組織のあらゆる部分を結集しました。
第二に、クラウド事業の拡大を継続しながら、当社のポートフォリオ全体にわたって信頼できるAIイノベーションを推進することです。
そして最後に、コスト構造をダイナミックに管理し、持続的かつ長期的な営業レバレッジを生み出すことです。
この3つの優先事項はすべて、当社が企業として繁栄し続けるために不可欠なものであり、当社のあらゆる活動において継続的な改善に焦点を当てながら、卓越したオペレーションの水準を高めていきます。
インフラストラクチャー:当社のクラウドは現在、AIのトレーニングと推論に最高のパフォーマンスを提供し、AMDとNVIDIAの最新製品に加え、昨年11月に発表した当社独自のファーストパーティシリコンAzure Maiaを含む、最も多様なAIアクセラレータの選択肢を提供しています。
データおよびAI:AIモデルは今やあらゆるアプリケーションの重要な構成要素です。 そして、Azure AIにより、私たちはAI時代のアプリサーバーを構築し、お客様独自のコスト、レイテンシ、および設計上の考慮事項を満たす最も多様なモデルの選択へのアクセスを提供しています。 OpenAIとの戦略的パートナーシップにより、私たちは最先端のフロンティアモデルを提供しています。合計で60,000を超えるAzure AI顧客がおり、前年比で60%近く増加しています。 また今年は、G42とのパートナーシップも発表しました。G42は、当社のクラウド上でAIアプリケーションとサービスを実行する予定であり、アラブ首長国連邦やその他の国々に当社の最新のAIテクノロジーを提供するために協力しています。
Microsoftが目指していると思われる方向性について書簡の中にこんな一文がありますので抜粋いたします。
当社のAIプラットフォームであるAzure AIは、企業の変革を支援し、従業員や顧客の手にインテリジェンスと洞察をもたらし、最も差し迫った課題を解決します。
Azureは、パートナーからのものも含め、業界をリードするフロンティアモデルやオープンモデル、最先端のツール、AIに最適化されたインフラストラクチャを幅広く取り揃えており、Microsoft、企業、開発者向けにCopilotスタックを提供しています。
規模の大小を問わず、組織はAzure AIソリューションを導入し、適切なエンタープライズレベルの責任あるAIと安全・セキュリティ保護によって、より多くのことをより簡単に、大規模に実現しています。
Azure AI Studioは、顧客がこれらのモデルを独自のデータに基づいて構築し、迅速なワークフローを作成し、それらが安全にデプロイされ使用されることを保証するために使用できる完全なライフサイクルツールチェーンを提供します。
弊社は、AI研究と展開のリーディングカンパニーであるOpenAIと長期的なパートナーシップを結んでいます。
OpenAIのモデルを当社のコンシューマー向け製品およびエンタープライズ向け製品に導入しています。 OpenAIの独占クラウドプロバイダーとして、AzureはOpenAIのすべてのワークロードに電力を供給しています。
また、OpenAIの研究を加速させるために、特殊なスーパーコンピューティングシステムの開発と展開への投資も増やしています。
かなり長い文章でとても全文を載せる訳には行きませんが、一通りこの書簡を読んでみるとMicrosoftと現在のビル・ゲイツさんの社会貢献への思いや行動が同じ方向を向いているのだなと感じます。
AIの戦略もこの大きなビジョンに基づいた方向に向かっておりビジネスの生産性を高める方向により重点を置いているように思えました。
ここからは実際の決算数字を見ながら他社との比較などをして行きたいと思います。
※個別銘柄に言及する内容が多く含まれますが、筆者の経験と知識を基に見解を述べているもので売買を推奨するものではありません。
この先に進まれる方はこの件に同意いただいたものとさせていただき、
損益に関する責任は一切負わないものとさせていただきます。
Productivity and Business Processes部門
Microsoftのようなセグメントが多岐に渡る企業は全体の業績を見てもポイントが分かりづらいので、部門別に分けて業績を見て行きたいと思います。
まずはOfficeソフトなど企業の業務効率最適化を図る部門です。
全体の売上高$65.59Bのうち約43.2%を占める部門で、Microsoftの老舗のセグメントです。こちらは前年同期比では+12%の成長ですが前期比ですと-1.1%、Operating Income(営業利益)も前年同期比では+16%ですが前期比では+5.2%と言う数字になります。
Productivity and Business Processes部門の1Qハイライトを下記にまとめます
Microsoft 365 Commercial
商業向け製品とクラウドサービス:収益が13%増(一定為替調整後で14%増)。
商業向けクラウド収益:15%増(一定為替調整後で16%増)。小規模および中規模企業の利用増加や、フロントラインワーカー向けの需要、1ユーザーあたりの収益増加が要因。
