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未来のために生活を変えること。

未来の自分。例えば80歳の自分が、夢うつつに、現在の自分に出会ったとしたら。どういうだろうか・・。これは、いろんな心理療法で臨床されているワークの一つですね。

80歳の自分は、後悔してるのでしょうか。それとも満足しているのでしょうか。満足してたとしたら、「何を全うしたから満足した」のでしょうか。

その答えは、心をどこまでも静かにしなければ聴こえてこない声です。
大概は、世間の決めた常識や価値観、親の教育、社会的立場、経済の不安、死への恐怖、、などの雑音が、その静かな声を阻むのです。

「私は幸せだ!」という声が、どれだけ純度のあるものか、よーく吟味しなければなりません。
本当の自分、といっても、その本当は、とても曖昧なものなのです。

ずっと先の未来の声。
僕の場合は、「心から、描くべき絵を自由に描きたい。そして家族を愛したい」というものでした。

80歳の自分は、描くべき絵を描くために大きなキャンバスを前にして、家族や犬や、絵の教え子たちに囲まれて、実に満足そうです。

誰を理想とするのか、という点も大切かもしれません。僕には、学生時代のころから、勝手に師匠と呼んでる画家さんがいました。まだ何もなし得ていない19歳の僕は、直感的に「こう生きるんだ!」と思ったものです。
だから、毎年、師匠のカレンダーを購入してますが。実を言うと、あまりまともに見れないのです。後ろめたくて・・汗。

一見、自由に好きなことで仕事をして、幸せのように見えるかもしれませんが、理想の像とは、年々ほど遠くなってきているような気がします。

そもそも、理想、というものが、エゴや欲求まみれでは話になりません。
承認欲求や、地位名誉、そういったエゴから生まれた理想なのか、純粋な、魂的で、生まれてから片道切符のよううに持っていた理想なのかは、きちんと吟味しなければなりません。

そうした中で、純度ある理想の未来を頭に描くと、先程言ったイメージになります。

これは、過去や現在を否定しているわけではありません。もちろんのこと、今の現在は、過去があってこそ具現化したもの。今の現実にある程度満たされているのか、満たされていないのか。
満たされてなければ、そもそも、過去からどんな選択をしてきたのかを見返さなければなりませんね。

それでも、その時々で精一杯やってきた結果、今があるのならば、それはそれで奇跡のような幸せなことだと思います。
過去の自分を受け入れなければ、今の自分も、未来の自分も、光と影が生み出され、歪曲されていくでしょう。

僕は、今こうやって、いろんな方々のご縁によって、画家として生活し、家族と過ごせることは、とても幸せだと思います。いろんな後悔はありますが、今、未来に向けて「選択」できる可能性があることは、とても良いことです。

その上で、遠い未来の自分が、何を語っているのか。
「自由な絵を描く。家族を愛する」ために、今、どう選択していけばいいのか。

思考はどういう選択をするのか。
「人のため、生活のため」よりも、「自分が深く満足するため」に思考を選択する。

感情はどう選択するのか。とても疲れている時の子育て。
「親の都合、言うこと聞かせたいから」選択するのか。「長い目でみた時の子供の成長」のために、感情を選択し、子供や妻と向き合うのか。

身体感覚をどう選択するのか。
「疲れていても自分がやらねば」といって無理をして、安心するのか。それとも「今は呼吸を整えて、まずは自分を休ませて」から、周りのために力を蓄えるのか。

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インド哲学で、王様と馬車の関係というものがあります。
王様(本来の意識)よりも馬(感情や思考)のほうが優先して、馬を制御できず、王様の行きたい方向になんて全然行けないのが、世の常です。

王様は眠ってしまっていて、馬の進みたい方向こそが、自分の進むべき道だ!と信じてるというのです。
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この場合の王様というのは、遠い未来の、本当に満足した未来の自分とも置き換えらるでしょう。
もしくは、自分を超えた、「自分をこの世に生まれさせた」存在とも言えるかもしれません。
それは、ご先祖だったり、神仏だったり、自然の力だったり。。
人によって、様々です。

何も、無理して生活を変えなくてもいいのです。未来に繋がっている手応えがあれば。そうやって、穏やかに平和に過ごしている方々もたくさんいます。
しかし自分自身は、まだまだ繋がってないような気がします。それでも、少し選択を変えるだけで、未来の道に戻れるようにも思えます。
何も出家したり、旅に出たりするほど、逸れてはないというところでしょうか。

だから、骨折した2ヶ月の療養期間くらいで良かったのかもしれません。

生活を変えたい、という希望は、今のところ、叶えられています。
いろんなリスクもあるけれど、今、描いている絵には、満足しています。これが描きたかったんだって。
その道は、今まで描いてきた表現があったから、磨かれてきたもの。何より、根底的には変わっていない。
一番、シンプルで確信的な表現ができれば、深く満足します。
寝つきが良く、悪夢もみませんからね。笑。

それも、あと何ヶ月続くのか。
油断すれば、いつもの選択。あっという間に、また元通り。

だから、日々、しっかりと選択して、来年の今頃には「だいぶ変わったな、自分!」と思いたいものです。

おわり。

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画家・ペーの日記
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