男が描く理想の男女関係と、女が描く理想の男女関係は違う。
お知らせ。明日!2月9日都内にて。対談。
今日は、無料部分は短編小説風に。後半は、有料部分で解説を。男女関係についてです。
【和夫の場合】
(あー、疲れた。最悪の1日だった…。部長のやつ、なんでも俺のせいにしやがって…。でも、なんとか収まってよかったよ。まあ、俺の確認ミスもあったからな…。俺の甘さが招いたトラブルだった。はぁ、とにかく、疲れた…。)
和夫は胸の中でそうボヤきながら、新宿駅から乗り込んだ、超満員の中央線の車内で、大きなため息をつきそうになったが、すぐ目の前にいたOL風の女性に息がかからないように、控え目にため息にして終わった。
(俺は、ため息も満足に吐けねえのかよ!)
と、イライラしつつ、22時半の中央線では、そんな個人的なわがままがまかり通るはずもなく、車内に押し詰められた無言の人々と共に、疲労困憊の月曜日の夜が深まっていった。
国分寺駅で電車から吐き出され、そこから徒歩15分の道のりが待ち受けている。改札を出た時点で、いつにもまして足取りが重いと気づく。
(疲れてんな…)
タクシーを乗りたくなったが、そんな贅沢する余裕もなく、まだまだ冷たい春の風に身をすぼめて、足早に帰宅を急いだ。早く帰って、ダラダラしたい。
途中でコンビニに寄って発泡酒を買って、スマードフォンを確認する。
[おやすみ]と、マイからのLINEのメッセージとスタンプが入っていた。妻のマイとは先ほど、車内でいくつかLINEでやりとりをしていた。
[アイリを寝かしつけて、私もそのまま寝るね。ご飯は生姜焼きがテーブルにあるからチンして食べてね]
3歳になったばかりのアイリの世話はまだまだ大変だ。マイもパートとはいえ、仕事に復帰したし、この頃は疲れている。無理は言えない。それに、俺だって疲れ切っているので、今日は誰かと話したい気分ではないのから、今日はさっさと飯を食ってビール飲んで寝よう。
しかし、家に帰り、和夫が着替えてからリビングで豚の生姜焼きをつまみにビールを飲み、スマホを立て、やりかけのゲームを始めた。
(あー、一番この時間が安らぐなぁ)
和夫は、一人でだらだらと、ビールを飲みながらテレビを見たり、ゲームをしたりする時間が、何よりも心落ち着ける時間だった。こうして、日々のストレスと癒し、明日への活力を養うのだ。
「おかえり」
と、和夫がソファに横になってゲームをやっていると、マイが寝室から出てきた。
「大丈夫?すごい疲れた顔しているよ?」
心配そうに話しかけてきた。
「ああ、今日はトラブルで残業になった。まあ、俺のミスでもあるから。仕方ないんだけどな」
スマホの画面を観ながら、和夫は答えた。
「今日はね、ビール、もう一本冷蔵庫にあるよ?」
「ああ」
と答えてから、もう一本飲むか考えたが、会話とゲームと併用して考えられるほどの体力も気力もない。そしてゲームは今、オンライン上で仲間がピンチだ。助けに行かないと。今の脳ミソでは同時に考えるのは不可能だ。
「どうする?」
マイがもう一度尋ねるので、
「じゃあ、もう一本もらおうかな」
と答えたが、自分が果たしてビールをもっと飲みたいのかもよくわからなかった。和夫はただ、このままダラダラとくつろいで、そのまま眠ってしまいたかったのだ。
「ねえ?お風呂はいいの?なんならわかすよ?追い炊きすればすぐに入れるよ?」
ビールを持ってきたマイが言う。
「お風呂?いや、明日の朝シャワー入るから」
和夫はゲームの音声が聞き取りづらくて、顔をしかめて答えたが、マイは続ける。
「お風呂入った方が疲れとれるよ?」
「ああ」
ボリュームをあげる。ちょうど、聞き逃したくないシーンだ。
「私は早い時間にアイリと入ったの。アイリもね、今日はぐずってたし、保育園でけっこう疲れているのかな。あ、でも、お風呂入ってスッキリしたよ。ほんとはもっとゆっくり入りたいけどね。アイリと一緒だと自分のためのリラックスなお風呂にならないからね」
(なんだよ。嫌味か?休みの日は俺が一緒に風呂に入れてるじゃねぇか)
和夫にはそれが当てつけのように聞こえてしまったが、それを言って怒らせて口ゲンカになるのも嫌なので、
「ああ」
とだけ答えてから、
「お風呂は俺はいいから。お前も疲れてるんだろ?早く寝たら?」
和夫が言うと、
「なによその態度!さっきから!私だって疲れてるのに!」
と、マイは突然怒鳴って、そのままドタバタと寝室へ戻ってしまった。
(なんだよ。なに怒ってんだ?)
