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1/20~1/24の振り返り, 第二次トランプ政権が発足しました。投資家のセンチメントは急速に回復傾向にあり、Fear and Greed Indexは週間で12ptも上昇。株式市場ではFOMOとValuationの綱引きが行われております。

1/20(月)大統領就任式の後、早速トランプ大統領は矢継ぎ早に多くの大統領令に署名いたしました。1/19(日)に米国内でTikTokが利用できなくなった最高裁判例に対し、司法長官に"私の政権が今後の適切な方針を決定する機会を与えるため、今日から75日間 "禁止令を施行しないよう指示いたしました。ですがここで大きな疑問が・・・なんとあれだけ市場が警戒していた関税に関する大統領令が署名された内容を見ても公表されていないのです。

この件は翌日以降徐々にトランプさんが考えている事と共に明確になって行きます。まず言及したのは対メキシコ、対カナダの2か国に対する25%の関税を2/1から発動させる事を考えていると発言しました。

ではなぜトランプ大統領は中国への関税よりもメキシコやカナダに対する関税の方を優先したのでしょうか? 背景や仮説を立てながら検証してみたいと思います。まず背景にあると思われるのは・・・

  • USMCA(United States-Mexico-Canada Agreement)改訂版北米自由貿易協定の再締結を早める為、メキシコとカナダを俎上に乗せる狙い

  • アメリカ第一主義を改めて主張し、貿易赤字の削減と製造業の雇用増加を選挙公約として謳ってきた背景がある

  • 中国に対抗する経済圏を構築したいと考えている

  • 大統領選挙時の支持層に対し雇用や賃金の向上を訴えてきた

他にももちろんあると思いますが一番大きいと思われるのはUSMCAの再交渉を有利に進める為と思われます。一見メキシコやカナダにとってかなり分が悪いように見える部分もありますが、この貿易協定(USMCA)はなんと年間約2兆ドルもの貿易を管理している協定で両国にとってメリットも多くあるのです。そのいくつかを下記に列挙したいと思います。

テキサス州エルパソの対岸、メキシコのシウダー・フアレスから米国への横断を待つトラクタートレーラー。
  1. 自動車産業におけるメリット

    1. 原産地規則の強化(北米産部品の使用増加)

      1. この規制によって米国だけでなくメキシコやカナダの自動車部品産業も需要の恩恵を受けております。

    2. 労働基準の改善

      1. メキシコ国内の労働者にとってはより高い賃金を得られるようになり、労働環境が改善する可能性が大きい

  2. 貿易の安定性と向上

    1. カナダとメキシコにとって米国市場への無関税アクセスが維持されたことは最大のメリットで、北米3か国間の貿易関係が安定し海外投資家もメキシコやカナダに対して安心して投資が行える環境になった。

  3. 農業分野でのメリット

    1. メキシコやカナダの農産物は米国市場での競争力を維持しており、両国の輸出の安定が保証されております。

  4. デジタル貿易の促進

    1. 電子商取引やデジタル商品の関税が禁止され、メキシコとカナダもデジタル市場の恩恵を享受できます。

    2. カナダやメキシコのテクノロジー企業は米国とのデジタル取引の円滑化によって多くの成長が見込まれます。

この様にUSMCAは米国にとって有利な貿易協定なのですが、カナダやメキシコにとっても米国は巨大な貿易相手国でもあるので双方に恩恵も大きいのです。トランプさんはより有利な条件に改定したく、カナダは一方的な関税措置に対抗する仕組みを盾にして抵抗しております。米国によってはカナダやメキシコは非常に大事な貿易相手国でもある為、移民流入やフェンタニル流入も理由に再交渉の席に着かせようとしているのだと思います。

こうした背景に対しカナダ国内では以下の影響が既に出ている様です。

エコノミストは、トランプ大統領の計画はカナダ全土に大きな経済的混乱をもたらす可能性があると警告している。 米国からカナダへの輸出品すべてに25%の関税が課されれば、カナダ経済は不況に陥り、国内総生産は3%も押し下げられる可能性がある。 報復関税はその痛みに拍車をかけるだろう