商業向け製品収益:2%増(一定為替調整後で3%増)。Microsoft 365スイートのオンプレミス版の販売が成長を支える一方で、Office製品からMicrosoft 365 Commercial Cloudへの移行が影響。
Microsoft 365 Consumer
個人向け製品とクラウドサービス:収益が5%増(一定為替調整後で6%増)。
個人向けクラウド収益:6%増(一定為替調整後で7%増)。Microsoft 365個人向けのサブスクライバー数が10%増加し、合計8,440万人に。
LinkedIn
LinkedInの収益:10%増(一定為替調整後で9%増)。ビジネス全般(タレントソリューション、マーケティングソリューション、プレミアムサブスクリプション、セールスソリューション)の成長が影響。
LinkedInのセッション数:11%増で、エンゲージメントの記録更新。
Dynamics
Dynamics製品とクラウドサービス:収益が14%増。Dynamics 365の成長によるが、オンプレミス製品の減少により一部相殺。
Dynamics 365の収益:18%増(一定為替調整後で19%増)。全ワークロードにわたる成長が要因。
Amy CFOも仰っているようにビジネス向けソーシャルネットワークプラットフォームのLinkdInの収益率が徐々に伸びており、時代も考慮するとこの分野は今後も成長が期待できる分野だと思います。エンゲージメント率も記録更新をしている様ですので多くの企業が益々利用していく事でしょうね。
Microsoftは戦略上(だと思います)細かい部分での業績は開示していない為、セグメント全体と成長率等からある程度比率を予測をしていくしかありません・・・ただこの部門だけで(四半期)約283億2000万ドルも売り上げる訳ですしその中でLinkedInの伸び率に対して強く言及されておられるので、経営陣側の期待感が見て取れます。
Intelligent Cloud部門
次は最も注目があつまるAzureやCopilot AIをマネジメントしているIntelligent Cloud部門を見て行きたいと思います。
こちらのIntelligent Cloud部門は全体売上$65.59Bのうち$24.1Bと約36.7%を占める部門でこちらもProductivity部門同様に売り上げ比率の高いセグメントであり、世間から注目度が高いAI関連の部門です。
研究開発などのコストが年々増加する部門だと思われ、この部門の営業利益率は43.6%で実はMicrosoft全体の営業利益率(約47%)を下回っております。
Microsoftの株価が伸び悩む原因の一つがここにあると思われ、売上自体も20%成長しており営業利益率も43%あって年18%伸びているのだけどコストも8%増加していて成長率の割には利益が伸びにくい状態になっております。
Googleはこれに対しGoogle Cloudの売上成長率は前年同月比+35%、営業利益に関してはなんと前年同期比7.3倍という去年はいったいなにをしたら今期そんな数字が出るのだ!?と突っ込みたくなる様な改善を見せました。
単純比較はできませんがGoogleの場合全体売上に占めるGoogle Cloudの割合は僅か12.9%しかなく、Microsoftと違って営業品目の範囲が狭い為投資効率が良くなります。またAI関連のデータセンター投資に関してもGoogleの場合は検索やデジタル広告分野につながる方向に向けられるため、全セグメントに対してデータセンター投資の効果が表れやすいのです。
これに対しMicrosoftはAzureやIntelligent Cloud部門としてのAIデータセンターの投資は、主にIntelligent Cloud部門での収益につながるビジネス構造だと思われますので事業規模としてはMicrosoftの方が上ではあるものの投資効率まで考えた収益構造を現在の段階で比べると私としてはGoogleの方に分があるのかな・・・と思う次第です。
話が反れてしまいましたがIntelligent Cloud部門のHighlightsを見て行きたいと思います。
Server Products and Cloud Services
サーバー製品とクラウドサービス全体の収益:23%増加。これにより、全体的に成長が続いていることが示されています。
Azureおよび他のクラウドサービス:33%増加(一定為替調整後で34%増)。この成長はMicrosoftの幅広いクラウドサービスの需要によるものであり、特にAIサービスが12ポイント分の成長に貢献しています。
サーバー製品の収益:1%減少。この減少は、Windows Server 2025のリリース前の取引量の低下や、マルチクラウド環境で稼働しているライセンスの購入が減少したことが要因となっています。
Enterprise and Partner Services
エンタープライズおよびパートナーサービスの収益:1%減少(一定為替調整後でほぼ変化なし)。この部門の収益は安定しているものの、若干の減少が見られます。
Intelligent Cloud部門の成長の主な原動力がAzureなどのクラウドサービスと、AIサービスの需要によるものであることが分かります。
一方、サーバー製品とエンタープライズサービスでは、リリーススケジュールや購入量の減少により、成長がやや鈍化しています。
