Eli Lily and company(LLY)24’2Q決算短信 製薬企業とは思えないほどの収益率、成長率を出しており株価が10%も上がった事に納得してしまうほどの好決算です。Mounjaroの売上はY/Yで+215%、Q/Qで+71.1%と驚異的に推移しており、Verzenioという乳がん治療薬もY/Yで43.7%、Q/Qで26.8%と2種類のブロックバスター薬を持っております。7/19に中国医薬品監督管理局がZepboundを長期的な体重管理を目的とする医薬品として承認しましたので今後に期待です

画像1 Dave Ricks CEOコメント:私たちの最優先課題は、引き続き意欲的な製造業拡大計画を実行することです。 5月には、インディアナ州レバノンの製造拠点に53億ドルを追加投資する計画を発表し、投資総額は90億ドルに達しました。 これは、合成医薬品の原薬製造における単独投資としては、米国史上最大規模であると考えています。 重要なことは、この拡張によりゼップバウンドとモンジャロの原薬製造能力が強化されることです。米国と欧州で施設の建設、買収に180億ドル以上を投じており、これらの投資の効果が見え始めた。
画像2 24’2Q Total Revenue 11.3B$ Consensus 10B$ Beat 1.3B$(※13億$もBeatするのは凄いです)EPS nonGAAP 3.92$ Consensus 2.76$ Beat 1.16$ Gross Margin(粗利率)80.8%、Operating Margin(営業利益率)32.9% Y/Y+7.3% Net Income(純利益)2.967B$(対売上比26.2%)営業コスト、一般管理費 5.418B$(対売上比47.9%)強固なビジネスモデルですね。
画像3 Mounjaro(2型糖尿病治療薬)※Zepboundも含まれる 売上高推移:2Q Revenue 3.09B$ Q/Q+71.1%、Y/Y+215.5%と物凄い成長ぶりです。右側のグラフを簡単に説明しますと、糖尿病治療薬市場全体規模を表すのが青線のMarket、その市場に対しEli Lilyのインクリン注射薬に関する市場シェアとボリュームの推移が緑グラフ、赤のグラフがMounjaroの市場シェアとボリュームで市場規模、Mounjaroの需要ともに拡大しているのが分かると思います。
画像4 Eli Lilyのポートフォリオの中でMounjaroの次に需要が高いVerzenioという乳がん治療用の売上、市場規模の推移グラフです。今期の売上は1.332B$と前年同期比+43.7%、前期比+26.8%とこちらも著しく成長している治療薬です。米国市場ではY/Y+46%、その他欧州、中国、日本市場ではY/Y+39%も増加しており、マーケットシェアをほぼ独占している治療薬です。
画像5 24通期ガイダンス:Eli Lilyは通期のガイダンスを引き上げました。Revenue 42.4B$~43.6B$→ 45.4B$~46.6B$と下限で+7%、上限で+6.4も引き上げております。EPS nonGAAPも、13.50$~14.00$→ 16.10$~16.60$と下限で+19.3%、上限で+18.6%と大幅に引き上げております。
画像6 まとめ:初期のアルツハイマー治療薬KisunlaのFDA承認だけでなく現在Phase3の臨床試験に11もの新薬を送り込んでいるEli Lily。ポートフォリオも2種類のブロックバスターを抱え、さらに候補も育ってきております。Tech企業ばりの成長率ですがValuationはかなり高めで、2025年のFWDP/Eでも43倍あります。これはトップラインの成長が2桁の中盤~後半の成長率を誇らないと売られるレベルだと思いますので、新たに入る場合はその時のValuationに十分注意してください。

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