先月、カナダ中銀のティフ・マクレム総裁は、トランプ大統領の関税の脅威が景況感を悪化させ、投資計画を一時停止させていると警告した。
関税はカナダ経済に広範な混乱を引き起こすだろう、とマクレム氏は述べた。
先月実施されたカナダ銀行の調査によると、関税の脅威はすでにカナダ企業に影響を及ぼしている。 経営幹部は、米国の関税によるインフレ率の上昇を恐れている。 売上予測を下方修正し、雇用や投資計画を縮小する企業もある。
「業界団体である全米対外貿易協議会のジェイク・コルビン会長は、「企業は今後数週間から数ヶ月の間に出てくる具体的な政策に基づいて決断を下すことになるだろう。 「それまでの間、企業は不確実性と共存し、さまざまな関税のシナリオに備えてできる限りの準備をしなければならない。

トルドー首相が辞任する背景という凄まじい圧力なのだと改めて認識します


トランプ大統領が署名したその他の大統領令

その他に就任初日に署名をした大統領令を列挙してみます。

出生権付き市民権の廃止: トランプ大統領は就任初日、自動的な出生権市民権の承認を終了させることを含む、いくつかの移民関連の大統領令を制定した。 火曜日には、十数州の司法長官がこの命令は憲法修正第14条に違反するとして訴訟を起こした

1月6日の恩赦:トランプ大統領は月曜日、2021年1月6日の国会議事堂襲撃事件に関わったほぼ全ての被告に完全な恩赦を与え、6人の刑を減刑したことを明らかにした。

連邦政府のDEIプログラムの停止:大統領は、連邦政府全体の多様性・公平性・包摂プログラムを終了する命令に署名した。

性自認:大統領は、個人の表明された性自認ではなく、生物学的性別を認める方針を打ち出した。 今後、「男性と女性の2つの性別しか存在しないというのが、米国政府の公式方針となる」と述べた。

貿易と関税:トランプ大統領は、2月1日にカナダとメキシコからの輸入品に25%の関税をかけることを目標としていると述べた。 トランプ大統領は、中国や北米の同盟国との連邦政府の貿易慣行や政策を分析するよう連邦政府機関に指示する予定であり、世界中の商品に普遍的な関税をかける準備はできていないとしながらも、この発言をした。

TikTok禁止令の一時停止:トランプ大統領は、TikTokが米国での禁止令を阻止するための取り決めを行う時間を与える大統領令に署名した。ホワイトハウスのウェブサイトに掲載された文書によると、トランプ大統領は司法長官に、"私の政権が今後の適切な方針を決定する機会を与えるため、今日から75日間 "禁止令を施行しないよう指示していた。

パリ協定からの離脱:大統領はパリ協定から離脱する命令に署名し、気候変動と戦うための前政権の努力に関連するいくつかの大統領令を撤回した;

国家エネルギー緊急事態を宣言: トランプ大統領はまた、国家エネルギー緊急事態を宣言した。これは、連邦政府がエネルギープロジェクトの許可要件を削減し、発電所建設を迅速に進め、化石燃料の輸出規制を緩和することを可能にする行動である。

世界保健機関(WHO)からの脱退: 大統領は、米国をWHOから脱退させるというパンデミック時代の公約を実行に移した。 1期目のトランプは、国連機関を "中国の傀儡 "と呼んだ後、2020年7月に米国をWHOから脱退させようと動いた。 前大統領ジョー・バイデンは、2021年1月の就任初日にこれを撤回した。

連邦政府の「兵器化」:トランプは司法長官に、過去4年間の動きが連邦政府の「兵器化」にあたるかどうかを判断するため、すべての法執行機関の仕事を見直すよう命じた。 国家情報長官に対しても、同様に情報機関の活動を調査するよう指示した。

マスクのDOGEを強化:大統領は、イーロン・マスク率いる政府効率化省を設立する大統領令に署名した。 また、連邦政府民間人の雇用凍結や、行政府内の労働者に対面勤務への復帰を求める命令も制定した。

