Cyber Security Secterのリーダー企業Crowd Strike(CRWD)の25’3Q決算分析記事,大規模システム障害の補償はやはり大きかった。しかし未来の収益に繋がる大きな可能性を感じる内容でもありました。
7月19日に起きてしまった大規模なシステム障害から早4ヶ月強、あの日以降今回で2回目の決算になります。
既存顧客離れの懸念や新規顧客獲得に影響が大きいと見られており、当時株価は$377.87から10営業日で$143.76も下落(-38.05%)するという信頼の根幹を揺るがすような懸念が投資家の間を駆け巡りました。
しかしその懸念とは裏腹にCyberSecurityセクターの代表格とも言える存在であるCrowdstrikeを企業は変えなかったのです。(色々な意味はあるかと思いますが契約保持率97%は恐らく誰も予想していなかった数字だと思います)
2025年度会計年度における最終ARR(新規年間経常収益)が$4.0Bを超えてきたのはKurtz CEOも仰っている通り、あまり例がないと思います。
とはいえ前年同月比での成長率は下落基調になっている為、こういった所に微妙に影響が出ているのも事実だと思います。
CrowdstrikeのFalconプラットフォームは顧客が自社のセキュリティ要件や運用プロセスに合わせて柔軟にカスタマイズできる設計となっており、顧客の多様なニーズや環境に適応し効果的なセキュリティ運用をしております。
この顧客が離れない理由の一つ、Falconプラットフォームの特徴でもある
”サードパーティー製セキュリティツールと統合について以下に解説してみたいと思います。
APIベースの統合
FalconプラットフォームはRESTful APIを提供しており、外部のソフトウェアやツールとデータをやり取りする仕組みを簡単に構築できます。
例えばSIEM(Security Information and Event Management)ツールやSOAR(Security Orchestration,Automation,and Response)プラットフォームと接続し、Falconから得られる脅威データやアラートを直接これらのツールに送信して分析や自動対応を可能にします。
例として、SplunkやIBM QRadarなどのSIEMソリューションと統合し、Falconで検知した脅威の詳細をリアルタイムで共有、これにより包括的な可視化や分析が可能になります。
カスタムワークフローの自動化
Falcon Fusion(SOAR機能)を活用する事でサードパーティーツールと連携した自動化ワークフローを簡単に構築できます。
例えば、Falconで特定の脅威が検知された場合に、自動でチケット管理ツール(ServiceNowなど)にインシデントを登録し、対応チームに通知を送る事ができます。
既存ツールとの連携テンプレート
Crowdstrikeは多くの企業で利用されている一般的な連携ツールと連携テンプレートやプラグインを提供しております。これによりITチームが一から統合を開発する必要が無く短期間でシステムに統合可能です。
例えば、Microsoft Sentinel(クラウド型SIEM)との連携テンプレートを利用してFalconの脅威ログをそのままSentinelに取り込む設定が容易。
データ連携のリアルタイム性
Falconプラットフォームはクラウドネイティブな設計の為、リアルタイムで他のツールとの連携を実現します。これによりデータを即時に共有し、タイムラグの無い脅威対応が可能になります。
例として、Falconがランサムウェアを検知⇒自動で次世代ファイアウォール(NGFW)に通知し、脅威が発生したIPをブロックします。
一貫性のあるセキュリティエコシステムの構築
サードパーティーツールとのシームレスな統合により、顧客は既存のセキュリティツール群とFalconを一体化させることができます。これにより個別のツールを運用する際のギャップや手作業によるミスを防ぎ、一貫性のあるセキュリティエコシステムを実現します。
この様にFalconプラットフォームはAPIや統合テンプレートを活用し、SIEM、SOAR、チケット管理ツール、ネットワーク防御システムなどの多様なツールとリアルタイムで連携できます。
