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屋久島は、写真では伝えられない

全国津々浦々旅をする。

全ての都道府県で寝泊まりしたことがある。

その土地のものを食べ、その土地で眠り、その土地で目覚める。

見知らぬ土地で目が覚めると、たまに不思議な気持ちになる。

「おや?」

と、なる。

何に対しての「おや?」なのか、自分でもうまく言えないのだけれど、深い眠りの中から意識が覚醒した時。それは深夜にふとだったりもするけど、一瞬、ここがどこなのか?自分が誰で、何をしているのか?わからなくなる。

それは自宅でもたまにある。しかし、旅先のそれと、自宅でのそれは、いくらか相違があり、旅先の方が深度が強いのだ。

旅先の明け方における「おや?」の感覚は、素っ頓狂な疑問符と共に、自分は常になんらかの“新しさ”の中にいて、人生とか、日々とかは、更新されていくものであり、自分は肉代レベルを超えた新陳代謝が起きているものだと、知識ではなく実感として、感じられるのだ。

前置きが長くなったが、屋久島へ行ってきた。

屋久島は鹿児島県の南にある離島。

屋久島には、2016年にも一度行っている。

その時は、とあるスピリチュアル・ビジネス系のリトリートに参加していて(僕はゲストとして)、ほとんどホテルにいたので、島の自然を満喫していなかった。

その集いは、自然のアクティビティよりも、ラグジュアリーでセレブレディに価値観を置く方々のイベントだった。

僕としてはせっかくの屋久島の自然を堪能できなかった後悔があり、今回はたくさん島を巡るぞ!と意気込んでの屋久島の旅だった。

そして、せっかくなのでコミュニティ(麒麟の会)メンバーとのリトリートも兼ねた。

しかし、なぜか日程を勘違いしていた。

コミュニティメンバーとリトリートを終えてから、1人でがっつり登山と考えていたのだが、帰りの飛行機の予約、僕はリトリート終了の翌日の、13時45分のチケットだった。半日しかないではないか!と、前日くらいになって気づいた。何を勘違いしていたのやら…。

「むう〜、これはせっかくの屋久島も、登山は無理か…」

とがっかりしつつ、まあ仲間たちと行けるところを楽しめば良いだろうと、島を巡る。(結局、山は登ったんだけど、その経緯は後ほど)

というわけで今回は旅紀行。写真中心のnote…、

なんだけど、

今回ほど「写真じゃ全く伝わらない」と思ったのは初めてかもしれない。

この記事に(それはデータに残るけど、心には残っているのか?

「写真を撮ると、スマートフォンにデータは残るけど、果たして自分の心にもその映像は残っているのだろうか?」

https://note.com/artist_kensuke45/n/nbdcb5000cf52

などとのたまったが、そもそもデータに残すことすらできていないのだ。

例えばこの写真。

千尋せんぴろ の滝、という豪快な滝。

本来ならもう少し近くまでは行けるらしいが、台風の被害なのか、降りて行けず(あちこちに被害の爪痕があった)。

しかし、近づけなくても、この距離でもすごい迫力の滝だった。切り立った花崗岩の、岩と岩の間を流れる滝。

なんて読んでも、写真よりも文章だけで想像を膨らましたほうがいいと思う。

それほど、自分で撮影しておいてなんだが、この写真はチンケに感じられる。

もちろん、僕のカメラマンとしての腕前と、iPhoneの性能の問題もあるのかもしれないけど、そういうことではないと思う。

仮に、その現場で受け取れる現場の情報量の平均値が「10000GB」だとしたら(人の感性によってもっと増えるし、もっと減ることもある)、この写真から受け取れる千尋の滝の情報量は「0.1GB」あるかどうか…。

Instagramのストーリーやリールでも動画をアップしたけど、動画の情報量は、せいぜい「1〜10GB」くらいではなかろうか?

だったら文章だけで、想像力を駆使して、情報量を上げる感性を身につけた方がいい。人間にはそういう力がある。

とまあ、そんなことわかりきっていたはずなのに、屋久島の濃厚で濃密な自然を前にし、改めて写真や映像の無力さを知った。

しかし、それでもそれなりに写真は収めたので、一応旅の記録としてつけておく。

大川おおほ の滝
島の西側にある、日本の滝百選に選ばれる名滝。
屋久島は、屋久杉や山が有名だけど、当然海も楽しめる。
さすが南国。水は温い。普通に泳げるなと思った。