More Personal Computing部門
最後にMore Personal Computing部門を見てきたいと思います。
こちらの部門はActivision blizzardを買収したGaming部門が主軸で、ここの部門の業績が今後のMicrosoftの成長を左右してくるかもしれません。
こちらのMore Personal Computing部門は全体売上$65.59Bの内$13.18Bと約20%を占める部門でActivisionの買収によって今後大きく変化してくる可能性が考えられる部門です。というのも24’2QからXboxコンテンツの売上成長率がなんと60%と驚異的に成長しているのです。これについていくつか理由を挙げてみたいと思います。
Activision Blizzardの買収効果
Microsoftは、ゲーム業界の大手であるActivision Blizzardを買収しました。これにより、「Call of Duty」や「World of Warcraft」などの人気タイトルがMicrosoftのコンテンツに加わり、Xboxプラットフォームでの利用が拡大したと考えられます。ActivisionのゲームがXbox Game Passに追加されたり、独占的なコンテンツが提供されたりすることで、売上が増加しています。
Xbox Game Passの成長
Xbox Game Passは、月額料金で数百のゲームタイトルにアクセスできるサブスクリプションサービスです。このサービスの利用者数が増加しており、安定した収益源となっています。Activision Blizzardの買収により、魅力的なゲームラインナップが追加されたことで、Game Passの加入者増加につながった可能性があります。
新作ゲームや拡張コンテンツのリリース
Microsoftやサードパーティのデベロッパーによる人気の新作ゲームや拡張コンテンツが、Xboxプラットフォームで次々とリリースされています。特にホリデーシーズンや大型タイトルの発売が集中する時期には、コンテンツの販売が急増します。また、既存のゲームに追加コンテンツやDLC(ダウンロードコンテンツ)が提供されることで、さらなる売上増加が期待されます。
クラウドゲーミングの普及
Xboxはクラウドゲーミングに注力しており、ゲームをインストールせずにストリーミングで遊べるサービスを提供しています。このクラウドゲーミングにより、ハードウェアに依存せず、モバイルデバイスなどでもゲームを楽しめるようになり、新たなユーザー層が増えています。これにより、コンテンツ売上が拡大しています。
新世代コンソール(Xbox Series X/S)の普及
新世代コンソールであるXbox Series X|Sが普及し、より多くのユーザーが最新のゲーム体験を求めていることも、売上増加の一因です。新ハードウェアによるパフォーマンスの向上により、ゲーム自体の販売やゲーム内課金が増加しています。
これらの要因が組み合わさる事でXboxコンテンツの営業売上が大幅に増加しているものと思われます。
現在は買収費用があまりにも巨額だった事もあり、営業費用がかなり増加してきてしまう為収益は圧迫してしまいますが中期~長期的に見るとこの買収はMicrosoftに大きな収益の柱をもたらす可能性があり、成長した場合は大きく株価は飛躍する可能性を秘めている部門だと思います。
現在のMicrosoftの株価の伸び悩みに苦慮されている方に向けては朗報になるやもしれません
More Personal Computing部門のHighlightsを見て行きたいと思います。
Gaming
Gaming全体の収益:43%増加(一定為替調整後で44%増)
そのうち43ポイント分はActivisionの買収によるもの。Activision Blizzardの人気タイトルがMicrosoftの収益に直接貢献していることが分かります。
Xboxコンテンツおよびサービスの収益:61%増加
この成長のうち、53ポイントがActivision買収の影響です。買収によって追加されたタイトルがXbox Game Passなどのサブスクリプションサービスの収益に大きく貢献しています。
Xboxハードウェアの収益:29%減少
Xboxのハードウェア販売は前年同期比で減少しており、コンソールの需要が落ち着いてきている可能性があります。ソフトウェアおよびサービス収益が増加する一方で、ハードウェアの販売が低調となっています。
Search and News Advertising
検索およびニュース広告の収益:18%増加(一定為替調整後で19%増)
トラフィック獲得コスト(TAC)を除く成長率です。検索量の増加や1回の検索あたりの収益の増加が主な要因で、広告事業が好調に推移しています。
解説まとめ
Activision買収の影響:Gaming部門における収益増加の大部分は、Activision Blizzardの買収によるものです。特に、コンテンツとサービスにおいて大きな貢献が見られますが、ハードウェアの販売は落ち込みました。
広告収益の増加:検索およびニュース広告の収益も大幅に増加しており、広告事業が引き続き収益源として機能しています。