この自社のニーズに合わせたカスタマイズの豊富さと既存システムとのシームレス統合が多くの顧客に受け入れられているのです。
この後は財務諸表なども含めて決算の中身を掘り下げていきたいと思います。
※個別銘柄に言及する内容が多く含まれますが、筆者の知識や経験を基に独自の見解を述べているものであって売買を推奨するものではありません。
この先に進まれるかたはこの件に同意いただいたものとさせていただき、
損益に関する一切の責任は負わないものとさせていただきます。
Crowdstrikeの生成AIを活用したインフラストラクチャー
実際にCrowdstrikeは生成AIを自社プラットフォームのFalconにどのように組み入れているのか、またどこの企業とパートナーシップを活用しているのかなどご存知ない方も多いと思いますので少し掘り下げて見て行きます。
AIの統合と活用方法
脅威検知の強化:Falconプラットフォームは機械学習(ML)やディープラーニング(DL)モデルを活用し、未知の脅威やゼロディ攻撃をリアルタイムで検知します。これにより従来のシグネチャーベースの手法では見逃しがちな攻撃も早期に発見できます。
自動化された対応:AIを活用して脅威の検知から対応までのプロセスを自動化し、セキュリティチームの負担を軽減し迅速な対応を可能にしております。例えばFalcon Fusionは反復的なタスクの自動化や脅威の調査、対応のオーケストレーションを強化します。
Crowdstrikeは生成AIを活用した自社開発のCyberSecurity 分析機能『Charlotte AI』を導入してユーザーが自然言語で脅威情報を取得し、対応策を策定できるよう支援しております。これによりあらゆるスキルレベルのユーザーが熟練した専門家と同じように侵害を阻害できるようになります。
トレーニングと推論のインフラストラクチャ
CrowdstrikeはGoogle Cloudとの戦略的パートナーシップを拡大し、AIを活用した脅威検知とセキュリティオペレーションを強化しております。この協力によりAIモデルのトレーニングと推論の効率性と効果が向上しております。
クラウドベースのアーキテクチャ:Falconプラットフォームはクラウドネイティブな設計となっており、スケーラブルで柔軟なリソースを活用して大量のデータをリアルタイムで処理分析をしています。
データレイクの活用:Crowdstrikeは膨大なセキュリティ関連データを収集、蓄積しAIモデルのトレーニングに活用しています。これにより最新の脅威情報や攻撃パターンをモデルに反映させ検知制度を向上させています。
この自社開発のFalconプラットフォームとCharlotte AIの組み合わせがClowdstrikeのAI-Native Security Platformであり、この市場規模は2025年にはおよそ$116B、2029年にはなんと$250Bにも成長すると見ているようです
25’3Q決算ハイライト
このあとは25’3Qの決算ハイライトを見て行きたいと思います。
25’3Q中に新規で契約したARRは$153Mと前年同期比を31.4%も下回ってしまっております。同様に25’1Qは$212M、25’2Qは$217.6Mと約28%も下回ってしまっておりますので季節性の影響なのか、システム障害の影響かは分かりませんが認識しておくべき事実だと思います。(下記参照)
新規ARRの減速の影響もあり25’3Q終了時のARRは伸び率は27%と30%台と割り込んだものの、合計で$4.018Bとなかなか他の企業では出せない数字を計上しております。
サブスクリプション収入も前年同期比で30%以上成長しておりますし、結果的に全体売上高も四半期ベースで$1Bを超えて来るようになりました。
次に利益部分やフリーキャッシュフロー部分ですが、恐らく上記のAIインフラに対するコスト増が利益を圧迫している感が見られます。
売上やARRが順調に伸びているにもかかわらず営業利益の伸び率が鈍化、EPS成長率も13%しか伸びていない背景は、右下のフリーキャッシュフロー成長率の悪化にも表れているように、営業コスト(恐らくAIインフラの利用費用や研究開発費)が重くのしかかっている状態が浮かびます。
