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#15 感情を歌声に乗せる為の5つのステップ
こんにちは!
アーティスト専門メンタルコーチKAMIKENです!
今回は【感情の表現】についてお伝えします。
歌唱においてよく言われているのが『もっと感情を込めて歌って!』というもの。私はここに少し違和感がありまして、、、どうしても理性が感情を装って表現されてしまうのではないかな?と思ってしまうのです。
感情というのは外側の世界から五感の刺激を通じ自分の内側で起こる体験があって初めて感じるものです。それはこの世であなたしか感じることの出来ない特別なもの。そもそも言葉尻だけなぞったような、とってつけた感情は声に乗りません。
感情は込めるものではなく、溢れるもの。
この考え方は、歌声に自然で説得力のある感情を表現出来るための大切な鍵になります。以下に、感情を「溢れさせる」アプローチとその実践方法をまとめましたので、是非チャレンジしてみて下さいね。
1. 感情を湧き上がらせる土台を作る
感情を溢れさせるためには、まずそれを自然に引き出す環境が必要です♬
• 歌詞の意味を深く理解する
自分の人生経験や価値観と結びつけることで、歌詞に書かれた感情が自分の中で自然に湧き上がります。
• 実践: 歌詞の一行一行を自分の言葉に置き換え、どのように感じるかを書き出す。
• 感情を想起させる体験や記憶を思い出す
歌う曲に関連する自分の体験を思い出し、その感情を意識します。
• 例: 別れの歌なら、自分が大切な人と別れたときの感情を思い起こす。
2. 「感情を出す」のではなく「感情を受け入れる」
溢れる感情を歌に活かすためには、無理に感情を作ろうとせず、自然に受け入れる姿勢が大切です。
• 身体のリラックス
感情は緊張があるとブロックされてしまいます。歌う前に深呼吸を繰り返し、身体をリラックスさせることで、感情が流れやすくなります。
• 実践: 横隔膜を意識した深い呼吸を3回行ってから歌う。
• 「演じる」のではなく「生きる」
歌の世界観に完全に没入し、その感情をその瞬間に生きる感覚を大切にします。
• 例: 舞台上で「自分がその物語の主人公だ」と思い込む。
3. 感情を声に乗せるための技術
感情が溢れていても、それを効果的に伝える技術がなければリスナーには届きません。ただ、前提として理性が感情を超えてはいけません。常に『この感情を表現しようする時に必要な技術』を念頭にして下さい🎵
• 声のニュアンスを研究する
声の強弱やトーンを工夫することで感情がより伝わります。
• 実践: 一節を何度か歌い、強弱や声質を変えて録音し、どれが最も感情的に響くかを分析する。
• 歌い方に変化を持たせる
単調な歌い方では感情が伝わりにくくなります。フレーズごとに意識的に抑揚や間を取り入れます。
• 例: 悲しい歌では一部を囁くように歌い、感情を際立たせる。
4. 溢れる感情をコントロールする
感情を溢れさせる一方で、歌に集中するための冷静さも必要です。ここで理性が必要になってきます。感情を下支えしてくるのが理性です。
• 「溢れすぎ」を防ぐ
感情が高ぶりすぎると、声が不安定になったり、表現が過剰になってしまいます。
• 対策: 先ずは限界まで感情を優先する。身体が付いていけなくなるので、その部分が何処なのか覚えておく。別の練習でその部分の前後を切り取り、感情と紐付かせながら身体に意識して反復練習する。
• 感情とテクニックのバランスを保つ
感情と声の技術が一体化することで、聴く人に自然に響く歌声になります。
5. 感情が溢れたときの感覚を記憶する
一度、感情が自然に溢れた経験を覚えておけば、それを再現しやすくなります。
• 感情を感じた瞬間を振り返る
• そのとき何を思っていたか?
• 声の出し方や身体の状態はどうだったか?
• 再現性を高める練習。これは同じ歌を何度も歌い、感情が溢れる感覚を掴む練習を続けても良いのですが、『こうすれば思い出す』というような一連の動作を擦り込ませておくと効果的です🎵
先ずは感情が出てきたら、そっとその感情を否定せず、ジャッジせずに丁寧に身を委ねて下さい。途中で思考が入ると表現が止まってしまいますから、その思考がにょきにょきと出てきてもスルーしてそのまま続けて下さい。
感情を溢れさせる歌声は、リスナーの心にダイレクトに届くものです。このプロセスを意識しながら練習を続け、自然体で豊かな感情を表現できる歌声を目指してください!