OEMの安定:Windows OEMが安定的に成長していることから、デバイス事業の一部減少を補完しています。
これにより、Microsoftの「More Personal Computing」部門は、特にゲームと広告での成長が著しいことが確認できます。
決算カンファレンスコール
Satya Nadella - Chairman and Chief Executive Officer
マイクロソフトのクラウドは引き続き好調で、売上高は22%増の389億ドルを突破しました。当社のAI事業は、来四半期には年間売上高100億ドルを突破する見込みであり、このマイルストーン達成は当社史上最速となります。
Azure Arcは現在、American Tower、CTT、L'Oréalなど、あらゆる業界で39,000社以上のお客様にご利用いただいており、前年比で80%以上増加しています。
当社は現在、世界の60以上の地域にデータセンターを展開しています。 そして今期は、ブラジル、イタリア、メキシコ、スウェーデンにおいて、長期的な需要シグナルに沿ってキャパシティを拡大するため、新たなクラウドおよびAIインフラへの投資を発表しました。
シリコン・レイヤでは、当社の新しいCobalt 100 VMが、Databricks、Elastic、Siemens、Snowflake、Synopsysなどの企業で採用され、前世代よりも最大50%優れた価格性能で汎用ワークロードを強化しています。
これに加え、当社は次世代AIインフラストラクチャーを構築し、AIワークロード向けに当社のフリートが最適化されるよう、フルスタックにわたってイノベーションを進めている。
私たちは、ファーストパーティーのアクセラレーターであるMaia 100や、AMDやNVIDIAの最新GPUなど、最も幅広いAIアクセラレーターを提供しています。 実際、GB200を搭載したAIサーバーでNVIDIAのBlackwellシステムを立ち上げた最初のクラウドです。
OpenAIとのパートナーシップも成果を上げ続けています。 我々は、価値を大きく成長させた会社の経済的利益を得ており、差別化されたIPを構築し、収益の勢いを促進している。
GrammarlyやHarveyのようなデジタルネイティブだけでなく、Bajaj Finance、Hitachi、KT、LGのような既存企業もアプリをテストから本番に移行しているため、Azure OpenAIの使用率は過去6ヶ月で2倍以上になりました。
Azure AIはまた、当社のデータおよびアナリティクス・サービスへのオンランプも増えています。
開発者がAzure上で新しいAIアプリケーションを構築するにつれて、Air India、Novo Nordisk、Telefonica、Toyota Motors North America、Uniperなどの顧客がAIアプリケーション向けに構築された機能を活用することで、Azure Cosmos DBとAzure SQL DBのハイパースケールでの利用が加速しています。
GitHub Copilotは、世界のソフトウェア構築方法を変えつつあります。
AMDやFlutter Entertainmentなどの企業がCopilotを自社のコードベースに合わせてカスタマイズしたことで、Copilotのエンタープライズ顧客は前四半期比で55%増加しました。
また、AIコード生成の次の段階として、開発者のワークフロー全体でGitHub Copilotをエージェント化することを導入しています。
GitHub Copilot Workspaceは、最初から最後までエージェントを活用する開発者環境で、開発者は仕様から計画、コードまですべて自然言語で行うことができます。
このようなAIイノベーションに加え、Microsoft Teamsの利用率は、あらゆるコミュニケーションを効率化するために利用され、過去最高を維持しています。
現在、Teams Enterpriseの顧客の75%近くが、Premium、Phone、またはRoomsを購入しています。 Windowsに関しては、当社の新しいクラスのCopilot+ PCが新しい顧客を獲得しています。
クラス最高のAI機能、パフォーマンス、価値を提供します。 AMD、Intel、QualcommのすべてがCopilot+ PCをサポートしています。
次はセキュリティだ。 私たちは、何よりもセキュリティを優先し続けます。 セキュア・フューチャー・イニシアチブでは、3万4,000人分の専任エンジニアを投入し、最優先のセキュリティ課題に取り組んでいます。
たとえば、Security Copilotは、Clifford Chance、Inetesa Sanpaolo、Shellなど、あらゆる業界の企業で使用されており、SecOpsタスクをより迅速かつ正確に実行しています。
そして現在、私たちはお客様のAI導入の保護も支援しています。
顧客はDefenderやDiscoverを使用して75万以上のAIアプリインスタンスを保護し、Purviewを使用して10億以上のCopilotインタラクションを監査し、コンプライアンス義務を果たしています。