これはCrowdstrikeに限った事ではなくAIを活用したソフトウェア企業の宿命でもあり、自社でAIインフラの設備投資ができない企業はハイパースケーラーのインフラを活用せざるを得ない背景があります。
その上AIはどんどん進化していくため、自社ソフトウェアもアップデートしていく必要がありますし結果的に研究開発費が増えて行く事になります。
このバランスがうまく取れる企業がおそらく今後も伸びて行くのでしょう。
こちらはGAAPベースのIncome Statementですが見ての通り赤字です・・・
前記した営業コストや一般管理費、研究開発費の増加がCrowdstrikeの財務状況を悪化させてしまっております。
売上高:前年同期比+28.5%⤴
営業コスト:前年同期比+30.8%⤴
Sales Marketing費用:+42.7%⤴
研究開発費:+40.6%⤴
Total Operating Expenses:+37.9%⤴
結果営業赤字:$55.723M(5572万3000ドルの赤字)
純損失:$16.819M(1681万9000ドルの純損失)
ソフトウェア企業の場合優秀なエージェントを確保する為にストックオプションを導入している企業が多くありますので、Crowdstrikeも恐らくそうだと思います。その為nonGAAPでは黒字収益を報告していても、こういった特別損失を計上すると途端に赤字になってしまう事がしばしばあります。
その為現状が赤字だからと言って必ずしも悲観する事は無く、Crowdstrikeの場合成長を取り戻せるか(伸ばせるか)が今後の株価の変動の鍵を握っているのでしょう。
幸いにしてCashは潤沢にある企業なので、当面の課題はこの著しく増加しているコスト面をどう管理できるかが今後の収益の肝になりそうです。
※前年同期の約3.7倍の額の有形固定資産を購入しております。恐らく自社開発AIの設備投資と思われますが、GPUを購入しているのかは分かりません。
(とにかくAIはお金が掛かるという事がはっきりお分かりかと思います)
25’4Qガイダンス、25’通期ガイダンス
続いて来期ガイダンス、通期のガイダンスも一部発表されておりますので見て行きたいと思います。
25’4Qガイダンス
Revenue $1.029B~$1.035B Consensus $1.02B~$1.08B
(下限値は引き上げられましたが上限値が引き下げされました)
Operating Income $184.0M~$189.0M(売上比17.9%~18.3%)
EPS nonGAAP $0.84~$0.86 Consensus $0.84~$1.04
(下限値はInline、上限値は引き下げられました)
正直良いガイダンスでは無いと思います。
25通期ガイダンス
Revenue $3.924B~$3.931B Consensus $3.89B~$3.96B
(下限値が引き上げられ上限値が引き下げられました)
Operating Income $804.4M~809.4M(売上比20.5%~20.6%)
※3Qは売上比19.3%なので1%以上改善する形です。
EPS nonGAAP $3.74~$3.76 Consensus $3.57~$3.87
(下限値が引き上げられ上限値が引き下げられました)
Headwinds(逆風)
内容: 7月19日のインシデントに関連する逆風により、ビジビリティ(事業の見通し)が制限されていることが強調されています。この逆風には、インシデント後数週間の営業活動の遅延、新規および既存顧客に対する販売サイクルの長期化、顧客コミットメントパッケージの導入によるアップセル率の低下や、契約終了の増加の可能性が含まれています。
ARR & Revenue CCP Impact(ARRおよび収益へのCCPの影響)
内容: ビジビリティが引き続き制限されている中、Q4(第4四半期)の新規ARR(年間経常収益)およびサブスクリプション収益に対し、顧客コミットメントパッケージ(CCP)が約3,000万ドルの影響を与えると予想されています。
Near-Term ARR & Revenue Modeling(短期的なARRおよび収益モデリング)
内容: 短期的な収益モデリングにおいて、過去のARRの季節性を考慮するよう求めています。また、ARRとサブスクリプション収益は短期的には切り離して考慮すべきであるとしています。詳細は、Fal.Con 2024の投資家向けプレゼンテーションで補足されています。
