探求文庫 #74〜76 (過去記事)
2021年の8月から始めたnoteサークル(現在はメンバーシップという名称に変更されたけど、サークル(輪)という言葉が気に入っている)、「探求クラブ」内での「探求文庫」。
探求クラブ内でも、「過去記事が全部掲示板をスクロールしてさかのぼるので読みづらいとご指摘をいただき、過去記事もすべてマガジンにまとめることにしました。
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探求文庫 #74 香り
ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたか?僕はもともと曜日感覚や祭日とか関係ないんで、息子が学校休みで家にいる以外は、普段と何も変わりません。でも、そんな1日1日を、丁寧に味わっているつもりです。
さて、5月は「バラ」の季節です。街を歩くと、あちこちのお庭なんかで、薔薇の花が咲いています。
種類によっては香りのないものもありますが、路地のバラは比較的香りがあり、ふと目にして、くんくんと香りを嗅いで楽しんでいます。花は目で楽しませくれ、香りで楽しませてくれる。そっと触れてみると、バラの花なんかまるで上質はシルクのような手触りです。
僕の提供するワークは、ご存じのとおり「体の感覚」を重視したワークが多いです。自身の五感を入口として、もっと深い部分に入っていくためです。
ワークとして何かやるわけではないけど、「香り」って僕自身はすごく大切にしています。ただ、香りって一番「言語化できない」五感でもあり、説明や、ワークには向いてません。
新訳聖書の有名な逸話を紹介します。イエス・キリストが誕生する際に、「世界の王」が誕生すると予言され、3人の賢者がベツレヘムの星の方角を目指し、生まれたばかりのイエスに会いました。
そこで賢者たちは「貢物」を、両親のヨセフとマリアに手渡しました。その貢物とは、
・黄金
・乳香(にゅうこう)
・没薬(もつやく)
です。
世界の王の誕生に、「黄金」はわかりますが、没薬はミルラという木のオイル。いわば「アロマオイル」です。乳香はフランキンセンスという樹脂の「お香」です。
世界の王の誕生に、どうしてアロマオイルとお香、なんでしょう?
実は当時それは黄金と等価値があったという話です。どうして黄金と等価値だったかというと、それほど「香り」から、人の意識を至福へと導く“なにか”があったからです。
聖書、つまりキリスト教、ユダヤ教などの中東に限らず、古代から「香」は、「音楽」と共に宗教儀式には欠かせないものでした。(今でもお寺ではお線香を焚きますね)
実際に脳科学では、香りは脳の中枢部にダイレクトに伝わるので、思考や認識よりも深い部分へのアプローチがあると証明されていますし、事故や病気で視覚や聴覚を失っても大抵の人は適応して生きていきますが、何らかの脳の損傷で嗅覚を失ってしまった人は、一見何も問題ないようで、5年以内にほとんどの患者が精神疾患になったり、多くが自殺してしまうというくらい、嗅覚は知られざる重要な感覚です。
上記したとおり「言語化しずらい」からこそ、説明できないし、理解の及ばない領域が多いので、視覚情報などに比べると、とても繊細で、言い方を変えると「地味」で「わかりずらい」ものです。だから見過ごしがちですが、香りって本当に大切です。
香りに繊細になるということは、かなり我々のセンス(感覚)を高めることになります。ちなみに、化学香料は刺激が強過ぎて、逆に脳の中枢に不自然な情報を送り込むと思いますので、できるだけ自然な香りが良いと思います。
ぜひ、日常の中でお香やアロマ、香りのある花を飾ったりして、豊かな香りに親しむ時間を作り、感度をアップさせることは、深い精神性への探求へとつながると思います。
まずは、この季節は「お花」の香りでもくんくん嗅いで(笑)、お散歩を楽しんでみては?
探求文庫 #75 新緑と目
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