ランドマークの改名:大統領は、メキシコ湾とデナリの改名を計画している。メキシコ湾はアメリカ湾と改名され、デナリは再びマッキンリー山と呼ばれることになる。
引用元:A Wall Street Journal Roundup

この中でも出生権付市民権の廃止については先日司教がトランプ大統領に諭すようなコメントをし、トランプさんが司教に対して謝罪を要求する事態に発展。他にも大統領令の停止を求めた提訴まで起きているので必ずしも全てが決定されるわけでは無いかもしれません。

今週の株式市場にとって影響が大きかったのは国家エネルギー緊急事態宣言や、Oracleのラリー・エリソンCEO、孫正義Softbank会長、OpenAIのサム・アルトマン氏らのAIに対する民間投資(総額5000億ドル規模のStarGate計画)の影響が大きい企業の株価が急騰した事ではないでしょうか。

Elon Musk氏がこの件に対して疑問を呈している報道も出ましたが、現在の株式市場は ”期待先行で上昇する相場”ですので乗れる時には上手く波に乗っておきたいと思います。

今週のマーケットの振り返り

今週の株式市場はトランプ大統領への期待や発言に影響するセクターや銘柄に大きく買いが集まり、主要株式4指数は全て週間でプラス。
他の要因としてはドル安に伴う金利下落から始まった株高の印象でした。

DJI,SP500,NASDAQ,Russell 週間でパフォーマンス比較チャート

個別銘柄でも週間で下落した大型銘柄は中国市場が不振のAppleが-2.4%、Teslaが-1.75%ですが、Nvidiaは+6.78%、Microsoftは+4.59%、Amazonも+6.43%と強い値動きをしておりました。SP500指数は今週、今年初めての史上最高値を更新し本日の引け値でも6100ptをキープしております。

SP500主要株式週間パフォーマンスヒートマップ

市場金利も一旦は落ち着いている印象ですが一昨日までドルの下落と共に下落していた10年債利回りが昨日は反転上昇する様子でしたので、現在のドルインデックスと10年債利回りの相関は強くはなさそうです。

米10年債利回り、米2年債利回り 1ヶ月比較チャート

暗号資産ではBTC/USDが週間で+0.69%、ETH/USDが週間で-4.42%、SOL/USDが週間で+15.73%と明暗が分かれた形になりました。

今週発表された主な経済指標

今週発表された経済指標はあまり多くはありませんでしたが、その中でも

  • 失業保険申請件数が先週に続いて予想値を上回る

  • 製造業購買管理者指数が半年ぶりに50ptを回復(50.1に)

  • 反対にサービス業景気指数は予想値を大きく下回る結果になりました

  • これらを総合したPMIは52.4と50を上回ってはおりますが実はこの数字は4月以来の低水準でもあります

  • 中古住宅販売戸数は直近3ヶ月連続で増加、住宅ローンが中々下がらない背景ですが住宅市場が活況になってきております。

  • ミシガン大学期待インフレ率は1年先が3.3%と予想通りですが、5年先の期待インフレ率は3.2%とほとんど下がらないと予想する方の方が多かったです

  • ミシガン大学消費者信頼感指数は71.1(予想73.2)と70pt台は堅持

今週は金利や株価に影響しそうな経済指標はあまりありませんでしたが、水面下で関税の影響を警戒する多くの企業が雇用を絞ったり在庫確保に奔走したりと、この先の経済指標はあまり楽観視できるわけでもないと個人的に思っております。
今週後半の株式市場は弱含みの値動きが見られましたので、回復し始めた市場センチメントと合わせて来週の決算、FOMCに臨みたいと思います。

来週の経済指標と決算発表予定企業

来週(1/27~1/31)は月末週という事もあり相場に影響を与える経済指標が目白押しです。特に国債の入札やFOMC、週末のPCEは今後の政策に影響を与える可能性が大きい点や、政策金利によって各企業のConsensus指標にも影響を与える可能性も含みます。以下に列挙したいと思います。