次に、リンクトインからコンシューマー・ビジネスに話を移そう。
会員の成長は加速し続けており、インドとブラジルの市場はともに2桁成長を遂げています。
また、10億人を超える会員がつながり、サービスを販売し、採用され、知識を共有できる新しい方法を導入しているため、過去最高のエンゲージメントを記録しています。
LinkedIn初のエージェント採用アシスタントは、採用担当者が最も時間のかかるタスクに取り組むことで、優秀な候補者をより早く見つけることを支援します。
すでにAIアシスタントのメッセージを利用している採用担当者は、利用していない採用担当者に比べて44%高い採用率を示しています。 そして、私たちの採用ビジネスはシェアを拡大し続けています。
次にゲームについて。 アクティビジョン・ブリザード・キング社の買収を完了してから1年、私たちは、より利益率の高いコンテンツとサービスを原動力として、長期的な成長に向けたビジネスを構築することに注力しています。
ゲーマーの皆様が当社のコンテンツにアクセスする方法が多様化する中、当社の業績にはすでにこの変革が表れています。
当四半期は、これまで以上に多くのプレイヤーがデバイスやXboxプラットフォームで当社のゲームをプレイし、月間アクティブユーザー数の新記録を達成しました。
また、ゲームパスは、総収益と加入者一人当たりの平均収益で第1四半期の新記録を達成しました。 また、今後の展望として、当社のスタジオのIPはかつてないほど強化されています。
先週発売された「ブラックオプス6」は、「コール オブ デューティ」史上最大のリリースとなり、発売初日のプレイヤー数とゲームパス加入者数の記録を更新した。
また、PlayStationとSteamでの販売本数も前年比で60%以上増加しました。 これは、ゲーマーの皆様が時間を費やすさまざまなスクリーンでより多くのゲームをプレイできるようにすることで、ゲーマーの皆様がいる場所で対応するという当社の戦略を物語っています。
まとめ
長くなってきてしまいましたのでまとめに入りたいと思います。
MicrosoftのCopilot AIに関してSalesForce(CRM)のMarc Benioff会長がこんな事をつぶやいておりました。
『マイクロソフトがコパイロットを "エージェント "にブランド変更?それはパニックモードだ。現実を見よう。Copilotが失敗したのは、マイクロソフトが真の企業インテリジェンスを作成するためのデータ、メタデータ、企業セキュリティモデルを欠いているからだ。だからCopilotは不正確で、企業データを流出させ、顧客に独自のLLMを構築させるのだ。』
このCopilotのずれた回答に関しては私自身も他のメディアで書かれているのを見た事があり、適切なデータと、使用されている基礎モデルからの適切な推論の組み合わせが正しくなされていないのではないかと言った指摘もあるようです。
仮に現在のCopilotがそうだったとしても将来的にずっとそうではありませんし、常に進化していくものだと思いますのでこの点は一つの意見として聞いておこうと思います。
冒頭でも書きましたもう一つの収益の柱ですがやはり検索とデジタル広告、そしてAcutivisionの買収は今後の業績に大きく貢献していくセグメントだと思います。
More Personal Computing部門の売上比率は全体の20%程ですが、このセグメントの成長率はCloud部門に劣らない規模ですので業績全体の底上げが期待できるセグメントだと思います。
もう一つ、MicrosoftのAIのアプローチとビジネスターゲットについて言及したいと思います。
Microsoft CopilotはMicrosoft365との密接な統合が特徴であり、Copilotは主に企業向けでExcel、Word、PowerPoint、Teamsなどのアプリケーションに直接組み込まれ、文書作成やデータ分析などの作業を支援する役割を果たします。また独自プロンプト技術を使用しGPT-4の性能をさらに高める工夫をしており、多様な業務シナリオに合わせて柔軟に活用できる様です。
ビジネスターゲットとしては上記の様にMicrosoft365のユーザーに特化してビジネスの生産性向上を狙っております。企業向けオフィス業務に最適化され、中小企業から大企業までのビジネスユーザーがターゲットです。
もうお分かりいただけたと思いますがMicrosoftのAI(Copilot)はGoogleやMeta、Appleと少し違い、ビジネスユーザーをターゲットとしている為、Microsoft365以外の分野では最大限に性能を発揮できない部分も現在ではあるかもしれません。
また同時に企業を相手にしている部分で設備投資コストとセキュリティコストは他社よりも多くのしかかってきてしまうのかもしれませんので、現段階でどちらかの方向に烙印を押すような判断は控えた方が良いと思いました。
今年の株価成長率は他のAI関連企業と比べると見劣りしてしまいますが、今回こうして決算内容の深堀したおかげで今まで気づかなかった部分も見る事ができました。個人的にはこれから先もMicrosoftの成長を期待していきたいと思います、長くなってしまい申し訳ありません・・・
最後までお読みいただきありがとうございました。