Vol.30【ロンセスバージェス到着】スペイン巡礼おばさん奮闘記
「フランス人の道」スペイン側の起点である
ロンセスバージェス
ピレネー越えで疲れきった巡礼者達を癒してくれる最初の集落です。フランスとスペインの国境を過ぎて、Roldán(ロルダン)の泉を通り過ぎ1430mのレポエデール峠の高台からスペインの大地が広がっているのを見た時には、すごく興奮しました。頑張って重い荷物を背負ってここまでよく歩いて来たなぁ、と、自分を褒めてあげたくなりました。
見えてきた修道院の裏手から巡礼事務所に入ります。すごく大きなアルベルゲがありました。やっと着きました。
ロンセスバージェス
ベッド数は217もあるそうで、ほとんどの巡礼者はここで宿の手配をしてもらっていました。私はスタンプだけ頂いて、ホテルの部屋に入ってシャワーを浴び、バルでビールをひっかけたら、教会のミサの時間(20:00)になりました。ルルドスでミサの静粛さに感動していたので、ここでも参加させていただきました。
スペイン語で執り行われるので、またルルドスのフランス語のミサとはちょっと違いました。でも綺麗な歌声は同じです。教会という建物の構造上なのか、歌声が本当にのびやかに響き渡ります。ここではこれからサンティアゴデコンポステーラまでの安全を願うための巡礼者向けのミサも行われます。
汝の隣人を愛せよ
の掛け声と共に、参列者同士がハグをしあったり、握手をしたりで、これから歩き出す巡礼者同士の絆を作ってくれるようで心暖まる気分になりました。
私は、日本での情報収集が足りてなくて、ホテルを予約してしまっていました。アルベルゲの方がずっと安い(10分の1位)しそちらが良かったかな。でも、部屋の当たり外れがあるみたいで、オリソンで一緒だったドイツ婦人は、4人部屋であとの3人は男性でイビキがうるさくてほとんど眠れなかったと次の朝嘆いていたので、ホテルに1人部屋でよかったです。ピレネー越えで疲れ果てた上に、イビキの応酬だったら気が滅入ってしまいますよね
贅沢と言われようが、このホテルで熟睡できたおかげで、ピレネー越えの疲れが癒えて本当に良かったです。筋肉痛もありません。不思議な事に日本であんなに心配していた膝痛はまだ全然出ていなくて、重いザックのせいでの腰痛が少しあるくらいです。
しかし、ちょっと心配なことがあります。オリソンのホテルの水シャワーのせいか、喉が痛くなってきました。咳も少し出ます。風邪をひいてしまったのでしょうか?熱や頭痛はありませんが。
9:20発のパンプローナ行きのバス
バス停でまた一緒になったドイツ婦人。名前は聞いたのですが、発音がちょっと難しくて覚えきれませんでした。
明るい彼女もあまり英語はできないようですが、擬音や身振り手振りでいろんな国の人に話しかけています。私が荷物をからおうとしていると「手伝ってあげる」と持ち上げようとして、「こんな重いの持って歩いちゃダメよ」と気にかけてくれました。彼女は荷物配送サービスをしっかり使っているので、昨日までのピレネー歩きの時は軽いザック一つで身軽に歩いていました。私がフラフラと荷物に揺られながら歩く姿を見て、後ろから来た人が心配そうに声をかけてくれます。皆さん優しい人ばかりです。
ここまでで、カミーノ第一弾は終了です。