  • 1/28(火)

    • 12月新築住宅販売戸数

    • 米中期2年物国債入札

    • 米中期5年物国債入札

    • 12月耐久財受注(コア耐久財受注)

  • 1/29(水)

    • 1月米消費者信頼感指数

    • アトランタ連銀GDPNow(Q4)

    • 米中期7年物国債入札

    • 1月FOMC初日

  • 1/30(木)

    • 新規失業保険申請件数(失業保険継続申請件数)

    • Q4 国内総生産(前期比)

    • Q4 GDP物価指数

    • Q4 個人消費支出価格指数

    • 政策金利発表

    • パウエル議長の会見

  • 1/31(金)

    • 12月個人消費物価指数(前月比、前年比)

    • 12月個人消費物価指数コア(前月比、前年比)

    • Q4 雇用コスト指数

    • 12月個人支出(前月比)

注目は30日と31日のFOMCとPCEデフレーターですね、今年の利下げ回数は1回しかないと見る動きが15%ほどありますが、インフレ面の懸念が大きくなってくれば雇用や企業側の雇用コストに影響が出始め、結果的に企業の業績悪化につながり株価下落という流れになりかねませんのでここは引き続き注視してまいりたいと思います。

来週決算発表予定企業

来週はMagunifisent Seven企業4社を含む多くの企業が決算を発表する予定です。

1/27~1/31 主な決算発表予定企業

27日月曜日はトランプ銘柄としても期待されている金融のSoFiや通信大手のAT&T、28日にはSYFやLCと言った消費者金融系企業や航空系企業。
29日には・・・

  • ASML(Premarket)

  • Microsoft(Postmarket)

  • Tesla(Postmarket)

  • Meta(Postmarket)

  • ServiceNow(Postmarket)※Celesticaは30日の可能性あり

と大手企業が5社も同日に決算発表をする予定です。
30日には年初来で株価が低迷しているAppleが決算発表を行う予定です。
個人的に注目しているのはMicrosoftとMetaで、MicrosoftはAzureの成長も注目なのですがAzure以外の成長がウォール街アナリストの間では注目されているようです。

前回の決算でもActivision Brizardを買収した影響によるゲーム市場での収益伸び率が突出していた経緯があり、このセグメントはMicrosoftにとって大きな事業の柱に成長しているのではと期待を寄せております。
先日2025年の投資計画は$80B(800億ドル)と巨額で過去最高と思われる計画を発表したMicrosoftですが、その傍らでトランプ大統領が発表した民間AIへの投資計画(StarGate計画)では技術的協力(インフラの利用)としかMicrosoftの名は謳われておりませんでした。

しかし実際の面では私がXに投稿した通りMicrosoftは$80Bの投資計画(OpenAIに対する追加の投資計画は一旦棚上げに)のみで、間接的に利益を得る事ができる立場に浮上したのではないかとの記事があり、CNBCがNadella CEOにもらったコメントを掲載しておりました。

これらの点からMicrosoftの決算内容では以下の点に注目したいと思います。

  • Inteligent Croud部門の収益成長率(特にAzure部門)

  • Copilot AIの収益化の進捗と今後の見通し(企業向けの値上げを発表)

  • Activision Brizardの買収に影響する事業部門全てに与える影響

  • StarGate計画に関する経営陣からのコメント

  • 今後の電力需要に対する企業としての投資や見解

もう1社はMetaでこちらも注目点は多くあります。

  • Meta AIによるデジタル広告収益の推移

  • Facebook、InstagramのDairy Active User数の伸び率

  • 欧州でのユーザー数の増加速度

  • Reality Labs部門の損失額の推移とメタバース戦略について

  • AIインフラ強化の為の投資(CAPEX)の見通し計画(2024年は380億~400億ドル、2025年は昨日600億ドル規模の計画を発表)

いずれもNvidiaを最大のサプライヤーと見る2社で、今後の投資計画はほぼNvidiaやTSMCの業績につながって行くと見て間違いないと思います。
そうした意味でも来週の決算発表は注目が集まりますね。