空港近くの温泉「縄文の宿まんてん」の日帰り湯へ。温泉とサウナで調える。

そして宿に戻ると待望の夕食。

初日の宿のご飯は、島の食事盛りだくさん。飛魚の丸揚げは屋久島名物。なんといっても魚介が新鮮。そして島の焼酎が美味い。

翌日は朝から雨。実は前日も天気予報は曇りのち雨。なのに雨は夜まで降らず、海辺では晴れ間も出た。

白谷雲水峡へ。
猛烈な水量。

屋久島は「1ヶ月に35日雨が降る」と言われるくらい、とにかく雨が多い。麓が晴れてても、山は雨とか、島の北と南で天気が変わったり、天気予報があまりアテにならない。

宿で用意してもらったおにぎり弁当。美味しかったけど、おにぎりに塩気がなかったのが残念。

その後は屋久島自然館というところで、島の歴史をお勉強。施設自体も楽しかった。

北端の灯台へ。こちらはこんなに晴れてるが、南側と山は雨降り。

島の北部と西部は、あまり観光の見どころは少ないけど、島はいるだけで楽しい。

北部のガジュマル園。素晴らしかったです。

夜。この日は素泊まりにして、食事は近場の居酒屋で。地方で、地元の居酒屋に行くのが何よりの楽しみでもあります。

聞いたことのない名前の刺身が多い。
地元の人たちで賑わっていました。

3日目。

朝から晴れていたので、ご来光を眺める。

車を走らせ、ヤクスギランドへ。

屋久島は、登山者のために、早朝からやっているお弁当屋さんがいくつかあり、お弁当を買ってから行きました。ちなみにその弁当もおにぎりは塩気がなく…、屋久島はおにぎりに塩気をあまりつけない文化なのか(笑)

たくさんの写真があるんですが、やはり「何か違う、何もかもが、違う」という感じが否めず、写真はお預け。Instagramのリール動画で、屋久島の映像がいくつもあるので、こちらをご覧ください。

鹿さんはかわいいから乗っけておこう。ヤク鹿は、本土よりも少し小さい。

メンバーを午後の便で見送り、ここからは一人旅。

まあ、おもしろいところがたくあんあります。ここは満潮で入れなかったけど、野天風呂(混浴)です。近場には、混浴じゃない、開放的な露天風呂もあります。
切り立った山々。
買い物でお世話になったスーパー。

翌朝は、6時半に宿を出発。

再び、屋久杉ランドへ。

屋久杉ランドは30分、50分、80分、150分、210分のコースがあり、前日はメンバーと50分コース、健脚組は80分コースを回った。

今回は、一人で210分コースを堪能。コースは、80分コースから、登山道にになる。50分コースまでは木道で歩きやすい。
地下足袋にて。山の中はこれが動きやすい。
この日は、食事はりんごのみ。数日間食べ過ぎていたし、がっつり歩く時は、空腹の方が体が軽い。
210分コースの折り返し地点。しかし、まだ60分しか経っていない。

コースタイムは、じっくりと森を堪能できる時間配分になっている。この時点で8時半。

となると、

この先の山頂にある、太忠岳たちゅうだけ へ行けるか?行けちゃうか?

コースタイムはさらに行くことここから1時間半ほどだが…。

飛行機は13時45分発。レンタカーは13時に返却。屋久杉ランド駐車場からレンタカー屋までは45分〜1時間は見たい。
でぇーい!行ったれ!

急いで登れば1時間で登れる、と思う、いや、登ってみせる。山頂に9時半に登頂し、9時45分に出てダッシュで下山すれば11時半に駐車場へ戻り、それなら途中で昼飯も買って帰れる!

というわけで、けっこうな急登と書いてあったけど、案外アップダウンや、平坦な道もあり、小走りで駆け上がる。

ラストは険しい岩場で、ロープを使ってよじ登る。

そして、山頂の「天柱石」へ。
遠くから見るとこんな岩だが、近くで見ると、
予想以上に巨大でした。そして、圧巻の岩舞台。天柱石は、古来から信仰の対象として敬われてきた大岩。

この写真は先に一人で登頂していた、ソロの女性の登山者に撮ってもらった。彼女が先に下りて、独り占め。祈りと瞑想の時間とし、9時50分には下山開始。コースはわかっているので、時間に余裕はあった。小走りでサクッと下りれると踏んだ。

とにかく、苔が美しい森。雨が多い屋久島ならでは。

帰るのが名残惜しいが、いい加減腹も減った。

予想よりかなり早く下りれたので、弁当の買い食いと思っていたけど、ランチを食べた。

海鮮丼。
そして、飛行機に悠々と間に合いました。

実はこの日は、鹿児島に宿泊。

鹿児島のコミュニティメンバーと会い、大好きな指宿の鰹節を土産にいただきました。ありがたい。
宿はビジネスホテルだったので、近場の銭湯へ。
銭湯460円。しかし、源泉掛け流しの温泉で、サウナと水風呂もある。
レトロな昭和感。

九州は、今年も何度も来ていますが、鹿児島県に一番来ていますね。

写真はないけど、鳥刺が好きです。あと、なんでしょう、四国なら高知もそうだけど、なんだか南側って、他の県と違った荒々しさというか、パワフルさがあって、行くと元気になります。だから屋久島の後、一泊しました。

翌日、東京へ戻る。

久々に、岩場をハイペースでよじ登ったりしたから、上半身が筋肉痛になった。たまには良いものです。

以上。屋久島の旅。写真ではとても伝えられない。文章でも伝えらない。ぜひ一度、行ってみるといい。そして、森を歩いてみるといい。

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