Additional GAAP Tax Expense(追加のGAAP税費用)
内容: 過去の買収に関連して、Q4に約5,800万ドルの追加GAAP税費用が発生する予定です。
Non-GAAP EPS(非GAAP EPS)
内容: 11月20日にAdaptive Shieldを買収したことが、Q4の非GAAP EPS(1株あたり利益)に1~2セントの影響を与えると見込まれています。
Free Cash Flow(フリーキャッシュフロー)
内容: Q4のフリーキャッシュフローは、7月19日のインシデントによる影響がQ3よりも顕著になると予想されています。特に、顧客コミットメントパッケージの柔軟な支払い条件、営業費用の増加、およびG&A(一般管理費)コストのタイミングと規模が影響を及ぼすとされています。そのため、Q4ではフリーキャッシュフローのマージンレバレッジが見込まれていないことが記載されています。
ガイダンスが弱い理由が資料にまとめられておりましたので掲載させていただきましたが、やはり爪痕は大きくそれなりに事業に影響を与えている点が見て取れます。
この点はマイナス要素ではありますが、逆に言えばこういった逆風下でもこれだけの決算が出せる企業だとも言えますので、短期的にはマイナスでも中期~長期目線ではリーダー企業であることは間違いないと思いますので、長い目で見るのも良いかと思います。
決算カンファレンスコール
George Kurtz - Chief Executive Officer & Founder
マリア、そして皆さん、25年度第3四半期決算説明会にご参加いただきありがとうございます。本日のコメントではまず、今期と私たちの明るい未来について、私をわくわくさせる3つの重要なテーマをお話ししたいと思います。
第一に、信頼です。 顧客、パートナー、市場がCrowdStrikeに寄せる信頼です。 最終ARRを前年比27%以上成長させ、安定したグロス維持率を維持しました。
第二に、プラットフォームの普及です。 Falcon Flexのサブスクリプションモデルは、Falconプラットフォームの採用を加速させています。
CrowdStrikeでは、サイバーセキュリティの統合は迅速で、ROIは測定可能です。 Falcon Flexは、サイバーセキュリティのAIネイティブプラットフォームとしてのCrowdStrikeをさらに発展させ、当社のシェアと企業資産の両方を拡大しています。
そして第三に、クラウドからデバイスへ、データからGenAIへ、アプリケーションからアイデンティティへ、コンプライアンスからレジリエンスへと、先駆的なイノベーションを展開している。
当社のイノベーションは、従来の市場を破壊し、新たなカテゴリーを創造します。 CrowdStrikeは、AIを活用したサイバーセキュリティの未来をリードしています。
信頼、プラットフォーム導入、イノベーションというテーマは、CrowdStrikeの顧客に対する執着心と継続的な強力な実行力の指針となっています。
第3四半期に見られたいくつかの展望を述べたいと思います。
第一に、ファルコンの顧客は、信頼できるサイバーセキュリティ・プラットフォームとしてCrowdStrikeを選択し続けています。
第3四半期の総保持率は97%以上で、0.5ポイント未満の低下でした。 維持率の強さは、顧客がファルコンのプラットフォームから受け取る価値によってもたらされた。
第二に、ファルコンの顧客は当社とともに成長しています。 第3四半期のドルベースの正味継続率は115%でしたが、これはインシデントによる一時的な影響であり、顧客がCrowdStrikeへのコミットメントを強化していることを反映しています。
顧客は、CrowdStrikeへの長期的な投資を増やし、Falconプラットフォームの採用を増やすために、当社の顧客コミットメントパッケージとFlexサブスクリプションモデルを活用しています。
そして3つ目は、市場セグメントにおける主要な垂直分野で並外れた力強さが見られることです。
ヘルスケアは、プロバイダーがサイバーセキュリティの重要性に投資しており、標的型攻撃が激化していることから、記録的な四半期となりました。