WSJ寄稿記事(Five Things to Know About Trump’s Energy Orders:トランプ大統領のエネルギー指令について知っておくべき5つのこと)

ここで今週私が読んだ記事の中で印象に残ったものをみなさまにもお伝えしたいと思います。株式の銘柄選定に大きく影響する内容だと思いますので知っておいて損は無いと思います。

トランプ大統領は、連邦政府の土地と水域に対する風力エネルギーのリースと許可を一時的に停止した

トランプ大統領は今週、アメリカのエネルギー資源を解き放ち、石油とガスをアメリカの繁栄と世界支配の柱にするという選挙公約を実現することを目的とした一連の大統領令に署名した。

トランプは化石燃料の開発と輸送、送電インフラの整備、ウラン生産と地熱エネルギーの促進を支援するよう、各省庁に指示した

この動きが彼の目標を達成するかどうかはまだわからないが、ワシントンからヒューストンまでの企業弁護士は、この変更がクライアントにとって何を意味するのかを見極めようとしている。

以下は、トランプ大統領のエネルギー政策について知っておくべき5つのことである。

気候変動はアウト、国家安全保障はイン

トランプ大統領の行政措置の中には、ジョー・バイデン前大統領による以前の命令を覆すものもあった。
バイデンは就任初日に、当時の大統領が気候変動危機と表現したものに立ち向かうよう各機関に指示する命令を出した。
その数日後、バイデンによる別の命令は、気候変動を米国の外交政策と国家安全保障の中心に据えた。 それがすべてなくなった。

トランプ大統領は、エネルギー価格の高騰は米国民と国家に対する積極的な脅威であるとして、エネルギー問題における主要な関心事に国家安全保障を据える国家エネルギー緊急事態を宣言した
さらに、大気中の温室効果ガスの濃度が公衆衛生を脅かしているという環境保護庁の調査結果を撤廃するための土台を作るかもしれない命令も出した。 トランプはまた、パリ協定から米国を再び脱退させた。
「調査会社クリアビュー・エナジー・パートナーズのアナリスト、ケビン・ブックは、「バイデンの大統領令の取り消しは、一つの行動であり、意味のあるものだ。

許可の迅速化、規制の緩和

トランプ大統領は、一部のエネルギー開発業者が長い間、シャベルを地面に入れるための大きな障害になっていると言ってきた規制を撤廃しようとしている。 大統領は、とりわけ連邦政府機関による国家環境政策法の実施を鈍らせようとする命令に署名した。

1970年に制定されたこの法律は、プロジェクトが環境に与える影響について連邦政府の審査を義務づけている。 環境保護団体は、慎重な審査が公益にかなうとして、エネルギー事業に対する多くの異議申し立てでこの法律を適用してきた。

トランプ大統領の命令によって、企業はパイプラインから送電線まで、あらゆるものの許可を取得しやすくなるかもしれないが、議会を通してこのプロセスの法制改革を可決する代わりにはならない、とアナリストは述べた。

風力発電への打撃

トランプ大統領は、連邦政府の土地と水域における風力発電のリースと許可を一時的に停止した
多くのアナリストによれば、すでに建設中の洋上プロジェクトが影響を受ける可能性は低いという。 この命令には、既存のリースの見直しも含まれている。 今後のプロジェクトには大きな疑問符がつく。

洋上風力発電は、トランプ大統領が洋上風力発電プロジェクトについて頻繁に苦言を呈していたことから、早期のターゲットになることは予想されていたが、陸上プロジェクトが含まれたことは業界を驚かせた
その影響は大きい。 私有地でのプロジェクトには、連邦政府の環境承認も必要になることがある。

リスタッド・エナジーのアナリストによると、約25ギガワットのオフショア・プロジェクトは開発の初期段階にあり、トランプ政権下で「進展が見られる可能性は低い」という。

