探求文庫 #142 土地の影響
僕は飛行機からの景色って好きです。
いつもは下から見上げている雲を間近で、またはこうして上から見下ろしたり。
広大な景色を眺めるのも好きです。
上の写真は、アラビア半島上空です。何時間も、荒野が続きます。
以前、エジプトに行った時もこの辺りを通って、果てしなく続く荒野の光景に驚かされました。
今回はイタリアへ行ってきたわけで、
アラビア半島の荒野から、
段々と緑が増えて、やがてヨーロッパの街並みに移り変わっていく様を見ていました。
中国へ行った時は、果てしなく続く山々にも驚きました。どこまでもどこまでも山と森。
日本は島国ですから、飛行機で飛んで景色を眺めていると、どんどん景色が変わります。しかし、大陸ではそんなことがない。何もかもが広く、大きい。
先日、イスラエルとパレスチナで戦争が始まったようです。ハマス、というテロ組織で、裏にはイランがいるとか、アメリカのディープステートがいるとか言われてますが、それは間違い無いでしょう。そうでなければ兵器を持つことができません。
裏でそのように糸を引く勢力がいます。軍産複合体とか、いろんな呼び名がありますが、彼らの手口は昔から同じです。両方を別の顔で煽り、資金援助して武器を売る。求める利益がぶつかるように仕組みながら。そして、常に分断を作る。
日本だって右翼左翼、与党野党、はてはパリーグ,セリーグ。なんでもこの二極化の相対構造に持ち込み、常に人々を分断させ、一致団結しないようにマスメディアをフル動員して工作していますが、日本ではさほど血生臭いことは少ないと思いませんか?
中東って、常に戦争をしているイメージがあると思います。もちろん、実際はアフリカでも内紛やテロ組織は多いし、今はウクライナ問題もある。でも、中東関連はずっと続いている。
イスラム教と、反イスラム教(キリスト教・ユダヤ教)という宗教問題もあるし、人種の違いもある。
しかし、案外見落としがちなのが「土壌」とか「風土」「気候環境」などではないだろうか?
どうして日本人は世界でもトップクラスに倫理観が高く、穏やかで、大人しいのか?
諸説あるけど、これはいわゆる「縄文時代」と呼ばれる頃の我々の遠い遠いご先祖のDNAだろう。
弥生時代、と呼ばれるくらいには、どんどん大陸からの移住者が入り、混血が進み、やがてそれまで10000年以上も争いのなかった国に、殺し合いと支配構造という、大陸諸国で当たり前に行われている二元性の世界が起こった。理由は簡単だ。大陸のコーカソイド(白人種)の血、もしくは、コーカソイドとモンゴロイドの混結人がやって来たからだ。
では、どうして彼らはそんなに支配的で好戦的なのか?
中東の景色と、我が国の豊かな水と緑の風土を考えてもらえばわかる。確実に「食物」の余裕が違うのだ。
日本は、人口が農業を始めて爆発的に増えるまでは、いや、多少増えたとしても、豊かな食傷資源があった。飢えることがあまりなかった。
しかし、他の地域は違う。食べ物が極端に少ないのだ。慢性的に飢えがあり、つまり、そうなるとすぐに致死的状況に追いやられ、それを回避するためにどうするか? 答えは簡単だ。持ってるものから奪い取って生き延びろ!となる。動物と同じだ。
ヨーロッパというと、なんとなく「豊かさ」のイメージがあるけど、食糧事情で考えると、実はさほど豊かというわけではない。
考えてみて欲しい。地球の人口の3分の2が、東アジアだ。支那(中国)やインドはいうまでもないが、日本だってこの国土に1億人以上いる。インドネシアも1億越えだし、他のアジア諸国も人口は多い。
なぜか? 答えは簡単だ。それは「米」だ。
米は、麦畑よりも収量が多い。東南アジア地区だと、同じ田んぼで、年に2回は当たり前、早稲の品種なら(インディカ米)3毛作も可能だ。
一方麦は、「小麦」と呼ばれるくらい、粒が小さく、収量が少ない。しかも粒のままでは割れてしまうので食べれないから粉にするしかない。加工品で食べるから手間もかかってる。
そして何より「連作障害」がある。同じ土地で同じ野菜を育てると、特定の栄養素が不足して、育たなくなる。だから、麦畑は一年二年で必ず土地を休ませないとならない。コメに関しては、田んぼなので、水からミネラル分が常に供給されるので、連作障害はおこなら無い。
つまり、小麦栽培は米栽培よりも倍の面積が必要な上に、収量はさほど見込めないのだ。
じゃあ、他の野菜は?
イタリアにはオリーブの木がたくさんあった。葡萄や、トマトも、地中海気候の代名詞だ。
しかし、実はどうしてオリーブ、葡萄、トマト栽培が盛んなのかというと、今あげた三つは「痩せた土地で育つ作物」の代名詞なのだ。逆に、豊かな土壌ではあまり美味しく実のならないという話もある。(実際、トマトは痩せて、水があまり無い方がよく育った)
そして麦も比較的痩せた土地や、水があまりない地域でも育つ作物で、昔から香川県が「うどん県」と呼ばれるくらい、小麦栽培ができたのかというと、瀬戸内気候が雨が少ないからだと言われている(実際、今のように県民食になったのは戦後だそうな)。
ヨーロッパは土地が痩せているのだ。日本のように豊かな土壌を持っていない。つまり、実はアラビア半島の砂漠ほどではないにしろ、慢性的な飢餓と、そのリスクが常に隣り合わせの歴史があった。
だから「奪ってでも生きろ」という風になって当然だ。そして、たくさん採れても「たくさん採れたからリスクに備えて貯めろ込め!」という思考が発生して当然ではないか?
白人種(コーカソイド)は、そんな思考を1万年近く過ごして来た遺伝子があるのだ。
ちなみに今でこそジャガイモがどこでも育てられているが、じゃがいもは南米原産で、大航海時代まではヨーロッパには出回っていなかった。
大航海時代といえば、植民地だ。彼らのその「欠乏」に由来する思考が、弱者からの搾取という発想を容易にさせたのかもしれない。
さて、人と土地との関わり。僕は色んなところへ行くたびに、その土地の影響というのを少なからず感じたり、大きく受けたりする。
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