従業員数2,500人以下の組織を担当する当社の法人営業チームは、ファルコンフレックスと競合他社の買収成功の恩恵を受け、過去最大の四半期となった。
当社は最近、急成長しているSaaSセキュリティ・ポスチャー・マネジメント(SSPM)市場のリーディング・ベンダーであるAdaptive Shieldの買収を発表しました。
Adaptive Shieldは、当社のAIのリーダーシップの上に構築され、CRMツールからクラウドバックアップ、労働生産性まで150以上のネイティブ統合により、急成長するSaaS脅威プレーンを無比にカバーします。
さらに重要なことに、Adaptive Shieldは、すでに複数の統合が完了しており、当社のクラウドとアイデンティティセキュリティの両事業を補完するものとして完璧に適合しています。
クラウドセキュリティにおいて、Adaptive Shield を当社の中核機能である Falcon Cloud Security と組み合わせることで、クラウドセキュリティとアイデンティティセキュリティの両事業を補完することができます。
クラウドセキュリティでは、Adaptive Shieldと当社のコア機能であるFalcon Cloud Securityを組み合わせることで、最も広範なクラウドセキュリティエコシステムをカバーすることができます。
この動きは、BionicとFlowの最近の買収と同様に、当社の有機的な発展の両方を基盤としています。 Adaptive Shieldにより、CrowdStrikeは、コードデータから、今やSaaSからランタイムまで、ランタイムを中心としたエンドツーエンドのクラウドセキュリティスイートを提供する唯一のプラットフォームとなります。
Identity Protectionの中で、Adaptive Shieldは継続的な有機的革新の上に構築されています。 Identity Protection モジュールを発表して以来、CrowdStrike は常にアクティブディレクトリ環境をクラス最高のカバレッジでカバーしてきました。
しかし、Adaptive Shieldにより、CrowdStrikeは、潜在的に悪意のあるユーザー行動が行われるIDを保護することができるようになりました。
デバイス上であれ、クラウド上であれ、SaaSアプリケーション上であれ、CrowdStrikeは重要なIDのタッチポイント全体に包括的な保護を提供します。
CrowdStrikeは最近、Microsoft Entra ID(旧Azure Active Directory)のサポートを発表しました。
これによりCrowdStrikeは、規制の厳しい企業からクラウド生まれのAIディスラプターまで、マイクロソフトのすべてのお客様に対して、急速に台頭しつつあるアイデンティティの脅威ベクトルを保護することができるようになりました。
同業他社であるServiceNowやSalesforceと同様に、当社は先進的なAIモデルを使用して、プロアクティブで自律的な成果を提供している。
Charlotte AIは、特定のセキュリティ目標を達成するために、観測されたデータに基づいて行動を起こすことができます。
チャットボットの能力をはるかに超えて、Charlotteは、伝統的にすべてのセキュリティ担当者のための労働集約的なプロセスである検出トリアージを自動化することにより、人的資本ニーズの重要なスキルギャップに対処します。 Charlotte AI Detection Triageは、ファルコンが日常的なEDR調査タスクのかなりの量を排除すると発表した。
Charlotteは、ファルコンプラットフォーム独自のデータの優位性、CrowdStrikeの高度にキュレートされた脅威データ、および忠実度の高いセキュリティイベントを活用し、お客様の利用を通じて進化し続けています。
Charlotte AIは、時間の節約とワークフローの自動化を求める顧客の需要に後押しされ、過去最高の3桁成長を記録しました。
当社のテクノロジー・パートナーは、当社と共に勝利を収め続けています。 私たちは、出荷台数でファイアウォール市場の世界的なシェア・リーダーであるフォーティネットとの戦略的パートナーシップを発表しました。
フォーティネットはすでに私たちを彼らのアカウントに取り込んでおり、私たちも同じことをしています。