訴訟も視野に

弁護士たちによると、トランプ大統領が打ち出した一連の行政行動は、反対派によって法廷で争われることがほぼ確実であり、その真の影響が明らかになるまでには時間がかかるという
天然資源防衛評議会は、環境保護を後退させようとする政権の取り組みと戦うことを即座に宣言した。

石油・ガスや鉱物の採掘のために連邦土地を開放する、鉱物開発のために企業にアラスカへの立ち入りを許可する、温室効果ガスに関するEPAの規則を取り消すというトランプによる命令は、すべて論争になる可能性が高いと、法律事務所スミス、ガンブレル&;ラッセルのパートナー、スティーブ・オデイは言った。

「この一連の大統領令によって達成される唯一の確実性は、現場で何らかの結果が出る前に、何年もの訴訟を引き起こすことであるようだ」とオデイは語った

石油・ガス企業は当面静観

トランプ大統領は石油・ガス生産者に「ドリル、ベビードリル」を望んでいるが、彼らは資金の使い道について慎重なアプローチを採用している
シェールオイル生産者は、オイルパッチに再投資するよりも、自社株買いや配当を通じて株主にキャッシュを還元することに重点を置いている。

また、シェールオイル採掘業者は圧倒的に私有地での採掘が多く、連邦政府の開発用地をさらに開放しても、採掘熱が高まることはないだろう
一方、近年環境保護団体の猛反対に遭っているパイプライン会社は、複雑な規制環境を乗り切り、数十億ドル規模のプロジェクトに着手する前に、長期的な経済性が妥当かどうかを確認しなければならない、とエネルギー弁護士は言う.
法律事務所バーク・ロー・グループの創設者であり、トランプ第1期政権時に環境保護局(EPA)の元副顧問だったマーセラ・バーク氏は、「どの企業も、何をしたいのか、規制リスクとコストプロファイルを分析しなければならない」と語った。

まとめ

ここまで有識者や記者、アナリストやエコノミストさん達の記事や意見を引用しながら相場の全体観を述べてまいりましたので、私個人の意見をまとめたいと思います。

最後のWSJの寄稿記事を引用させていただいた理由の一つに今後の原油価格の見通しや、株式を検討する選択肢に変化があるかもしれないと思ったからです。元々石油採掘企業や石油メジャー、鉱工業企業にとってはトランプ大統領の政策が追い風と謳われて来ました。
しかし以前に私がイメージしていた恩恵を受ける企業とこうしてより具体的に情報を絞ってきて、現在の自分が恩恵を受ける企業とは少し違いました。

この感覚は投資家として私がとても大事にしているもので、違和感というものは必ず何か過去に調べた内容が記憶の片隅に残っており、その情報と現在の情報がコラボされたときに脳が発する信号のようなものと捉えております。

少し具体的に前記記事から述べてみますと、電力企業の中で風力発電事業を専門にやっている企業は投資対象から排除するのは誰でも分かると思いますが、そもそも発電方法を極端に絞って営業している企業なんてありません。みんなリスクを減らすために火力、ガス、風力、原子力など事業を分散しているのです。

要は同じ発電関連企業でもどの分野に注力をしていて、どの分野に強いのか。収益構造はどの分野が牽引していて今後の投資計画はどのようなものか。こうした企業分析部分を掘り下げて行かないと投資対象として保有し続ける事は難しくなる展開が予想されると思いました。

こうした点から自身のポートフォリオを年初から改めて再検証し、認識がずれていた銘柄に対しては売却(損切も含めて)し、新たな発見があった企業の株式を保有しております。

そういった甲斐もあってか(もちろんたまたまでもあります)現在のパフォーマンスは為替差益無視の$ベースで、年初来+11.86%、メイン取引をしているmoomoo証券口座では+17.52%とまずまずの収益を上げられております。リスクをできる限り抑えてリターンを最大化する方法の一つとしてこうした知識の積みかさねによるものは大きいですので、引き続き学びながら皆様にも発信をしていきたいと思います。

長くなってしまいましたが最後までお読みいただきありがとうございました。読者様やフォロワーさんにとって有益な情報になりえます事をお祈りしております。

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