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「自由・無限ループ」からの目醒めの物語

⭐︎🆕12月6日(日)トークライブ、先行上映会。ここでしか聞けない秘密なお話も盛り沢山です。→ トークライブ&先行上映会 残席4名

⭐︎12月19日(土)17時〜。東京銀座。スピリチュアルと音の融合。7感覚醒ライブ。 → 虹の祈り - Seventh sense.Christmas

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「僕は自由だ!」と、二十歳になった青年は思った。

どこにでも行けたし、何を喋ってもよかったし、何をやってもよかった。お酒も飲めるし、タバコを吸ってもよかった。

パスポートさえあれば海外に行ける。法律を守れば何をやってもいい。お金があればなんでも買える。自由だ!

青年は働いた。働いて、お金を稼いだ。お金を稼ぎ、実家を出て一人暮らしを始めた。

「自由だ!親からも干渉されない!なんて自由だ!」

青年は、家賃光熱費通信費食費交際費のために、さらに働いた。

「しかし、これじゃ貯金ができないなぁ」

貯金がなければ、老後の自由が減ると気づいた青年は、さらに働いた。1日の大半を労働に費やした。

青年は健康体だったので、ハードな仕事に耐えることができたが、さすがにストレスが溜まった。だから、ストレス発散の時間が必要になった。

趣味、遊び、お酒、交際費、風〇…、旅行…。

そのためにお金が湯水のように飛んでいくので、さらに彼は働いて金を稼がねばならなかった。

青年はストレスを発散し、そこで活力を得てハードな労働をし続けた。そんな生活を何年も何年も続けた結果、青年はたくさんのお金を稼ぎ、最新の家電をすぐ買えたし、広い部屋に住めたし、いい車も買った。

しかしさすがに疲れやすく、体調を崩しがちになった。

「なにかあったときのために、保険に入ってますか?」

セールス員がやってきて、話を聞くと、いかに自分がリスクマネジメントができていないかを痛感した。青年は「万一のため」に、保険に加入した。だからまた金が必要になった。

テレビを見ていても、スマホを見ていても、次から次へと新製品が出る。ゲームが趣味の青年は、とにかくゲームにお金を費やした。

新しいソフトが出ると、すぐに買う。しかし、何作目かになると、ハードウェアそのものが使えなくなり、ハードウェアを新調しないとならない。

しかし、最新型の「『プロイ・スターション5』は、今まだにない美しいグラフィック機能と、高性能のCPUで、さらにソフトが楽しめる!」という広告があると、買うしかない。なにせ、大好きなシリーズの続編が、その新機種を購入しないとプレイできないのだ。

(あれ?前回も同じような広告だったな…)と思いつつも。

青年は自由だった。自由に暮らすために、お金を稼ぐために、労働し、ストレス発散をし、趣味のゲームをやって、24時間の大半を使った。

青年は自由だった。それはわかっていた。なぜなら、ここは自由な民主主義国家だからだ。どこにでも行けるし、何をやってもいいのだ。

青年は自由だった。だから、今朝も満員電車に乗り、労働に勤しんだ。そして、欲しいものを買って、住みたい家に住んで、食べたいものを食べた。

「はー、今日も忙しい。でも僕は自由だ」

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青年を観察していた初老の男が言った。

「よしよし、首尾は上場、ああいう若者をたくさん作ることにより、我々のビック・ビジネスは成り立っている」

初老の男は、青年のような人間を、世界中にたくさん増やすことにより、利権を得ていた。

彼らが労働したエネルギーは、お金となって、彼らには生活する分が与えられ、それ以外は初老の男たちと、その親族に分配される仕組みだった。

「ワシらは自由だ!ワシたちこそ自由だ!」定期的に、同じような立場の初老の男たちが、妻や親族と会合を開き話し合った。

「彼らは自分が自由だと思っている哀れな子羊じゃ!柵の中の与えられた自由を、自由と思っておるわ!なんたる無知!」

「獣の脳味噌ではそれも仕方あるまいて。しかし、物を考えさせんようにした作戦は見事に成功じゃ」

「愚かなものだ。彼らは自分のことを考える時間がないから、ずっと羊の生活なのだ。人生や、生き方について考えることがないから、その仕組みに気づかないのだ!バカな羊たちだ!」

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