Pax8マーケットプレイス、NinjaOne、およびCrowdStrikeと契約している大手MSPを通じて、当社のMSSPビジネスは3桁のペースで急拡大を続けています。 最後に、第3四半期にSHIは4社目の10億ドルパートナーとなり、ファルコンプラットフォームを顧客に提供しました。
バートに電話を引き継ぐ前に、CrowdStrikeのミッションである侵害の阻止に献身してくれたCrowdStrikerの皆さん、CrowdStrikeの勝利に貢献し、CrowdStrikeとともに大きなビジネスを構築し続けてくれたパートナーの皆さん、そしてもちろん、CrowdStrikeへのコミットメントと揺るぎない信頼を寄せてくれた顧客の皆さんに感謝したいと思います。
では、CFOのバート・ポッドベアに電話を回します。
Burt Podbere - Chief Financial Officer
当社の顧客コミットメント・パッケージは、プラットフォームとモジュールの導入拡大に貢献している。 5、6、7 以上のモジュールを持つサブスクリプション顧客は、それぞれサブスクリプション顧客の 66%、47%、31%に増加した。
特筆すべきは、当四半期にモジュール採用の新たなマイルストーンに到達したことで、8つ以上のモジュールを持つ顧客がサブスクリプション顧客の20%に増加しました。
このようなモジュール導入の拡大とファルコン・フレックス・プログラムの勢いは、当社の顧客コミットメント戦略と、2026年度後半から純新規ARRの伸びを再加速させる能力に自信を与えてくれます。
第3四半期の非GAAPベースの営業費用合計は、前年同期の4億3,610万ドルに対し、5億9,170万ドルでした。
前回の決算説明会で説明したとおり、当社は2025年度計画への投資を継続し、研究開発、品質保証、顧客サポート・プログラムを強化しました。
見通しに目を向けると、ドルベースのグロス維持率が引き続き高いことが心強い。 顧客がより多くの製品またはフレックス・ドルを選択することを前提とした顧客コミットメント・パッケージの成功、ファルコン・プラットフォームの継続的な力強い採用、モジュール採用率の増加、パイプラインの前四半期比の増加。
これらのポジティブな指標はすべて、2026年度後半から新規ARRの純増加を再加速させる当社の能力を確信させるものである。
しかし、7月19日の事件後、大半のアウトバウンド・パイプライン創出活動が数週間遅延したこと、新規・既存顧客ともに販売サイクルが延長されたこと、顧客コミットメント・パッケージの展開が継続されたことなど、前四半期に説明した7月19日の事件に関連する逆風を考えると、当面の見通しは限定的である。
通常、アナリストの予測についてコメントすることはないが、大半のアナリストが第3四半期から第4四半期にかけての新規契約ARRの季節性を過去の水準を大幅に上回るモデルとしていることに留意したい。
モデルを更新する際には、過去の連続的な季節性を念頭に置いていただきたい。 さらに、前四半期に説明したように、ARRとサブスクリプション収入のモデルは、顧客のコミットメントパッケージを考慮すると、短期的には切り離す必要があります。
Fal.Con 2024の投資家向けプレゼンテーションには、このダイナミックな動きに関する追加の詳細が記載されています。
ガイダンスに移ります。 2025年度第4四半期の総収益は、前年同期比22%増の10億2,870万ドルから10億3,540万ドルの範囲になると予想しています。
非GAAPベースの営業利益は1億8,400万ドルから1億8,900万ドルの範囲、クラウドストライクに帰属する非GAAPベースの純利益は2億1,090万ドルから2億1,580万ドルの範囲になると予想しています。
希薄化後のCrowdStrikeに帰属する非GAAPベースの1株当たり純利益は、希薄化後の加重平均株式数を約2億5,200万株として、約0.84ドルから0.86ドルになると予想しています。
2025年度通期については、前年度比28%から29%の成長率を反映し、現在のところ総収入は39億2,380万ドルから39億3,050万ドルの範囲になると予想している。
