連載小説「幸せになりたいの」　＃１１

連載小説「幸せになりたいの」

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前回までのあらすじ

『押し寄せの法則』を学び始めたマドカ。しかし、言い寄ってくる男はろくな男はいなく、実家に帰っても最悪で、縁結びの神様にあやかろうと、ピーラブちゃんの奨めで出雲大社へひとり旅…。これで、恋もお金も思いのままに押し寄せるのか？と、疑問を持ちつつ、教えられたことを実践し、いよいよ、２回目のピーラブメソッドのセミナーへ…。

＃１１　「セミナー２日目」

　怒涛の１ヶ月が過ぎ、いよいよピーラブ・メソッド、第２回目のセミナー受講日がやってきた。

　場所は同じ赤坂。

　マドカは悠々とした無職の自由の日々を過ごしながらも、気分は浮き沈みが激しかった。

　失業手当がもらえるとはいえ、たかが３ヶ月。ちょっと考えるだけで、不安が押し寄せ、孤独死をしてしまうネガティブな妄想に囚われたりした。

　しかしそれでも、ピーラブちゃんから言われたことを守り、『本は何回も読みなさい！』と言われていたので、改めて彼女の書籍を読みふけり、誘導音声の瞑想をやったり、独学で始めたヨガをしたり、時に暴飲暴食して体重計に乗って余計落ち込んだりしつつ、様々な感情をごまかして過ごした。

　そんな中、毎日ピーラブちゃんのインスタやブログは観ている。

　ピーラブちゃんは定期的に、パートナーとの写真や、娘とブランド品を買い物している写真、別の彼氏と素敵なホテルのバーにいる写真など、豊かさと煌びやかさと、女の幸せを全部詰め込んだような毎日を過ごしているようだった。

（く〜！！私も、こんな風に幸せになりたい！愛されたい！）

　と、地団駄踏みながらも、

『みんなも同じようになれるよ！私とあなたは何も変わらないの！ただ、私はラブ・エンジェルのメッセージを信じただけ！あなたも、あなたの天使が最愛のパートナーと豊かさを運んでいるから信じてね！』

　という言葉を信じ、１回目のセミナーの後の高揚感を思い出しながら過ごした。