和夫はわけがわからず、ゲームにうまく集中できず、余計に疲れが倍増したような気がしてしまった。こんな気分のまま、明日の仕事の事を思うと、さらに気が滅入った。
(俺はただ、静かにゲームしたいだけなんだけどなぁ…。疲れてるんならさっさと寝ればいいのに…)
【マイの場合】
最近、和夫の仕事が忙しいみたい。いつも疲れた顔している。私もパートを始めて、娘の保育園の送り迎えや家事全般で疲れているけど、和夫の体の方が心配だ。
今日も、月曜日から遅くまで残業。トラブルがあったって言ってたけど…。アイリもいつもよりぐずりがひどく、体調が悪いのかもしれない。しばらくついてあげたいし、私も明日は早いので、多分寝かしつけてそのまま寝ちゃうパターンになると思うので、その旨を和夫にLINEした。和夫の好きな生姜焼きを作って置いたし、ご飯は保温してあるし、今日はビールも買っておいた。
案の定、私はアイリを寝かせて、そのまま布団で寝てしまった。娘といると、私も疲れているからなのだろうけど、すごく眠くなる。時間がもったいないような気もするけど、幸せな時間なのだろう。
物音で、まどろみ中からうとうとと目が覚めた。
(和夫?)
夫が帰ってきたのだろう。彼なりに、私たちに気を使っているのだろうが、やはり大きな体の人間が一人、同じマンションの中で歩き回ると、物音はするものだ。
(あー、どうしよう)
超疲れているけど、思い切って起きることにした。和夫だって仕事頑張って疲れているんだから、私にも何かできることはあるかもしれないし、トラブルで気分も参ってるようだから、少しでも誰かが側にいてあげた方がいいだろう。それは私の役目だ。
「おかえり」
寝室から出て、ソファに寝転ぶ和夫に声をかけた。歩くと、肩やら首やらがギシギシと痛んだ。変な姿勢で眠っていたようだ。
「ああ。起きたのか?」
和夫は、手に持ったスマートフォンからほとんど目を話さずにそう言った。テーブルの上には、食べた後のお皿がそのままおいてあった。
お皿と、空になったビールの空き缶を流しに下げた。そして、もう一本ビールを買ってある事を思い出した。普段は節約のために家にお酒は置かないようにしているが、たまに買っておくと和夫が喜ぶからだ。
「今日はね、ビール、もう一本冷蔵庫にあるよ?」
と、彼に伝えたが、
「ああ」と和夫は答えただけで、ずっとスマホを眺めている。
(なによ。せっかく人が買っておいたのに…)
和夫は何を話しかけても上の空だった。明らかに疲れた顔をしているので、少しでも疲れたとれるようにお風呂を提案したが、ソファでダラダラとスマホを見ている。死んだ魚のような目だ。私にはゲームもお酒もよくわからないけど、何が楽しいのだろう?
(あ、お風呂に入れば元気になるんじゃないかな)
と思って提案したが、疲れているので明日の朝シャワーに入ると言された。
「私は早い時間にアイリと入ったの。アイリもね、今日はぐずってたし、保育園でけっこう疲れているのかな。でも、お風呂はいってスッキリしたよ。ほんとはもっとゆっくり入りたいけどね。アイリと一緒だと自分のためのリラックスなお風呂にならないからね」
しかし、和夫はまったく私の話を聞いてないどころか、「早く寝れば?」と、私にひどい事を言った。
(こっちだって疲れているのに、あんたのために起きてやったのに!もう知らない!)
私はスマホ男を無視して、一人で寝室へ戻った。最悪の1日だ。
終わり。
いかがだろうか?若い夫婦の日常のワンシーンだ。結婚生活を経験ある人なら、誰もが一度はこのようなシチュエーションはあったのではなかろうか?
あまり、文章作品に解説するのは好まないが、心理的な事など、いつくか解説していこう。パートナーシップや、男女関係のヒントになれば…。
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