4年間試合に出られなかった途中入部のラクロス部員が追いコンで語ったこと
毎年冬になると、なんとなくなんちゃんの話を思い出す。まあ冬ではなくても、1年に1回くらいは思い出す。
この記事、絵のことはあんまり関係ないんですけど。ぼくが留学する前の、日本の大学の卒業式まで遡るんですけど。まあお付き合いください。
新しいことに挑戦しようとするすべての人に、なんちゃんのお話をプレゼントします。
ラクロス部の追いコン
日本の大学だと卒業式のあとに追い出しコンパ、通称追いコンなるものが開催される。追いコンを知らない方のために一応説明しておくと、部活・サークル・ゼミなどで先輩の卒業を祝って後輩たちが催してくれる飲み会のことを指します。
大学生の頃ラクロス部に所属していたぼくらもそれは例外ではないわけで、卒業式が終わったその足で後輩たちが準備しくれた追いコンに参加した。いや一度帰宅したと思う。まあとにかく追いコンに出席した。
飲んで喋って、宴もたけなわになる前に、卒業生たちが一人ずつ後輩たちにメッセージを伝えていくのだけれど、あの日誰がどんなことをしゃべったかなんて全然覚えてなくて、自分が何をしゃべったかですら全くと言って良いほど記憶にない。
でも唯一覚えているのが、主将だったわけでもなくレギュラーでもなかった、なんちゃんが話したことなのである。
なんちゃんが皆に語ったこと
なんちゃんはラクロス部に途中入部してきたぼくの同期だ。1年生の頃だったか2年生の頃だったか、具体的な時期は忘れたけど。とにかく彼は他の同期よりも入部したタイミングが少し遅かった。
同期とのラクロスの実力の差は埋まらなかったけれど、それでも4年間頑張ってラクロスを続けた。途中、腐ったことは何度もあったと思うけど、なんちゃんは最後までやりきった。そして今まで思っていたことを初めて追いコンで語る。
『自分は途中入部でラクロス部に入ったけど、練習してもうまくならない、試合に出れないのをすべて途中入部のせいにしていた』
『最初から周りと圧倒的な差があったから仕方ないって思って、ちゃんと努力しようとしなかった。そのまま引退を迎えてしまった』
『引退してからタケオとタツロー(両者とも同じくラクロス部の同期)と遊びでゴルフをやった。全員ゴルフ未経験者だった。自分はそのときもこんなのできるわけないと思って適当に打っていたけど、タケオとタツローは“俺は絶対ゴルフできるようになる”と言いながら打ちまくっていた』
『そのときに、途中入部を言い訳にしていたことが間違ってたと初めて気がついた。俺が試合に出られなかったのは、自分にはできないと決めつけていたからだ』
『俺みたいに途中入部のやつも、今試合に出れてないやつも、言い訳ぜずに頑張れ。環境のせいにして腐ってないで、絶対できるようになるって思って頑張れ。俺はちゃんとやらなかったことを、今凄く後悔している』
いや、これ。聞いてて目頭が熱くなりました。だってなんちゃん普段は風俗の話しかしないから。こんなに正直でアツいことがなんちゃんの口から出てくるなんて、驚きました。
まとめ
これ、ぼくにとっては結構大切な話でして。忘れたくないことがたくさん詰まってるんです。
それから数年が経ち、なんちゃんと話す機会があったのだけど、彼はこのとき自分が話した内容を全く覚えていませんでした。そしてその日も楽しそうに一人夜の街へ消えていきました。
まあ内輪の話ではあるんですけど、多少なりとも誰かに響けばと思って記事にしてみました。ではまた次の記事で。