非GAAPベースの営業利益は8億440万ドルから8億940万ドルを見込んでいる。 2025年度のクラウドストライクに帰属する非GAAPベースの純利益は9億3,750万ドルから9億4,260万ドルになると予想しています。
希薄化後の加重平均株式数を約2億5,100万株とすると、CrowdStrikeに帰属する非GAAPベースの1株当たり純利益は3.74ドルから3.76ドルの範囲になると予想しています。
まとめ
かなり長いKartz CEOのコメントでしたが、投資家さん達に訴えかける熱いメッセージのような思いを感じ取った気がします。
3Qの内容と4Qのガイダンスに関してはやはり7月のシステム障害による特別損失の影響はそれなりに大きいと、前期からの決算内容を見て感じました。そもそも時価総額$89Bの規模であり(Palantirより小さい)売上高も四半期ベースでようやく$1Bを超えてきた企業が数千万ドルの補償を払っているわけですから、財務状況への影響は少なくありません。
この点から見ても短期で保有をされておられる方は株価が伸び悩む可能性があるので、一旦の利確もありだとおもいますし中期以上でお考えの方は補償や訴訟問題が落ち着けばそれまでのCrowdstrikeに戻るとも考えられます。
今回の決算を見ていて過去のCrowdstrikeから大きく2つのポイントで進化していく様を感じる事ができました。
一つ目は自社開発の生成AIを活用したCyberSecurity 分析機能である『Charlotte AI』。この自然言語による対応モデルによってユーザーは直観的で分かりやすい回答が得られるようになり、この機能によってセキュリティに対する知識が専門的でない方でもFalconプラットフォームを使いこなす事ができるようになる優れものです。
要はより多くの人がこのCharlotte AIに触れる事で専門的なサポートを受ける事ができ、Falconプラットフォームと連携して様々なセキュリティプラットフォームを構築する事ができる様になったという点です。
もう一つはSaaS SecurityのリーダーであるAdaptive Shildの買収です。
元々Adaptive Shildは150以上のSaaSアプリケーションに対するセキュリティポスチャーマネジメント(SSPM)を提供しており、この買収によりCrowdstrikeはSaaSアプリケーションの設定ミスやデータ漏洩リスクを包括的に可視化、管理できるようになります。
またAdaptive Shildの技術を統合する事でCrowdstrikeはオンプレミスのActive Directoryからクラウドベースのアイデンティティプロバイダー、さらにはSaaSアプリケーションに至るまで包括的なアイデンティティ保護を提供する事ができるようになります。
これはFalconプラットフォームを強化する事につながり、セキュリティ標準規制、AI設定の制御によるデータ漏洩防止が可能となりAI統合アプリケーションのセキュリティが向上します。
あくまで個人的な見解ですが上記の様にCrowdstrikeは既にAI戦略での勝ち組のレールに乗っている企業だと思われ、現時点での懸念は営業コストや研究開発費などの高騰による財務状況の圧迫だと思いました。
しかしこれは自社の努力によって改善できる問題であり、時間が経てば新規ARRもまた伸びて来る事は想像できます。
もう一つ、Fortinet社との戦略的パートナシップは意外でした。
Fortinetは元々ファイアウォールに強い企業でPalo Alto Networksとビジネスアプローチが近かった企業です。現在のPalo Altoは方向を少し転換しておりますがこの両者のパートナーシップは双方に利益がある提携だと思います。
こういったいくつかの点を踏まえても、Crowdstrikeの評価を直近数ヶ月の目に見えるガイダンス程度で判断するのは非常にもったいないと個人的には思っているので、私はこのままHoldし続ける予定でおります。
かなり長くなってしまいましたが今回の分析は表面上の数字だけでは決して分からない部分が見られた気がします。そしてこれが保有し続ける根拠になり得、結果的に企業の成長果実を受け取る可能性が高まる事だと思いました。
最後までお読みいただきありがとうございました。読者様にとって私の記事が有益な情報になる事を心よりお祈りしております。